想い違い(志田×渡邉×守屋)
今日遂に愛佳と理佐が別れた。
私はずっと前から愛佳の事が好きだったから、やっと私にチャンスが回ってきたと思って少し浮かれていた。
そんなのも束の間、愛佳は理佐と別れて吹っ切れたと言っていたけど、それから何事にも気力を失ったみたいで見ていられなくなった。
私の想い人をそんな状態に陥れた人物を見てみると、いつもと変わりなくおぜちゃんと楽しそうにしていて。
私が愛佳を幸せにしてあげたいって思っていたけど、こんなになってしまった愛佳を元に戻せるのは悔しいけどあの子しかいない。
何か言ってやろうと思って、寮に戻ってすぐに理佐の部屋に駆け込んだ。
「なに、茜」
「愛佳が今どうなってるか分かる?」
「え、いつも通りオダナナと騒いで...」
「はぁ、やっぱり愛佳の事全然見てない。愛佳はね、理佐と別れてから誰とも話さなくなっちゃったの。最初は吹っ切れたとか言ってたけどあんなの嘘。あんなになっちゃった愛佳を私が側で助けてあげたいって何度も思ったよ、でも話しかけても独り言の様に理佐...としか言わなくなっちゃったの」
「愛佳.....」
「私に言われてやっと様子に気づいたやつに負けるの悔しいけどね、愛佳が好きなのは今も昔も理佐なんだよ、あの状態の愛佳を元に戻せるのも理佐しかいないの。」
茜がいきなり部屋にやってきた。
収録終わりで疲れてるのに、って思ったけどすごい剣幕だったから思わず部屋の中に通してしまった。
そして言われた内容。
どうしてあの時あんなに愛佳に冷めていたんだろう。確かに尾関は好きだけど、愛佳とは違う。可愛がりたいという方で好きだ。
愛佳に別れ話をされた時、きっと私は愛佳に冷めていた。冷めていた原因は尾関を可愛がりたかった気持ちと、きょんこと仲良くする愛佳に嫉妬していたから。今の状況を茜から聞いた時、私のせいでこうなっちゃったっていう気持ちと、そこまで私の事が好きだったんだという嬉しさが混ざって複雑な気持ちだった。
確かに、あまり愛佳に好きだとかは照れくさくて言えていなかった。きっと不安だったよね、ごめんね愛佳。もしも戻れるならあの時の自分をぶん殴りたい。
「ねぇ茜、まだ間に合うかな」
「悔しいけど、理佐ならいけると思う」
「私、行ってくる」
「おう」
寂しい思いさせてごめんね愛佳、今すぐ行くから。