先日金曜ロードショーで『風の谷のナウシカ』の放送があった。
ご覧になった方も多いだろう。
この作品は子供の頃から何度も観ているが、大人になってから観ると、色々なことを考えさせられる。
今、改めて観て感じたこと。
それは、とても宗教的なメッセージがこの作品には込められている・・・ということだった。
『風の谷のナウシカ』の世界では、人間が土と水を毒にし、汚れた土と水で育った植物たちは、人間に報復するかのように空気中に毒物を撒き散らしている。
腐界と呼ばれる死の森と、恐竜のように大きく進化した虫たちに脅えながら、人々は暮らしていた。
けれどそんな死の森の地底では、実は腐海の木々たちが汚れた水を綺麗にしていた。
汚れた水と土を綺麗にした植物は、死んで砂の結晶になってゆく。
死の森と呼ばれる腐海は、人間の知らないところで長い時間をかけて少しずつ森を甦らせんとしていたのだった。
そして蟲たちはその森を守っている。
風の谷のナウシカに登場する「蟲」は、ひょっとすると「神」のような存在を表しているのではないかと思う。
自然は遥か昔から存在してきたものであり、人にもその他の動植物にも平等に恵みを与え、脅威すも分け隔てなくもたらす。
物語の中で、人間を襲う脅威を抽象的な「神」としたならば、観る人の宗教や価値観によっては心に届かなかったかもしれない。
わかり易く「蟲」として可視化したことで、全ての人間に当てはまる脅威になった。
生きとし生けるもの全てが免疫力というものをあらかじめ持っているそうた。
病気や怪我を治そうとする力・・・。
地球も生きている。
死の森を生きた森へと甦らせようというのは、地球の免疫力の働きなのか。
地球にとっての脅威とは、人間の存在なのかもしれない。
地球が遥かな時をかけて作り上げた地下資源を使い果たそうとし、驚異的な早さで増殖し、幾多の動植物を絶滅に追いやってきた。
いずれは宿主を死に追いやるのか。
それではヒトは、地球にとって癌細胞のようなものだ。
人間は、自分たちで壊したものをまた元に戻そうとするが、たかが人間ごときにそんなことはできるのだろうか。
人はただ、地球の免疫力の邪魔をしなければ良いのかもしれない。
風の谷のナウシカに出てくる腐海の森とは、この地球の未来の姿なのだろうか。
環境問題というものは、人間ごときが何世代かけても解決しないのかもしれない。
もっと遥かな年月を有するのかもしれない。
ただ、地球の免疫力を馬鹿にはできない。
邪魔をしなければ確実に成果は現れるだろう。
終わり。
