始まった 公演初日
公演は一日に全部で4ステージある。
朝も一番手にステージに立つ踊り子さんは
8時には楽屋に入らないといけない。
私は大トリだったので、楽屋には9時半までに入った。
私の引退公演の時の踊り子さんは
蒼々たるメンバーだったらしい・・・
ストリップの世界はまた、AVとは違い一種独特の世界である。
踊り子さん達それぞれに、ファンクラブみたいなのがあり
その人達は、踊り子さんが地方へ行けば、一緒に行き
そしてタンバリンなどを叩いて
踊り子さん達の踊りを、更に華やかに盛り上げたりする。
踊り子さん達の世界でも
やはりトップクラスといわれる、大人気の大御所さん達がたくさんいて
私の引退公演の時は
その大御所さん達が、総勢6名
そして、私のすぐ前に踊ったのが、元AV嬢の中●●里ちゃん
大トリが、私、仁◯ ひ◯みだった。
朝早くから、D●歌●伎町の前は、長蛇の列が出来ていた。
飛行機や新幹線に乗って、私に会いに来てくれたファンの方達もいた。
楽屋は、、、、、、私には個室が用意されていた。
興業側の配慮だったとあとから聞いた。
踊り子さん達は、自分たちがそれまで一生懸命頑張って
やっと有名になってきて、ファンクラブまでついてきているのに
AV嬢というだけで、トリを持って行かれるのは、、、、
やっぱりおもしろくないのだろう・・・
とかくAV嬢は踊り子さん達にいじめに遭うことが多いので
興行側の配慮で私は個室の楽屋になった。
彼が、、、初日、一生懸命マネージャー役に徹してくれた。
彼も、薬を抜いてきてくれた。
それが、何よりも救いだった・・・・ほっとした・・・・
彼は、踊り子のお姉さん達に、ゴディバのチョコレートを配り
『うちの仁◯、今回限りの引退公演なんです。』
『かわいがってやってください!』
みんなに頭を下げて回ってくれた。
私は彼のおかげで、お姉さん達にいじめられることもなく
むしろとてもかわいがってもらえるようになった
中でも一番の大御所のお姉さんが、ものすごくかわいがってくれた。
『あら、仁◯ちゃん、かわいいわねぇ~~緊張しなくていいのよ(^-^)』
『あたしの応援団、仁◯ちゃんの踊りの時、まわしてあげるからね^^』
ホントに、ありがたかった!
初日の一番最初のステージは・・・・・本当に緊張してしまった・・・・
最初の曲のウェディングドレスを着て舞台の袖まで行くときに
あまりの緊張で、ドレスを踏んで、こけてしまった
お姉さん達に、ひ◯みお姉さん緊張しすぎですよ~って笑われた^^
一曲目の曲がかかり、舞台の幕があがった
入りきれない人の山を見て、一気に緊張が、優越感に変わった
立ち見の人もたくさんで、劇場に入りきれなくてまだ外で並んでる人もいて
ホントにもの凄い人だった
客席の中に、お姉MAN先生がいた
わぁ~~~来てくれたんだぁヽ(^0^)ノ
うれしくって、涙が溢れそうになるのを必死にこらえて踊った
2曲目、ウェディングドレスから、真っ赤なミニのドレスに早着替えし
そして3曲目!
とってもUPテンポな曲
お姉さんが送り込んでくれた応援団の方達が
けたたましくタンバリンを鳴らしてくれて、ぃい~ひゃっほ~などと
かけ声もかけてくれて盛り上げてくれた
その時、何人ものお客さんが
大きな花束や、ものすごいでっかい包みのプレゼントをもって
舞台の上の私に、渡しに来てくれた。
みんな、目にいっぱいの涙をためて、、、、、
引退しないでください!って涙声でいいながら
プレゼントを渡してくれた・・・・・・
あまりにも突然だったので、嬉しいのと、びっくりしたのとで
踊りが頭の中から、すぽーーんと抜けてしまい
踊り忘れちゃった~~~
の、私の台詞に、会場内はどっっっと大爆笑になってしまった
そして、4曲目・5曲目と、ベット曲へ移っていった・・・
続く・・・