最近のガイドブックには、○○に行くには、どこどこの駅で降りて、どこどこ行きのバスに乗ることと、ちゃーんと書いてあります。
故宮博物院に行くには士林駅で降りて、304番か紅何とか番のバスに乗る。バス停もきちんと載ってます。
ところが、駅に着いて、歩いて行くと、バス停が見当たりません。どうしたのかーと考えて、はたと気がつきました。
目指す出入り口とは反対の方に来たのでは・・・。
そこで、高架線路にそって反対側の出入り口に行くと、前方に大きな通りがあり、バスが通っています。バス停もあります。
さっそく行ってみると、紅何番かのバス表示はありますが、これは最終地点が故宮博物院ではありません。中国語は分からないし、運転手が
「次は故宮博物院」
と言っても聞き取れないでしょう。
それで、故宮博物院が終点の304系のバスに乗ることにしました。ガイドブックによると、ちょっと先まで歩くらしい。とぼとぼとぼー歩いて行きます。
ふと横を見ると、一匹の大きな洋犬が、ふらふらと歩いています。後から着いて行くと、大きな交差点です。しかも赤信号。大丈夫かなと思っていると、犬はちゃんと待っています。気が着くと信号が変わりっています。何と、犬は、人間様が気がつく前に、交差点を渡り始めたのです。
犬は、色盲というのが定説ですが、ちゃんと信号が変わって渡り始めていました。不思議だ。
犬に聞きたいが、人間の言葉は喋れないだろうし、ましてここは台湾、日本語が分かるはずないしーと思って、あきらめました、じゃんじゃん。
いや、これで終わっちゃいけなかった。交差点を渡ると、バス停がありました。バスが次から次へときます。そばにいた老婦人が、何やら聞いてきます。どうやら、「どこに行くのか」と尋ねているらしい。そこで、故宮博物院と書かれた文字を示すと、うなずきました。
そのバスがやってきます。老婦人が手を上げます。ガイドブックに書かれていましたが、自分の行き先のバスに合図をしないと止まってくれません。
老婦人の親切もあって、バスが止まりました。中に入ると、電光掲示板が見えます。日本と同じです。これで次の停留所が分かるのです。こんなことなら、紅何番かのバスに乗っても大丈夫でした。でも、まあいいか。
バスで20-30分して、故宮博物院に着きました。バス代は15台湾ドル、45円くらいです。
故宮博物院の入り口。ここの壁は、何年か前に直したと、日本に帰って聞きました。
中の入り口。160台湾ドル(500円弱)で入場料を買いました。
入り口に人が並んでいたので、並ばなきゃいかんのかと思って並んだら、博物院の通訳ツアーに参加する人たちで、ただ乗りを心配したのか、なんやら私を指してガイドに訴えている。こりゃいかんと慌てて列を離れました。
中には4時間ほどいました。見れば見るほど、人間業かと思うような陳列品が数多くあります。こんな微細なものが2-3000年前によく作れたものです。
陳列をほとんど全部見終わって、外に出ました。いやあ、圧倒されました。
ふと見上げると、青い山が見えます。安らぎました。タクシーの運転手が近づいて、士林駅まで150台湾ドルだといますが、バスの値段を知った身ですから、丁重に断ります。
とはいえ停留所で系統図を見たら、なんとか士林駅とある。これは、自分が乗った士林駅だろうかー考えていると、乗る勇気がでません。まあ、知らないところに行ってもタクシーに乗って、ガイドブックの駅士林を指させばいいのですが、まだ踏ん切りがつかない。ええいーままよ乗ったら、士林駅が見えてきました。士林の前のなんとかという文字は、鉄道会社の名前だったようです。日本でいえば営団大手町駅という感じでしょう。ああ、浪費した時間がもったいない。