気まぐれなネット本
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短編集

メインキャラの簡単な紹介やっておきます;

ハルカ:赤い身軽な服を着た12歳ぐらいの少女。性格は気が強く、そしてトラブルメイカー

セイナ:ハルカの下部である7歳ぐらいの黒ずくめの少女。無口で無表情

晃:半分幽霊の9歳ぐらいの少年。明るく優しいのだが、ツッコミ役にされている

カリヤ:14歳ぐらいの金髪青目の少年。関西弁を使い、かなりのツッコミ役

漸:猫耳と尻尾の生えたクノ一の格好をした12歳ぐらいの少女。性格はクールだがマタタビに弱い

アユカ:青い服を着ている以外はハルカにそっくりな少女:性格は強気で純粋、そして世間知らず

ついでに全員「外見年齢と精神年齢が違います」!

詳しい紹介はありますけど、それはまた今度で;

あっ、それと全部の話がうちの自己満足になっておりますのでご注意を





1「お前=悪魔だ!!」


(何かから逃亡中のハルカ達。一番奥の部屋に着いて見つけたのは物凄くでかい穴)

ハルカ「うっはー、でっかい穴ー!」

脇役A「…落ちたら死ぬぞ、これ!」

晃「でも追手は来てますよ!」

脇役B「どうすればいいんだー!!」

セイナ「ハルカ、高度予測出来ません」

ハルカ「あっそ。それじゃ別の方法で予測するわよ」

カリヤ「は?別の方法?」

ハルカ「…こうよ!!」

(そう言ったハルカは隣にいた脇役Aに回し蹴りを食らわして穴に落とす)

脇役A「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!

(ひゅーとそのまま落ちていく脇役A。一部を除いた一同はいろいろな意味で口が閉じれなかった)

脇役B「うわー!!大丈夫かー!!」

カリヤ「…ハルカァ!!お前、何やっとるんじゃぁ!!」

ハルカ「何って…あいつを穴に落としたのよ」

晃「せめて自分で降りてくださいよ!ハルカさん、仮にも火の鳥でしょ!?」

ハルカ「バカね。それじゃ面白くないじゃない

カリヤ「このマッカッカ悪魔ぁ!!お前=悪魔じゃぁぁぁ!!!!」

ハルカ「…」

(それを聞いた直後、ハルカはカリヤにラリアットを入れてカリヤも落とす)

晃「∑カリヤさーーーーーん!!」

ハルカ「にしても脇役Aが落ちた音聞こえないわね」

セイナ「いえ、聞こえました。恐らく高度はかなりのものです」

ハルカ「あ、あたしが聞き逃してただけか」

(そう言ってハルカは傘を開いてゆっくりと穴を降下)



2「聴けー!!」


(生き残りを賭けたバトルコロシアム。そこの司会場が何か変な様子で…?)

戦士A「…始まりの鐘はまだか!!」

戦士B「何時もならとっくに鳴ってる筈だ!!」

(戦士達がいらつき、会場も不思議がる。その時…!!)

???『戦いなんかくだらねぇー!!あたしの歌を聴けー!!』

一同「!!?」

(司会場のマイクから通じる叫び声。無論司会場にいるのは…)

ハルカ『ふっふっふ…』

司会者&解説者「んー!んー!!(体と口をロープでぐるぐる巻きにされてる)」

ハルカ『それじゃ…』

(マイクをつかんで息を吸う。そして…)

ハルカ『誰が歌うかぁーーーーー!!!!』

(そう叫びながら取り出した爆弾とマイクをメイン会場目掛けて投げる)


どっかーーーーん!!



3「無理だ、無理!」


(ザバンッとダストシュートからゴミ捨て場に落ちるハルカと漸+その他)

ハルカ「べっ、べっ!!あのヤロー、女をこんなとこに落としやがって…!!」

漸「鼻がもげそうだ…。ところでお前は大丈夫か?」

少女「あっ、うん…」

ハルカ「でもまぁ、あたし達がどっかのパンじゃない分マシね」

漸「そのパンと同じ原理だったら物凄い光景が飛ぶから思い切り遠慮する」

ハルカ「あたしも願い下げよ!!」

少女「…は、話してる場合なの?」

漸「違うな。それよりもさっさと出口を探しに…」

(その時ゴゴゴ…と迫る壁、どうやらプレスするつもりらしい)

ハルカ「あたしはゴミじゃねぇってーの!!」

漸「言ってる場合か!さっさと潰すぞ!!」

少女「で、出来るの!?」

(少女の質問も聞かず、ハルカは巨大な大剣を取り出して壁を壊し、漸は術を使って壁の動きを止める)

漸「ふん、こんなので私達を止めようとは何と愚かな…」

ハルカ「はい、ここで勝利の決め台詞!」

漸「は!?え、あ…えと…」

少女「(いや、さりげなく漸さん言ってたじゃん)」←でもハルカが怖いので言わない



4「あっ、傷ついた?」(注意!人を選びます!!)


(ある夜中の城で姫と相思相愛だが身分に悩む剣士にハルカは…)

ハルカ「ん…」

剣士「!!!??」

ハルカ「あっ、この反応からすると初めてなんだ」

剣士「い、い、い、いきなり何を!!?」

ハルカ「何って…キスに決まってるじゃないの。それも大人のね」

(剣士、それを聞いて撃沈。ハルカはクックックッと笑うだけ)

ハルカ「まぁ、セカンドキスは姫様に取っておきなさいな」

剣士「お前が奪ったんだろうがぁ!!」

ハルカ「はっはっは!確かにそうよ、油断しちゃって可愛いんだから♪」

剣士「…お前、一体何だ…」

ハルカ「…ハルカ、あたしはハルカ。他の誰でもないハルカ」

剣士「…」

(そのまま静かな時が過ぎる。ハルカは用意されていた赤いワインを飲み始める)



5「いや、知らんから」


(宇宙ステーションに転移するハルカ達)

晃「うわっ!今度は宇宙ですよ、宇宙!!」

ハルカ「うはー…。珍しい世界に来ちゃったわね」

カリヤ「な、何や?この窓の外から見える真っ暗なのは…」

セイナ「宇宙です」

カリヤ「は?」

ハルカ「まぁ、てっとり早く言えば空の上の空よ」

晃「物凄い説明ですね。確かに当たってますけど」

カリヤ「…宇宙(そら)…か」

(それを聞いた三人がカリヤを一斉に見る)

ハルカ「さ…さりげにパクってるし!!」

セイナ「偶然だと計算できますが」

晃「でも何か似ていてビビります!!」

カリヤ「…何を意味分からん事言ってるんじゃ!!」

ハルカ「某人気アニメの台詞だったからよ!!」

カリヤ「はぁ?!」

(そのまま口喧嘩へ…)






6「あなたとあたし」



…非常なる運命の中、お前は生きるのか?


