ノナカ君のことを書こうと思います。
彼は高校時代の同級生でした。
頭が良くて防衛大学に現役で合格しました。
スポーツも得意で、体育の授業で彼より目立つ人はいませんでした。
ガッシリした体格ですが、無駄な肉は付いていませんでした。
ホントにワイルドな男だったのです。
僕やジュンとは違って本当の優等生のグループに属していましたので、あまり話しはしたことがありま
せんでした。僕とジュンは斜に構える性質でしたから優等生のグループとは合わなかったのです。
そんなノナカ君が大学1年生の正月の同窓会で会うと
「俺と寝よう」
と言うのです。別にふざけている様子は有りませんでした。
僕は不思議な気持ちでそれを聞いていました。というのも、そう言われたのは2回目だからです。
しかも、それは僕が高校3年生の時に防衛大学を受験する為に皆で泊まった宿で言われたのです。
そのときも「俺と寝よう」と言ったのです。
高校3年生の僕は丸坊主で、その頃は誰も可愛いと言う人は居ませんでした。
そんな訳で僕は不思議な気持ちで、それを聞いていました。
”何を考えているのかな?”
”去年も言ったこと覚えているのかな?”
ノナカ君は防衛大学に入るだけあって、戦場に立つ姿が似合いそうな雰囲気があるのです。
だから、そんなことを冗談で言うのが全然似合わないのです。
”という事は、本気なのか?”
どうにも僕には、判断がつきません。
僕は男の人にこういうことを言われると、親しい友達でない限り嫌悪感をモロに感じてしまうのです。
しかし、今回はそうではないようです。自分が何を感じているのかよく解かっていませんでした。
”僕がウンと言ったら、どんな顔をするかな?”
”驚かしてみようかな?”
”こんな彼がベットのなかじゃ優しかったりして”
”まてよ。防衛大学だからまだ童貞かな?”
なんてことを考えてしまいます。不思議な気持ちで考えていました。
"そうだきっと童貞だ。それでも誘っているんだ!”
”僕がベッドの中で彼をリードしたら、どんな顔をするのかな?”
そこまで考えると普段の彼の顔を思いだして、面白くて堪らなくなってきました。
それでいて彼を好きなのかというと、それも解かりません。
たぶん僕はずっと前から彼に憧れていたのだと思います。
彼のようなワイルドな男には、絶対に自分は成れませんでしたから。。。。
そんな気持ちで”俺と寝よう”を聞いていたのでしょう。
ワイルドというか、とてもセクシーないい男でした。
「俺と寝よう」といった人は何人か居たのです。
でも、結局それは覚悟のない”俺と寝よう”であって、僕には何の意味も持たなかったのです。
でも、ノナカ君のそれは、違って聞こえてしまって。。。。
そして、こう思ったのです。
”3回目に「俺と寝よう」と言われたら逃げられないな”
という訳で、高校時代の同窓会にはそれ以後は出席していません。
ジュン達とはいつも会っていましたし。。。
でも、どんないい男になったのか。
もう一度。ノナカ君に会ってみたいとも思うのです。