本の紹介「モンテンルパの夜明け BC級戦犯の命を救った歌を作った人々」

太平洋戦争が終り、国民や日本に復員した兵士らの思いが癒えて来た頃、フィリピンのマニラ郊外のモンテンルパ・ニュービリビット刑務所には、戦犯として収容されている１００人以上の元日本兵がいた。その中には、フィリピン人に塗炭の苦しみを与えた者もいたが、多くは冤罪で死刑や無期懲役の判決を受けていた。そして、すでに17人には死刑が執行されていた。
　この物語は、これらの日本人を救うべく、戦犯らとともに刑務所内に住んで力を尽くした教誨師、その教誨師から作詞・作曲を行うよう勧められて「あゝモンテンルパの夜は更けて」を作った二人の戦犯、送られてきた楽譜を見て日本で歌うことを決意して自分の持ち歌にまでし、そして刑務所を訪れて励ました日本人歌手らと、自分の妻子や一族が日本軍に殺されながらも、反対を押し切って特赦を与えたフィリピン大統領の奇跡の物語である。
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