「えぇ、生きるわ」


何故?お前は確かに生きる事しか出来なくなった、なのに何故?


「世界の終わりをこの目で見るだけ」


世界の終わりを…?お前は本当に物好きだな


「バーカ。死ねない体になったんならそーゆー事ぐらいしか出来ないじゃない」


そういう割には娯楽をしまくっているように見えるぞ


「楽しんで楽しんで楽しみまくる。たったそんだけよ」


本当に貴様は前向きだな。何故あの人は貴様を選んだのであろう


「知らない」


…やはりその答えが来たか。問おう、お前にとって死とは何だ?


「…自分の終わりであり、違う自分の始まり」


転生、か。本当に貴様は分からん。摩訶不思議な女だ


「…それがあたしよ?」


…それもそうだな、ハルカ


「そーよ。ロザート…」





はい、こんなとこです。まぁ、色々と細かいですがただ単にうちが書きたいシーンだけを書きました(爆)

ネタ…ってかストック

色々と頭の中に思いつく小説。だけど今、書いているのかなりあるからなぁ…

ってなわけで今日はストック小説の一部の説明会です♪(ぇ

…自己満足なので見たくない人はバック!!(汗




「はるか」

平凡な中学生春香が出会ったのは自分とほとんど同じな少女ハルカ

そのハルカに出会った事によって春香は異世界「メリアルス」へと落とされる…!!

「…もしパソコンにウイルスが入ったら普通はワクチンを入れるわよね?

 だったら…そのワクチンすらも破壊してやろうじゃないの」

ハルカのこの言葉の意味は一体?

そして… 世 界 そ の も の を 「 P C 」 に 支 配 さ れ た 世 界 と は ? 

唯一この世界を人間に戻す力を持っているのはたった一人…「春香」のみ!

「Perfect computer」から人々は…救われるのか?




「闇と光と無の物語」

ある夏の日、謎の少年「レイ」と出会う「ひかり」

それが異世界に行く切欠になるとは全然思っていなかった

「闇の世界」は幻想的だけれど機械も発達している世界

「光の世界」は…何とスーパーマリオの世界

「無の世界」…イコール…現実世界

この三世界を巻き込んだ冒険に「ひかり」と「レイ」…そして炎の英雄「マリオ」と堕天使「セツナ」

「闇の世界」で起きる「アンナ」と「リアナ」の争い

「光の世界」で起きる「無の子供」が起こす「星」のトラブル

そして…「ひかり」達は何を知る…?




白き衣の紅き姫

ある日古城に迷い込んだ少年少女達

それは数々の悪霊が「姫」に従って人間を殺す悪夢の城だった…!

しかも行方不明とされていた殺人鬼がこの城にいたのだ!

反撃の手段は無い、ただ逃げるしか方法は無い




こんなところっす;

異世界物が好きなのでそんなジャンルも多いけれど、

出来ればこいつ等も書いてみたいと思います!!


二日連続で

ども!土日使って色々なとこを行ってきましたー!!

ニューレオマワールド、ゴールドタワー、映画、阿波踊り!

それじゃそれぞれの感想、いっきまーす!ネタバレ大あり!!




ニューレオマワールド

フリーチケットじゃないので、せこい!という感想が頭に残ってます!(笑)

マスコットキャラが変わっていたのにはちょっと驚いた;(見つけたの土産屋のキーホルダー)

そして半分おもちゃ王国に乗っ取られてなかったか…?

まぁ、いいや。実はアトラクションコーナーで乗った物は…

ジェットコースター三回、シューティング二回(兄貴三回)、屋内ジェットコースター、南極の奴だけっす。

思った以上にすいていたので人気の奴等は何とか乗れました~!

土産コーナーもまぁまぁでした。首飾りや指輪、買ったけどね;

兄貴はクラスメイトのお土産に食い物(何か忘れた)

父上にはワインって感じで

ここは別に昼から来ても平気って感じだったので朝来た意味あったのか?と一瞬思ってしまった夕菜でした;

まぁ、うち的には旧も新もどっちもどっちって感じっす;




ゴールドタワー

こいつはかなり高いタワーで展望台付きという代物っす!

しかもお盆限定フリーパスで一人1500円分だけで良かったし…!!

展望台の景色はかなり良かったっす♪

でも素で驚いたのは…純金のトイレ&スリッパ

そんなもんってありかぁーーー!!?(←しかもその時アイスココア飲んでた

展望台のエレベーターは普通よりちょびっと長い;

そして、ゴールドタワー一階には色々なものがあるのですが…

うちがずーっといたのはゲームセンターでしたv(パズルポブル連続でやってました)

少し母上とも対戦して、一人用やりながらも凄く楽しかったっす~!

その後の夕食は魚屋。何とモノホンの魚を連れるサービス付き!!

兄貴だけがそれに挑戦したんだけど、成功しないと思ったのだが…

最後の最後で大成功してくださりました(タイ釣った

うちは天ぷら+そば+ご飯でお腹一杯になったけどね;

そしてタイの生け作り…なんですが…

少しの間だけ、まだちょこっとだけ生きておりました

マジかい!?ってびびったよ…。まぁ、数秒後には死んでしまったけどね

あー、それにしても美味しかったぁ♪




映画(妖怪大戦争)

先週は満員だったので見れなかったこいつ;

おっと、こいつばかりはネタバレは凄く控えます。

正君も良かったし、妖怪達もマジで凄かったわ…;

戦闘シーンや妖怪達が集まるシーンもね!(後者には笑ったが)

色々なとこにギャグが入ってました;

でもあのオチには思い切りずっこけました;

あんなのありかい…って感じっす。

でもこれは結構面白いので見てもいいっすよ!




阿波踊り

ぶっちゃけるとうちは食い物目当てで来ましたb

そのお陰で結構早く腹が膨れちゃいました!

背が低いせいで踊りは全く見れなかったけど…;(音も凄かった)

いやー、タコヤキにカステラにカキ氷は本当に美味いっす!!

ついでにうちの兄貴がうなぎ釣りに挑戦しました。

母上とうちは釣れないって予想していたのですが…!


うなぎを釣りやがったよ、この男


おいおいおい!母上、うなぎ料理した事ないんだぞ!?

