祐(ひろ)が、誰かに絡まれているのかと思ったら、なんだこりゃ?
祐とそっくりな奴が居る!
手足が長くて、長い首に小さな顔。
細身の黒のライダースーツが、決まってるじゃないか。
二人で笑って話していると、猫の兄弟がジャレテいるみたいだ。
俺は「ハッ」とした。
不味い。第二の綾川さんじゃないよな?
祐はどうしても、こういうタイプに弱い。
自分と似ている人なんか、滅多にいないせいか激しく親近感を感じるらしい。
不味い不味い。第2の綾川さんだけは勘弁してくれ。
俺は、二人の別れのSEXを、今でも許せない。
頭に思い浮べるだけで、唇を噛んでしまう。
あんな想いは、二度と御免だ。
「おい、祐。誰だよ?そいつは」
「失礼だよ。ちゃんと挨拶しなさい!」
馬鹿やろう!と思ったけど。
「俺はムサシ」
ツッケンドンに言ってやった。すると、そいつはニコッとして、
「僕はシュン。ムサシさんはカッコイイね」
と云いやがった。判ってるじゃないか?
君の評価が少し上がったよ。シュン君。
「ねえ祐。一緒に走ろうよ」
「うん。そうしようか。初めてだよ。つるんで走るのは」
馬鹿やろう!祐は後ろに乗ってるだけだ。なんで、ふたりで決めてんだ。
シュン君、激しく減点!
と思ったけど。。。。
なかなか、こいつはやる!
綺麗なコーナーリング。対向車に迷惑な、無茶なコーナーリングをする奴も多いけど。
コイツは絶対に、そんな事はしない。
自分の安全なルートを、綺麗に最速でコーナーリング。
やる!こいつは出来る奴だ。19歳とは思えない。
16歳か17歳で免許を取って、乗り込んで来たに違いない。
それに、直線入り口の加速力。
400ccのバイクはナナハンには劣るけど、加速が優れている。
負けてしまった。
祐が乗っているからなあ。やっぱり二人は重いし、思い切ったコーナーリングは出来ないし。。。
コーナーリングの仕方で、直線入り口の加速も違うんだよなあ。
まあ、そんな訳でシュンに対する評価は、グンと上がってしまったのだ。