各テレビ局で、中村勘三郎の追悼記念番組をやっているが、この間、歌舞伎の「髪結新三」を見た。


 今年になるまで、歌舞伎なんて興味がなかった。たまに、勧進帳や忠臣蔵などをやると、ちょっとみようかと、ちらちらと見る程度だった。1年に1-2度くらいだったか。


 それが、今年になって、新聞店のサービスに、歌舞伎と野球どちらかが抽選であたるというのがあり、歌舞伎で応募してみた。そうしたら、新橋演舞場の勧進帳があったので、見に行った。3階席の、花道が見えない席だったが、これにはまってしまった。で、また明後日見に行くのだが、その間に、勘三郎が亡くなってしまった。


 芸達者で、踊りが抜群にうまかったそうだが、踊っているビデオを見ていると、自分は素人ではあるが、確かにうまいと感じた。激しく動いているが、ぴたりぴたりととどまっているようなそんな見事な踊りっぷりだと思った。


 そのうち、歌舞伎の追悼番組をNHKでやることを知り、ぜひ見てみたいという思いがふつふつと起きてきた。それで、「髪結新三」を見たのだった。


 それぞれの役者が、すばらしい芸だが、中でもやはり勘三郎の新三の悪党ぶりは、自然と雰囲気が醸し出され、素晴らしかった。また、片岡仁左衛門も、親分の弥太五郎の感情がよく分かる熱演だった。南座の公演後の口上では、口ごもり、そのあたりで勘三郎も見ていると思いますがーと、偲ぶ口上にしてはちょっと早いのではないかと感じたが、この仁左衛門も、奥深い芸を持っていると思った。意外だったのは、若い市川染五郎だ。新三の弟子で小悪党役だが、軽妙な役どころで、なかなかうまい。この人は、これからが楽しみである。それにしても、あんな大けがをしたのに、治って本当によかった。


 今年はいろいろあった歌舞伎界だが、勘三郎が亡くなったことで、私にとっては、歌舞伎界に芸達者が多いことを知る機会になった。退職後は、1-2か月に1度は見に行こうと思っている。


 最後に中村勘三郎に合掌。中村屋~。


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