…その後うなぎはどうなるのか分かりませんっす


神の雫

~神の雫編~
第四話【天使】


飛行船が墜落した時から少し時間を戻して、こちらはミユルニア近くの森の中
ルクは額に流れる汗を拭きながら一言だけ呟く


「…暑いな」


「同感。もう燃え尽きそうな気分よ」


ルクの前で歩いているユイアはかなりの汗だく。
前にも似たような経験がある為、前の方がかなり暑かった記憶を持っている。
けれど今はそんな事思い出せず、ミユルニアに向かって歩くしかなかった
…もっともルクは飛んでおりますけど、彼も体力を使っています
その時、ユイアは前方にある物を発見する


「…穴?」


「は?」


ユイアの言葉にマヌケな声を出すルク。
ルクはユイアの指差している方向を見ると、
そこにあったのは形が少し崩れた穴…というより洞窟の入り口であった
二人はすぐにその洞窟の入り口に近づく


「うわー、中は真っ暗で良く見えないわね…」


「俺が雷をライト代わりに使えばいいだけだろ。どうする?この中に入るか?」


ルクはユイアの言葉に返事した後、質問する。
それを聞いたユイアはルクにサマーソルトキックで攻撃する


「ぐっふぅ!?」


その攻撃をまともに食らったルクは上空に舞い上がり、
そして暑くなっている地面に顔面激突してしまう。
ルクはふらふらと立ち上がりながら文句を言おうとしたら
ユイアが怒ったようにルクに向かって言う


「何言ってるの、バカ!
 あたし達の目的はミユルニアにある
 ミツメノナミダを手に入れる事なのよ!」


確かに依頼内容はそれだ。
だがルクとユイアの頭から多少の湯気が出てしまっている
その熱と蹴りのダメージに負けたルクはユイアに向かって言う


「少しは休もうぜ…。お前も暑さでまいっただろうが…。
 それとツッコミにサマーソルトキックを使うな」


ルクはふらふらの体で洞窟に入りながら言う。ツッコミも一応忘れない
ユイアもその意見に賛成したのか、急いで洞窟の中に入る
その時ユイアは洞窟に入ってすぐに気付いた。
足元が瓦礫や岩が無造作に置かれている状況になっている為、
何時こけてもおかしくないぐらい足場が不安定なのである


「…ユイア、外の方見てろ。
 今から俺が明かりを着けるから」


「へ?」


少し離れた場所から聞こえたルクの声に、
ユイアはすぐに声が聞こえた方向を見てしまう。
その直後、その方向から強烈な光が洞窟全体に広がる
咄嗟にユイアは目を閉じて光が収まるのを待つ
そして収まったのを感じた時、目を開かせる
けれど明るいせいか目がかなりちかちかする。
その時ルクの声が聞こえて来た


「…やっぱりか。こりゃ人工的に作られた道みたいだな」


「は…?ルク、何が「やっぱり」なのよー?」


目を辛うじて開けられるようになったユイアはルクに質問する。
ルクは急いでユイアに近づいて、ユイアの体を持って空を飛ぶ
それに驚いたユイアは急いでルクに文句を言う


「ルク!いきなり何するのよー!!」


「…見ろよ」


どうやら文句は言っても無駄と判断したユイア。
言われたとおり、ルクが指差しているものを見てみたら…
そこにあったのは縦に真っ二つに切れた骸骨の姿であった


「な、何これ!?」


「人間の骨だ。昔で何かやばい事があった…としか思えないな」


ルクが周りを見渡すと色々なところに白色の岩が混じっているのを確認する。
白色の岩は全て粉々に砕けた人間の骨だ。
その時、ルクの右手にユイアが左手でしっかりつかむ
ルクはそれに驚いてユイアに向かって言う


「いきなり人の手をつかむな!!」


「怖いのよぉ…。あんた良く平気でいられるわね!」


涙目状態のユイアにルクは溜息を着くけど、
良く考えるとユイアの反応は間違っていない。
自分と違って彼は二つの部分を除けば普通の一般人だ
こんな場面を生で見るのは初めてであろう。
その時、ルクは足元にこの洞窟に似合わない物があるのを発見する


「…これ、は?」


拾ってみるとそれは純白の羽根であった。
普通の羽根と比べると本当に綺麗で、
この羽根を持つ鳥や天使が一体誰なのか気になってしまう
ユイアはそれを見て自分の感想を素直に言う


「綺麗ー!どんな人の翼なのかしら…!
 って、何でこんなトコにこんな羽根があるのよ」


褒めた後、気になる部分を素直に言うユイア。
けれどルクはそれに答えなかった。
ルクの頭の角がクルリと円を書いて、ルクの頭の上に金色のワッカが現れる
悪魔には似合わないワッカをユイアは眺めていると、
そのワッカはゆっくり移動してルクの前で止まる。
その様子にユイアはルクに質問する


「ルク、それ何よ?」


「悪魔族の能力の一つだよ。
 こうやって誰かの一部分からそれが誰なのかを探索する力さ」


ユイアの質問に答えるルク。
その直後、ワッカの形が変化していく
それは形からすると天使カービィであった。
体の色は水色で足と目は薄い緑。人間で言うと特上の美人であった
ユイアはそのカービィに見覚えは無いけれど、
ルクはそれを見て羽根を握りつぶして叫ぶ


「何でこいつまでいやがるんだ!!」


「る、ルク…?」


ルクの様子にユイアは恐怖を覚えてしまう
その時ルクはユイアの手をつかんで奥の方に走り出す。
ユイアは反論しようとしたけれど、
ルクから感じる気に怯み、従うしかなかった
無我夢中で走るルクの頭に出て来るのは悪夢であった




『それで勝てると思ったのですか?第7戦闘分隊隊長ウェルクリガ』




血の花と純白の天使、そして嘲笑うような満月。




思い出したくない過去が頭に蘇る
けれど今はそれどころでは無かった。
ルクはユイアを強引に引っ張って走り続ける



そして数分後、二人が出て来たのは何処かの地下室であった
かなり広くて何も無い灰色の部屋。
ユイアは周りを見渡すけれど、
この出入り口以外に見つけたのは二つの扉のみであった。
けれど左側の壁の扉にはある一人の天使カービィがもたれていた
それはルクの能力で見た人と同一人物であった
ルクは天使カービィにゆっくり近づくと言う


「何でここに来た」


「神の雫ですよ。でも特殊な鍵がかかっていて入れないんですけどね」


小さく笑ってルクに答える天使。
ルクは無表情ですぐに次の質問をする


「…そうか。それと何が目的だ」


天使はそれを聞くと純白の翼で少しだけ宙に浮く
そして口元だけ笑うと話し始める


「実は予知夢というものを見たのですよ。
 あなたが森に落ちて洞くつに入るところや、
 骸骨に驚いてしまっている彼女の姿なども見れました。
 まぁ、ここであなたと出会うところで起きましたけど」


