知り合いと、彼の旧知の鮨屋に行きました。盛り合わせを頼みました。

話が弾んだ時、鮨屋の大将があはははっと笑ったら、口からよだれが…。その下には盛り合わせが…。

大将、慌てて口を拭います。盛り合わせに、よだれがついたかどうか、よく分かりません。大将の拭った手にはついたはずです。

困ったなあ。これ、食べなきゃいけないのか。そればかりが気になって、知り合いとの会話はうわの空です。すると、いつのまにか大将が鮨を握って、盛り合わせの皿に載せています。あれれ、このオヤジ、手を洗ったかなあ。  

「はい、お待ちどうさん」

盛り合わせの皿は、我々の前を素通りして、我々より先に注文したらしい隣の女性二人連れの前に出されました。