こんにちは、漢方医(卵)KOUです。
前回は、正しい食事について触れました。
今回は特に「胃もたれ」に焦点をあててみたいと思います。
食後、胃の辺りがムカムカして気持ち悪かったり重くなったり…。
中にはそういった症状が長く続いたり、食事中から出現してあまり食べられない、という人もいます。
程度の差はあるものの、日常生活に支障のでる症状ですね。
こんな症状が、「以前はなかったのに、最近になって出現した!」という人は、ぜひご自身の食生活を見直してみてください。
もちろん、病院(胃腸科/消化器内科)に受診する、という手段も間違いではありません。
病院で処方される薬で症状が一時的でも楽になったり、中にはピロリ菌(Helicobacter pylori)除菌を必要としていた人、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を必要としていた人もいるかもしれません。
しかし、病院にかかるorかからないは別として、食生活を見直すこと は必須です。それこそが不調の原因特定であり真の治療に繋がるからです。
チェックすべきところは
1. 食事の時間帯および回数
2. 食事内容(食べ物の種類や量)
3. 食事の様子(食事時間や咀嚼など)
4. その他の要因(強いストレス、環境変化による身体の冷え、などなど)
です。順に細かくみていきましょう
1. 食事の時間帯および回数
一般的な例は、朝昼夕の一日3食で、朝食6~9時/昼食11~14時/夕食18~20時といったところではないでしょうか。
もちろん、人によって一日2食(朝抜きor 夕の炭水化物抜き)なんて人もいると思います。それがその人の今の健康状態にあっていれば◯です。例えば、中年以降のちょっと減量が必要な人・中年以降で日中あまりエネルギーを使う生活をしない人、などです。。
基本的に、若い世代は一日3食を必要としていると思います。(ダイエットをしたいなら、食事回数を減らすのではなく、食事内容や運動で行いましょう)
「一日1食が自分の体に合ってるんだ!」って人はほとんどいないと思いますが、、病後の人とか、仙人レベルの人でしょうか…。
胃もたれするのが決まって「昼食後」などであれば、その「昼食」に問題がある可能性 大です(以下の2、3を参照ください)。
結構多いのが「朝起きた時」。これは、夕食の時間帯や内容に問題があることが多いです。
夕食は、寝る時間のことを考えると、食後4~5時間あけたいので(前のブログ「睡眠不足という恐怖1、2」参照ください)、できれば20時くらいまでには終わらせておきたいものです。そうすると、就寝までにある程度 胃内での消化が進みますので、朝起きた時に胃の重さなどを感じることは減るでしょう。
また、夕食の量が多い・油っこい なども朝の胃もたれの原因となりますので、量を少なめにし、油物は控えることも試すべきです。
食事の時間帯や回数は、自分の体調に合ったものと、現在の生活習慣が合致しない人が多数います(仕事などのため)。
まずは、「環境」を変えられるかを検討し(自分の体調に合う環境に)、それがどうしても無理なら、妥協案を考える、といったところです。
妥協案の例: 仕事の関係で夕食がどうしても21時以降になってしまう→ 空きっ腹のビールをやめ、和食中心で米の量をいつもの6割とする。そのかわり、休日は、早めの時間から食べ、晩酌も楽しむ など。(就寝時間を遅らす、は最悪の考えであり、本末転倒です
2. 食事内容(食べ物の種類や量)
胃もたれを起こしやすい食べ物というと…
油っこい物。これは誰でも想像がつきますね。この 油っこい にも、程度があります。
「友達と一緒にパンケーキを食べに行って、友達は大丈夫だったのに自分だけもたれてしまった」
ということもあるかもしれません。
人は関係ありません。
あなたにとって、合った食事内容にしてください。
人によっては、肉の量が多いと(そんなに油が強くない肉でも)もたれたり、特定の香辛料が胃に触る場合もあります。
辛いもの、味の濃い物は取りすぎない方がいいです。これはほとんどの人に言えます。
日本人は玄米菜食、穀物が胃腸に合っています。
和食は実に、日本人の身体に合った内容になっています。
パンを食べるな、とは言いませんが、やはり米を主食にした方が良いことは当然です。
胃もたれが連日続く時、最も簡単なアドバイスは、しばらく和食(ないしは消化に優しい柔らかい炭水化物のみ)にして、量を少なめ(普段の7割前後)にして、よく噛んで食べる、ということです。
*玄米や根菜の煮物などは、よく噛まないと逆に消化が重いことがありますので、注意しましょう。(胃もたれがある時は玄米は控えた方がいいでしょう)
また近年多いのは、「冷える食事」のために胃の不快感を生じている人です。
知らず知らずのうちに、胃腸を冷やす食習慣になっている人が多いです。
例えば、、
朝食→ ヨーグルトとフルーツ
昼食→ サラダとサンドイッチ
夕食→ お寿司(外食)
これはもう絶対に冷えます。冷え性の女性でなくても、冷えます。
でも外来で話を聞いていると、こういう若い女性ほんとに多いんです。
若い女性ほど、本当は身体を冷やしてはダメ、温めないといけないのに…。。
漢方の考えには「寒熱(かんねつ)」があります。
それ(薬や食べ物)が身体を冷やすのか、温めるのか。これはとても大事な考え方であり、現代人にも絶対に必要な知識です。
夏野菜(トマト・キュウリ・ナスなど)が体を冷やす。生姜は体を温める。
↑このくらいのことは、どなたでもご存知だと思います。
意外と知られていないのは、、
乳製品・生野菜・くだもの・甘すぎる物 も体を冷やす、ということです。
上の例、サンドイッチ以外すべて引っかかっていますよね。(サンドイッチも場合によってはアウトですし)これでは、一日3食全てで胃腸を冷やしているようなものです。。
特に、朝食は、空きっ腹に最初に入れるものですから、ぜひ胃を温める物をとっていただきたいのです。
また、日本にも近年「サラダ」が流行っていますが……あの「サラダ」では、野菜もほんの僅かしか取れないし(葉っぱ って感じ…)、メインより前に食べる人多いから、胃腸を冷やすだけ…と思ってしまうのは私だけでしょうか……(サラダ屋さん、本当にごめんなさい。私的な意見です。。)
日本人なら煮物や味噌汁で野菜を取ればいいのに…と私は思います。
冷えのために胃腸に不調がある人は、絶対に食事内容を変えるべきですが、、
でもデザートなどでフルーツやケーキなど食べることありますよね?
すべて食べない!なんて、私もしていません。
プリンやアイスなど、胃腸を冷やしそうな物を食べる時は、食後にするか、温かいお茶と一緒に食べます。
冷え性の人が最近多いので、熱が入って長くなってしまいましたが、上記を気をつけていただくことでだいぶ事態は変わると思います。
文字制限がかかったので次回に続きます。