「天使族特有能力の一つってか。
 それじゃ夢の続きをするとしますか?」


ルクはニヤッと笑いながらそう言うと己の槍を出す
天使もすぐさま己の右手に細めの剣を召喚させる。
ユイアは二人の様子に気付いて叫ぶ


「ち、ちょっと!あんた達何をするつもりよ!!」


こんな広い場所で戦うのは大丈夫だけれど、
いきなりこんな事になってしまえば
ユイアのように戸惑うのは無理は無い。
その時天使がユイアを巨大な泡で包み込む
ユイアがその泡を割ろうとしても少し揺れるだけで割れない
ルクは天使の方を向くと槍を構えて言う


「邪魔な奴、動けなくしてくれてサンキュー。

 …そんじゃ始めようか。イリ、俺とお前の戦いをな」


「えぇ、始めましょう。ウェルクリガ…」


イリと呼ばれた天使と、ルクはそれぞれ向き合う。




天使ファイリアスVS悪魔ウェルクリガ 開始




つづく



光と闇が混ざり合う新世界 プロローグ2




あの流れ出る大量の水の中、俺達は彼を助けられなかった




「…さようなら、マリアン」




どうして、どうして…あの時、俺達の敵として立ちはだかったんだ?




何で利用されていると分かっていながら俺達と戦ったんだ、リオン…!!




プロローグ2 幻想界の始まり




ここはドルアーガの塔廃墟前。

そこにいるのは金色の長髪で白い軽めの鎧をつけた男性と黒い短髪で軽装の女性であった

二人とも剣を持っている。その二人の名は「スタン」と「ルーティ」である


「…遅い」


待ち合わせをしているらしいけれど、相手が来ないのにイライラしているのか

ルーティは腕を組みながら呟く。

スタンは呆れたようにルーティを宥めようとするのだけれど…


「ルーティ、落ち着けよ。遅い遅いってまだ10分しか…」


「じゅ~ぶんよっ!レディを待たせるなんて黄金の騎士も底が見えたわねぇ!!」


ルーティは完璧にイラついているのか、

握り拳を作ってスタンに向かって怒鳴る。

「怒るなら自分達を呼んだ黄金の騎士に向かって怒ってくれ」と思うスタン

それと彼等が待ち合わせしている黄金の騎士というのは

数年前に幻想界に君臨していた悪魔ドルアーガとその住処になっていた塔を崩壊させた人物の事である。

しかも幻想界や魔界、神界で有名な三騎士の一人でもある。

何故彼等がその黄金の騎士に呼ばれたのであろうか?

しかも黄金の騎士自身が崩壊させたドルアーガの塔廃墟前での待ち合わせ

色々な意味で嫌な予感がするけれど…この状況では少し感じられない

その時、ある事を思いついて言うスタン


「おいおい…。あっ!黄金の騎士!!」


「えっ?あ、えと…あたし達も今来たところでーす!

 もうあたしったらせっかちさんで…おほ、おほほほ~」


ルーティはスタンの指差している方向を見て、

急いでさっきの発言をごまかそうとするけれど…

その方向には誰もいませんでした。どうやら嘘のようだ


「あら?誰もいないじゃないの。…スタ~ン!騙したわね~!!」


「ルーティは分かりやすすぎなんだよ」


怒るルーティの様子にスタンは思わず苦笑してしまう。

その時、塔廃墟から緑色のスライムと黒色のスライムが合計六体現れる

二人はすぐさま剣を抜いて、ルーティはスタンに向かって文句を言う


「スタン!あんたのせいでこいつ等が出てきちゃったんだからね!!」


「いや、俺に文句を言うなよ!(…黒いスライム?まさかこいつ等!?)」


思わずルーティにツッコミを入れてしまうけれど、

突然現れたスライム…特に黒色の方に注目する。

そしてある嫌な予想を立ててしまう

ルーティがそんなスタンに向かって叫ぶ


「こらー!戦いに集中しろー!!」


「あ、あぁ!ルーティ、行くぞ!!」


ルーティの言葉に返事をしたスタンは剣を構える。

最初にスタンが一番近くにいた緑色のスライムに向かって虎牙破斬を発動させる

それに続いてルーティがスナイプロアで攻撃!

そしてスタンが断空剣でとどめをさす。思ったより呆気ない


「よーし、この調子でガンガン行くわよ!」


「あぁ、そうだ…なぁ?!」


ドォン!!×2


ルーティの言葉にスタンが答えていたら

緑色のスライムと黒色のスライムがそれぞれ一体ずつ吹き飛ぶ。

どうやらそれはミサイルのようなもので攻撃したのだと判断出来る

二人は突然飛んできたミサイルに驚いていると、

赤いバイクが黒い生物を二体乗せてスタンとルーティの近くに走ってくる

それはパックマンマークのついた青い帽子を被った耳の長い黒い生物「クロノア」

もう一人は赤いゴーグルを頭につけた赤い服を来た黒色の生物「ガンツ」

クロノアは消滅した二体のスライムのいた場所を見ながら言う


「うっひゃー!ガンツ、凄いよ!

 あんな遠くからミサイルでスライムやっつけたんだから!!」


「けっ。あのぐらいで喜んでるんじゃねぇぞ。

 黄金の騎士絡みと思って来てみればこんな状況とはな」


ガンツは銃を構えて周りを見る。

さっきの攻撃で二体、スタンとルーティの攻撃で一体倒せたけれど…

まだ三体も残っている。

その時、クロノアがもっともな意見を出す


「というか…僕達、ど真ん中に飛び込んでない?」


「あれって…マーブルランドの住民?

 何だってこんなところにいるのよ!?」


少し呆然としていたルーティがクロノアとガンツを見て思わず質問する。

クロノアとガンツはスタンとルーティに気付き、ガンツは邪魔だと思い言う


「あぁ?何だ、テメェ等?

 …けっ、デートならよそでやんな!」


…普通はこんなとこにデートする男女はいない。

もっぱらの嫌味や冗談でしかない一言に、

ルーティは顔を赤くしてそれに反論する


「で、でで、デートですってぇ!?

