引退後~逮捕まで その19 | ひとみの 忘れたい記憶と残したい記憶・・・

ひとみの 忘れたい記憶と残したい記憶・・・

 元AV女優仁○ひとみの
 AV女優の頃のお話から引退後、
 そして現在の幸せな日々のお話のブログ。
 ヤクザに拉致られ覚醒剤漬けにされ
 そしてAVの世界へ・・
 現在と過去、行ったり来たりで書いてます。

雑居に移された、その翌日の朝・・・

若い子達ではなく、年の頃で言うと50~60歳くらいの

おばさんが二人いたのだが。

そのうちの一人が、私に話しかけてきた。





『ねぇ、今見ている新聞に、お父さんが殺されたって記事

 載ってない???』





私は普通に 『いや、載ってませんけど』





そういって、再び新聞に目をやった。

そのおばさんは、朝のその一言以外は、一日中何もしゃべらない。

その翌日の朝も、そのまた翌日の朝も





『ねぇ、今見ている新聞に、お父さんが殺されたって記事

 載ってない?』





と、新聞を読んでいる私に必ず聞いてきた。

最初は、よっぽど気になる事件でもあったのかな?と思っていたが・・・

そのうちに、同じ雑居の少女Aが

私に、ちょっとちょっとって手招きをして

部屋の隅へと私を呼んだ。





少女A 『あのね、あのおばさん、おかしいんだよ』


私   『え?なにが????』


少女A 『毎日、同じ事聞いてくるでしょ?お父さん殺されたって

      載ってないか?って・・・・』


私   『あぁ~うん・・・なんか気になる事件でもあったの?』


少女A 『違う違う・・・・』

     『あれさ、自分のことなんだよ!』


私   『(・_・)......ン? どういうこと?』





それは、、、、、、、、

ある日、そのおばさんが、自分の旦那さんを殺してしまった

そういう事件。

おばさんは、旦那さんを殺害後

精神的なものなのか、ちょっと脳が破壊されてしまったらしい・・・

旦那さんがちゃんと自分の望み通り、亡くなっているのかどうか

その事件が新聞に載っていて

もうこの世に自分の旦那さんがいないことを確認したかったみたいなのだ・・・





なんだか、その話を聞いたときに、ぞっとした・・・・

でも、そのおばさんは

私が、 『いや、載ってませんけど』 って答えるたびに

なんだか、ほっとしたような、うっすら笑みを浮かべていた・・・

もしかしたら、ホントは殺したくなかったのかもしれないな

勝手に私はそう思ってしまった・・・





ちょうど、少女Aからその話をされた、お昼近くの午前中。

その日はお買い物の日だった♪

拘置所の中では、必要な物、それからちょっと欲しい物

そういったものは、自分のお金で買うことが出来る。

その都度支払うわけではなく、出るときにまとめて精算なのだが。





確か、一枚の用紙の中に、細かく項目があって

その中に、商品名みたいなのがたくさんかいてあって

その横のマスのような箇所に、欲しい数を書き込んだような気がする(^^;;;





最初、私は何を買っていいのかわからず

少女A達に、何を買っているのか聞きながら

用紙を記入した。





手紙を出したいので、切手は必ず買った♪

それから、すぐボロボロになってしまうので、うちわ!

(暑い夏だったしクーラーもないので、これは必需品でしたwww)





それから、よく買ったのが、のりたまwwww

毎日出されるご飯のおかずが、

好き嫌いの多い私は、食べれない物も多く・・・・・・

そんなときは、このふりかけ!のりたまが大活躍してくれる!





あとは、ようかんをよく買った^^

今でもコンビニのレジ脇などに、小さい四角い100円くらいで購入できる

ようかんを見たことある人も多いと思いますが^^

このようかんを、よく買った^^

そして、少女A達と、分け合ってよく食べた^^





ようかんを食べようって決めた日は

みんな朝から、妙にウキウキしたりしていた♪

まぁ、中にいると、そのくらいしか楽しみがないのですが(^^;;;





まず、部屋の中にある洗面所で

洗面器の中に、みんなのようかんを入れます。

そして、その洗面器の中に

ほそーーく、ほそーーく、ずっと水が落ちるように

看守にばれないように水が落ちるように

水道の蛇口を、絶妙な感じでひねりますwwww

そして、お昼ご飯を食べ終わった後

下敷きを包丁代わりにして、ようかんを切り

みんなでおいしくいただくのですwwwww





楽しかったですね~

みんなで、おいしいね~ とか

出たらまず、チョコパフェ食べたいね~ とか

焼き肉も食べたいね~ とか

出てくる話題は、食べ物の話ばかりで、とっても楽しいひとときでした♪





なんだか、ようかん食べるだけなのに

たったそれだけの事が、ものすごく楽しみでしょうがない・・・

今では考えられないですね・・・・

それに、今コンビニのレジの横のようかんを見ても

なんとも思わないのですが

あの時の私や少女A達は

そのようかんを、まるで宝石でも見るかのような目で

とっても貴重な高価な物を見るような目で、見ていましたね(^^;;;

何にもない環境だったからこそ

そんなちょっとした物に対して、愛着が湧いたんでしょうね・・・・





見回りにくる看守達も

日頃は厳しい目で部屋の中を覗いては通り過ぎていくのですが

ようかんを食べている私たちを見るときは

なんだか、クスクスと・・・・笑っている・・・

そんな風にも見えました・・・・・・・・・・・・・・・・



続く・・・・