 誰がこんな田舎もんとなんか…!!」


『ルーティ!今は戦闘に集中して!!』


ルーティはその言葉を思い切り否定しようと思ったその時、

アトワイトが注意して、その後スタンがルーティに向かって叫ぶ


「ルーティ!スライム、スライム!!」


ルーティがスタンの方を向くと、

スタンは緑色のスライム一体を倒したところであった。

まだ黒色のスライム二体が残っている。

それを見たルーティはすぐさま戦闘体勢に戻る


「…そうね。あいつとの話は後回しよ!!」


彼女がそう言った直後、別の地点から青色の鎧…ブルーナイトが二体現れる

それを見た二人と二体はそれぞれ驚きの反応をする


「青色の騎士!?あたし達が待ってるのは黄金の騎士よ!!」


「あれってドルアーガの魔力で動いていた…!

 ルーティ、嫌な予感がする…!!」


「もう嫌な状況になってるわよ!!」


スタンの言葉にルーティはツッコミを入れる。

その時、ブルーナイトの一体が竜巻で吹き飛ばされる

それを見たクロノアは驚いて思わず叫ぶ


「うわっ!何々!?」


残念だけれどその答えは返ってこず、

代わりにもう一体のブルーナイトへと誰かが呪文を唱える


「ファイアーボール!!」


その言葉と同時にブルーナイトは燃え上がってゆく。

それを見たスタンは急いでそのブルーナイトに近づくと、

左手から獅子の形をした気…獅子戦吼でとどめをさす。

ルーティはスタンのその攻撃を褒める


「スタン、ナイス!…ってきゃぁ!!」


ルーティがそう褒めた直後、ルーティの背中に黒いスライムの一体が圧し掛かる


「ルーティ!」


「見てる暇があるなら…さっさと助けなさいよ!」


ルーティがスタンに向かって怒鳴った直後、

黒いスライム目掛けて一つの槍が投げられる。

それに黒いスライムが怯み、

それを見たスタンとクロノアは己の持っている剣で黒いスライムに同時攻撃して倒す

急いでスタンはルーティに近づくと問う


「ルーティ、大丈夫か!?」


「何とかね…。ったくイライラしてきた!」


ルーティは立ち上がって最後の黒いスライムを見ると走り出す。

スタンはそれを急いで追いかけてルーティと共に黒いスライムを攻撃し始める

それを見ていたクロノアが苦笑しながら言う


「な、何か気が強いね。あの女の人」


「金髪の男も大変だな。こんな女を彼女にしてよ」


ガンツは呆れたような表情でスタンとルーティの戦闘光景を見ている。

黒いスライムを倒し終わったルーティが「聞こえてるわよ!」とガンツに向かって叫ぶ

その時、聞き覚えの無い新参者らしき二つの声が聞こえてくる


「…君達って結構強いんだね」


「結構マヌケなとこはあるみたいだけどな」


四人は一斉に声の聞こえた方を向くと、そこにいたのは…

金色の軽めの鎧を身に着けた緑色の生物―サンドラ族―と

悪魔を象った紫色のタイツを身に纏った水色髪の少女―コアクマン族―であった

ガンツはいきなり現れた二人に向かって言う


「あぁ?誰だ、てめぇ等は?」


それに答えるようにサンドラ族は答えようとしたら…


「あっ、おいらた「…ガンツ!あの人、クリノだよ!!英雄クリノ・サンドラ!!」…あ、あれ?」


クロノアの大きな声に、クリノと呼ばれたサンドラ族の声が遮られる

それを聞いたガンツは目を見開いて驚く


「英雄クリノって…確か乙女の騎士ワルキューレの!」


「すごいすごい!本物だよ!!」


ガンツに続いてクロノアが両手を挙げて嬉しそうに喜ぶ。

それを聞いていたコアクマンの少女はクリノに向かって言う


「有名だな、クリノ」


「ワルキューレ様が有名なだけだよ、サビーヌ」


クリノはクスッと笑いながらコアクマンの少女…サビーヌに向かって言う

サビーヌは「相変わらずだな」と呟いて、腕を組む。

その直後、今度はゆらぎによって赤に近いオレンジ色の丸い生物…ムゥが三体現れる

それを見たクロノアは驚いて叫ぶ


「あれって幻獣じゃんか!?

 何でこんなとこに現れるのさ!!」


クロノアが言った直後、またもゆらぎが発生して何かが現れる。

その何かはピエロのようなボールの生物(…かなり巨大だ)であった

ピエロは周りを見ながら少し笑って言う


「おやおや~?スライムやナイト達が全滅しちゃってますね」


「…誰だ、お前は!」


サビーヌはピエロに向かって叫ぶ

ピエロは小さく笑いながら己の自己紹介をする


「私はジョーカー、以後お見知りおきを…」


ピエロ…ジョーカーが自己紹介した直後、

ムゥ達はそれぞれ六人に襲いかかりに入る。

けれどそのムゥ達はすぐに全滅してしまう

その理由は簡単であった。それは…


「閃空烈破!!」


スタンがムゥ達をすぐさま切ってダメージを与えた後、

クロノアの方に向かってムゥ達が飛んでいく。

それを見逃さないクロノアではない


「風のリング!!」


クロノアが風のリングでムゥ達を上に吹き飛ばして、大きなダメージを与える。

すぐさまクリノがムゥ達の真下にいくと、魔力を高めながら叫ぶ


「竜巻の術!!」


その直後、クリノを中心に小さな竜巻が起きる。

それによってムゥ達はまたも上空に吹き飛ばされ…、

そしてそのまま消滅する。

それを見ていたジョーカーは対して驚かずに言う


「…やはりこうなりましたか。

 英雄クリノがいるからでなく、他の人達も十分な強さみたいですしね」


「やはり…って、どーいう意味?」


「アホか!良く考えてみろ!!

 さっきのスライムやブルーナイト、幻獣はこいつが出したって事になるだろーが!!」


クロノアの疑問にガンツが怒鳴りながらも説明する。

それに続くようにクリノはジョーカーに向かって問う


「…つまり君はドルアーガの関係者という事か?」


「えぇ、そうですよ」


ジョーカーが質問に答えた直後、小さなゆらぎが上空に発生する。

そしてそこから現れたのは黒いローブを身に纏った女…レオナであった

ジョーカーはいきなり現れたレオナの登場に表面上は平然としているが、内面驚いてしまう。

無論それを見ていた一同も驚いてしまっている。

そんな事をまったく気にせず、まだ空にいるレオナはジョーカーに向かって叫ぶ


「ジョーカー!すまん、うちの仕事半分失敗したぁー!

 だからナムコシアターの任務、任せたでぇーーー!!」


レオナはそう叫んだ直後、すぐさまその場所から消えようとしたら

ジョーカーがレオナに向かってある事を言う


「それじゃ、あの手を彼等に使ってください。

 あなたの力ならば…いとも簡単に出来るでしょう?」


「…OK」


レオナはニヤッと笑ってそれに答えた直後、

ジョーカーは消えて、レオナが地上に降りてくる。

さっきの光景に唖然としていたスタンが一番早く我を取り戻して言う


「お、お前は何者だ…!」


「始めまして、うちはレオナ=ミズキ=エドワードっちゅーもんや。

 そんじゃ、会って即座の事で申し訳あらへんけど…

 お前等全員…別世界に飛んでもらうで!!」


レオナはそう叫んだ直後、己の力を発動させる。

それはこの地帯に大きな揺らぎ…時空歪曲を発生させる事であった

体から皮膚が離れていくような衝撃で、体そのものが動けない。

クリノはサビーヌの腕をしっかりと守るようにつかみながらサビーヌに言う


「くっ…!サビーヌ、オイラから離れちゃ駄目だ!!」


「あ、あぁ…。それよりもこれって…まさか…!?」


サビーヌがクリノに向かって言おうとした途端、二人はそのまま転移する

必死にガンツのバイクにしがみ付くクロノア。

それを見たガンツはクロノアに向かって怒鳴る


「てめぇ、何をボサッとしてるんだ!!」


「ご、ごめん!って…ガンツ、僕達飛んじゃうよ?!」


クロノアが叫んだ直後、この二人も違う次元へと飛ばされてしまう

唯一残ったスタンとルーティは動けない体のまま、レオナを睨む。

レオナはそれに小さく笑いながら二人に向かって言う


「アレは次期に堕天の騎士が起動させるから安心せい。

 まぁ、何処に行くかはうちでも分からんからな…。

 時の狭間に飛ばさなかった分、うちに感謝しとき」


「…アレ…?ま、まさか…!!」


「さよならや。二人のソーディアンマスター」


スタンが言う前に、レオナはクスッと笑って言う。

その直後、スタンとルーティも消えてしまう。

…ゆらぎを元に戻すとレオナは近くの岩に座り込む



そして…その数分後にまたも誰かがやってきた。

黄金の鎧を身に纏った青年と白い服を着た青い杖を持つ女性である。

その姿を確認するとレオナはニヤッと口元だけを笑わせる

青年はレオナの姿を確認すると、レオナに向かって言う


「…こんな所で会えるとはね、レオナ」


「この後、嫌と言うほどうちと会えるようになるで?

 黄金の騎士ギルガメスとイシターの巫女カイ…」


レオナは立ち上がりながら青年…ギルガメスと女性…カイに言う

カイは周りを見渡しながら、レオナに向かって言う


「スタン君とルーティさんがいないという事は…

 あなたが何かをやったとしか思えないわね」


「大当たり…や。でもまぁ、うちはある事を話すだけに来ただけや。

 ここであんた等と戦闘するのは面倒やからな♪」


ニコッと笑うレオナ。でも目は笑っていない

ギルガメスはそのレオナの話す事を聞く為に黙る。

カイもギルガメスと同じ判断をしたらしいようだ。

レオナは攻撃する事も無く説明を開始する


「単刀直入に言うで…。ドルアーガは復活した。

 これが…どーゆー意味なのか分かるかい?」


「…時の狭間は再び開放されたのか」


ギルガメスはその答えを容易に導けた。

というか自分達はそれについて調べていたのだ。

分からない訳ではないし、イシターの助言もあったのだ

レオナは笑ったまま、答える


「そゆ事」


ギルガメスとカイはレオナの答えを聞いた後、

二人はレオナに向かって質問する


「…何故、僕等に情報を与える」


「あなたと私達は敵同士のはずよ?」


「…」


二人の言葉に黙り込むレオナ。

けれどその後、言った言葉はかなり衝撃的な物だった


「ほな、さいならv」


「「ちょっと待てー!?」」


その言葉にツッコミを入れる二人だけれど、

レオナはそれを聞かずにそのまま消え去ってしまう。

二人は顔を見合わせてしまうけれど

急いでこの状況の事を考える事にした。


「…彼女は何かを企んでいる。そう考えた方が自然だな」


「えぇ。何か…とんでもない事が起きそうだわ…」


カイの呟いた言葉は後に起こってしまう物語の言葉であった




次回【魍魎界での始まり】につづく




神の雫

~神の雫編~
第三話【ミユルニア突入】



「「うわぁ!?」」

ドンガラガッシャーン!

荷物の上に落ちたのか、かなりやかましい音をたてながら落ちる
落ちてきたのは転移魔法陣を使ったアトスとユーナイ。
頭を抑えながらアトスは立ち上がると周りを見渡す
荷物の入ったダンボールや武器等が大量にあり、そこは倉庫だというのが分かる
アトスがこの倉庫を見て否定したい予想を考えていると、
ユーナイが少しふらつきながら立ち上がる

「いたたた…。アトスさん、大丈夫ですかー?」

「大丈夫だよ。ユーナイは?」

「僕はちょっと体が痛いだけで大丈夫です。ところで…ここ、何処ですか?」

ユーナイの質問にアトスはちょっと悩んだ後、
近くのダンボールに座って「否定したい予想」の事を言う

「僕はあの時ミユルニアかミユルニアに近い場所に飛べって念じたんだ。
 その結果、後者の方が叶ったよ。少し嫌な形でね…」

「…ま、まさかここって…」

ユーナイの顔が少し青ざめていく。
アトスの予想した場所を連装したのであろう
アトスは真剣な顔つきで答えた

「恐らく…ブラックブラッド盗賊団の船の中だよ」

その時、タイミングを計ったかのように倉庫の扉が開く
二人は急いでそちらを向くとそこにいたのは…

「変な音が聞こえたと思ったら…侵入者でがすな」

左手には赤い腕輪がついている灰色のカービィ族であった。
アトスは何時でも剣を出せるように身構えて問う

「…僕等に何の用だい?」

「侵入者はリーダーに会わせなきゃならないけど…、
 どうやら痛い目にあってから会いたいような面でがすな」

「良く分かったね。痛い目に合うのはどっちか分からないけど」

アトスがそう答えた直後、アトスの右手に銀色の剣が現れる
カービィ族の男も赤い腕輪から炎が現れて
それが灼熱に燃える剣へと変わり、それを右手でつかむ
二人は同時に走り、剣をぶつけ合う

ガッキィン!!

暫く押し合っていたけれど、二人は後方にジャンプする。
アトスは急いで剣の先を男に向けると、そこからカービィサイズの竜巻を発生させる

「…コパルス・トルネイド!」

ビュゥゥン!

「げっ!コパルス使い!?」

トルネイドを発動させたのに男が驚くけれど、トルネイドは男を巻き込む
そしてそのままトルネイドは動きまくって近くのダンボールの山に当たって消滅する
ついでにそのダンボールの山は見事に崩れて色々なトコに散らばっていた

「…よし、これで…一応は大丈夫かな?(衝撃、凄そうだったし)」

コパルスを使ったせいか、少し疲れが出ているアトス
けれどトルネイドが消滅したと思ったらそこに男の姿が無かった。
アトスがそれに困惑していると、上から声が聞こえた

「エンシェントスペシャルぅ!!」

「!」

それに気付いたアトスはすぐさま剣を横にして上へのガードの体制になる
直後、ガキン!という音が響く
トルネイドを食らった男が何時の間にか己の上空にいて、
剣を下突きの体制にして己目掛けて落ちてきていた。
この男の言葉が無かったらアトスは間違い無く下突きを食らっていたであろう
すぐさま男はアトスから離れて次の攻撃態勢に入ろうとしたら…

『何を倉庫でドンパチやってんだ、グォラァァァ!!』

見事にコピー能力で言うとマイク並の怒鳴り声が聞こえて来た
二人は「何事か!?」と思い、同時に声の聞こえた出入り口の方を見る
そこにいたのは…機械仕掛けのメガホンを持った体が灰色で足は白いカービィであった

「…よしっ!リーダーのボイスメガホン大成功ー!!」

「何を喜んでるんでがすか!ってか素でびびったでがすよ、ネヴァー!」

嬉しそうに言った男「ネヴァー」に向かって、戦っていた男はツッコミを入れる
ネヴァーはボイスメガホンをクルクルと回しながらニコッと笑って言う

「でもまぁ、リーダーじゃなくてよかったね。
 あの人って怒ると怖いからね、特にリーリちゃん関係だと」

「リーダー、シスコンでがすからな。
 あんな兄貴でリーリちゃんも不幸でがす」

何時の間にか話題がずれているのに気付いているのはアトスだけ
二人が同時に溜息を着いた後、アトスはネヴァーの後ろにいる誰かに気付いた
それは例えるならば……………紅の鬼

「…あ」

嫌な予感がしたので、アトスは注意しようと思ったけれど
すぐに魔法陣「音拒」を使い、己の周りにシールドを張る
アトス曰く「紅の鬼」はマイク以上の大声で怒鳴った


「何を遊んでやがるんだぁぁぁ!!このダブルボケェェェェェ!!!!」


…その形相は鬼ではなく閻魔そのものであった

その大声は飛行船全体に響き渡ったのは言うまでも無い


―――そして数分後


「で、てめぇは何が目的でここに現れた?」

左目に傷跡があり、茶色のマントを身に纏った
血に近い紅のカービィ「アルガ」はアトスに質問する
シスコンという言葉を言ったネヴァーと男…アルガは「エンシェント」と呼んでいた
この二人はあの叫び声のせいで気絶してしまっている。
アトスはアルガの質問に答える

「この船の風圧に絨毯が飛ばされ、やむなく転移してここに来てしまいました」

「は?」

その言葉にアルガは思わずマヌケな顔になる。
予想通りな反応にアトスは苦笑して、説明しようと思ったら…
飛行船の中全体に放送が響き渡る

『古代王国ミユルニアが見えてきたぞ!
 急いで乗組員はそれぞれ準備しろ!!
 どんな危険があるかは知らないが、用心しろよー!
 ってかリーダー!あんた、地獄耳すぎですよー!!』

その放送は少し乱暴に喋っていて、すぐに終わった。
それに反応して、アルガはエンシェントとネヴァーの頭を叩いて起こすと言う

「てめぇ等、急いで準備に向かえ!
 ミユルニアにある禁断の秘宝の破壊に向かうぞ!!」

「!?」

その言葉を聞いたアトスは驚きを隠せない。
ミユルニアにあるという禁断の秘宝、
思わずアトスは己達が探しているミツメノナミダを連想してしまう。
すぐにその考えを否定しようと思ったけれど
この依頼とラルゴの状態について考え始める。
変なカラスロボットの言葉からの依頼、かなり怪しかった
最初は絶対に引き受ける気は全く無かったラルゴ。
それなのに突然引き受ける気になったのはかなり不思議だ
元々ラルゴは外見的にも能力的にも「ありえない」カービィだ
そして幼い頃の記憶を失っている為、何者かは本人さえも分からない。
ミユルニア、ミツメノナミダ、ラルゴ…
複数の謎があり、手掛かりが少なすぎる。
考えているだけで頭がパンクしそうになってくるアトス
その時、脳裏に一瞬だけ何かが見え、聞こえたような気がした

『…本当に貴様は愚者だな、「    」』

白色の何かが己に向かって言った。
それが一体何だったのかアトスに記憶は無い。
その時、壁から半分顔を出したユーナイから声がかけられる

「アトスさん、何をボーっとしてるんですか?」

「…なんでもないよ、ユーナイ。
 ってか何時の間に壁に避難したのさ」

慣れているアトスはユーナイに質問する。
戦闘能力が皆無に等しいユーナイは変に被害が来ないように壁に非難して、
回復魔法や保護魔法をかける事が戦闘では彼の良くある光景だ。
ユーナイはその質問に当たり前って感じで答える

「戦闘が始まる数秒前ですよ。
 それよりも…アルガさん、睨んでますよ」

ユーナイの言葉にアトスはアルガの方を見る。
「さっさと来い」という目付きで睨んでいるのが良く分かる
エンシェントとネヴァーがいないのを見てみると、先に行ったようだ
アトスはチラッと壁から出てこようとするユーナイを見て言う

「良くユーナイに驚きませんでしたね」

「最初から気付いていたよ。
 姿のみなら隠せるが気配そのものを消すのはそいつは出来ないようだしよ。
 それよりも着いて来い、ここにいても始まらんだろが」

「…はい(まぁ、確かに当たってるね)」

「あっ、はい…(そ、そうなのかな?)」

その言葉に多少納得するアトス。
それにちょっと不思議顔になってしまうユーナイ
けれど二人はアルガの最後の文の言葉に返事して着いて行く




そして三人が着いたのはメインブリッジ。
ブリッジと言うけれどSFとはかけ離れていて、
今の文明と比べてみると少し古い感じがするブリッジだ。
多少汚れているけれど、船員達は全く気にしていない。
アルガは己の席に座ると表示されているモニターを見る
そのアルガが座っている席の近くにいるアトスとユーナイもだ

「…あれが古代王国ミユルニアか」

モニターから見える銀色の古城。
それは全体が木々や草で包まれていた
しかもかなりボロボロでクラッシュを数回やったら破壊出来そうな感じがする
けれど、それはあくまで外見上の話だ。
古城から感じる魔力はかなり強力なものなのか、飛行船の中でもひしひしと感じる

「リーダー!これが神の雫っていう秘宝の魔力ですか?!」

「そうとしか考えられねぇだろが!
 急いでミユルニアの近くに着陸しろ!!」

船員の言葉にアルガは怒鳴るように答え、
すぐに操縦している船員達に向かって指示を出す。
それに従うように船員達は着陸態勢に入る。
少し揺れが入るけれど、確実に下りていく
その様子を見ているユーナイは思わず一言呟く

「す、凄っ…」

「これで驚いているんじゃねぇ。
 それよりも俺達が行く場所はやばい場所だ。
 油断はするんじゃ…」

ユーナイの言葉が聞こえたアルガは忠告していると、
ビービー!という機械音が響き渡る。
一同はそれが何なのか調べようとしたのだが…

ドォォォン!!

船が爆音と共に大きく揺れる、
どうやら外部からの攻撃のようでかなり大きい。
船員達は驚いてしまうけれど何とか冷静に今の攻撃を調査し始める
その揺れに耐えながらアルガは叫ぶ

「つっ…!情報通り、いやがったか!!
 攻撃した奴の行方を探して何とかしねぇと…。
 急いでレーダーを使い、攻撃した奴を探せ!」

アルガは急いで船員達に指示を出す。
引き続き船への攻撃は続いていて、揺れは収まらない
この攻撃は爆弾…恐らくコピー能力かコパルスのボムであろう
だがこの連続発動と威力は普通のに比べて高い
その時、船員の一人が叫ぶ

「リーダー!!
 右ウイングの上空から巨大な爆弾が突然現れました!!」

「なんだと!?」

その言葉にアルガは驚いてしまう。
けれどその直後爆弾は飛行船の右側に当たり、爆発する


ドォォォォォォォォン!!!!

先ほどとは非にならない大きな爆発が飛行船の右側に当たり、
大きな黒い煙を出しながら飛行船のバランスが崩れ落ちて行く
アルガや船員達が何とかしようとするけれど、
止める事は出来ず、その船は大きく落ちていっていく


ズドシャァァァァァ!!!!


そしてそれは右に横倒しになって城の前に不時着してしまう


つづく

神の雫

~神の雫編~
第二話【ブラックブラッド盗賊団】


かなり古い赤い空を飛ぶ絨毯に乗ってスタームーンは移動していた。
ほとんどのメンツが魔法や己の力で飛べる奴がいるのだけれど
かなりの体力を使う為、独自で開発した絨毯で古代王国ミユルニアに行く事にしたのだ
それは結構な速さなのでゆっくりと話したり、漫画を読むことは無理である

「うわー、風きっつー!!」

「下手に喋るんじゃねーぞ!舌を噛むか…るぁ!?」

帽子を抑えながら絨毯にしがみつくソイアに向かって、
ルクがソイアの方に体を向けて注意しようとしたら言ってる途中で自分が舌を噛んでしまった
それを見たユイアはリボンを抑えながらルクを見て「バカ」と呟く

「お前等、静かにしろ。舌を噛み切りたいのか」

その時、ラルゴが前方をしっかり見ながら注意する。
それは何時もと違い、真剣すぎる顔であった。
無論他のメンバーはそれに気づかない程、バカではない
いきなりあの意味不明な依頼を引き受けたのに不思議は持っている
その時、ラルゴの近くにいたアトスがラルゴに質問する

「ラルゴ、一体どうしたの?なんか何時もより何倍もシリアスなんだけど」

「…」

ラルゴはジッと前を見ているだけでその質問に答えなかった
それを見た他のメンバーは溜息を付きながら呆れる
その時、上空に何かが出て来たらしく彼等を影が包み込む
それに一同は驚いて思わず上空を見ると…驚愕した

『飛行船ーーーーー!!!??』

一部(リーズとラルゴ)を除いたメンバーは見事にハモって叫ぶ
そう、上空にあったのはかなり巨大な飛行船であったのだ。
その大きさは英雄伝説に出て来る仮面の騎士の乗るハルバードと同等か、それ以上はある。
その船は黒に近い赤色で、翼部分はかなり大きく…良く見ると色々な場所に砲台が着いている
それを見ていたアトスは己の知っている情報と上空の飛行船を組み合わせて言う

「あ、あれって…もしかしてブラックブラッド盗賊団の飛行船?!」

「長っ!ってか、めっちゃ物騒な名前だし!!」

「ってか某ゲームのと被ってないか?」

「いや、冷静に言ってる場合じゃないですよ!?」

ソイア、ユイア、ルク、ユーナイがそれに騒いでいるところ、
アトスは飛行船の向きと己達の向かっている方向を交互に見ながら考えている。
それを見たリーズはアトスに話しかけて質問する

「アトスどうした?」

「…確かブラックブラッド盗賊団は義賊の筈。
 それにあいつ等が向かっている場所は…
 今、僕等が向かっているミユルニアかもしれない」

「それがどうしたんだ?」

リーズの言葉にアトスは一瞬こけそうになるけど、
リーズの育ちを思い出して苦笑しながら
ブラックブラッド盗賊団についでの説明に入る

「あぁ、リーズは知らないんだね。
 あいつ等は悪党な商人ぐらいにしか物は盗まないよ。
 古代遺跡とかそういうところに潜り込む事はほとんど無い。
 今回はどうしてかは分からないけど…こりゃ、かなりの騒動は起きるね」

「騒動は何時も起きてるだろ」

恐らく良く分かっていないリーズの言葉にアトスは苦笑する
その時、飛行船は目標を見つけたのかブーストを使って凄いスピードで飛んでいく
…そのせいで下にいるスタームーンの絨毯は…

ドッピューーーーーン!!!!

『ぎゃぁーーー!!?』

予想通り、その速さから出た風圧のせいで見事に吹っ飛ばされてしまう。
無論それに乗っていたスタームーンメンバーはぶっ飛ばされてしまう
いきなりの事だったので元々空を飛べるラルゴ、ルク、ユーナイは平気だったが
浮遊魔法を使わなければ飛べない四人は使うのを忘れてしまい堕ちていく


「…うっそー!?」

「って、このアホが!!」

魔力を持っていない+飛行系のコパルスを使えないユイアは見事に落下していく
それに気付いたルクがユイアを助けようと一気に急降下する。
ルクを確認したユイアはすぐさま右手を上に上げて、ルクも右手をユイアに近づけようとする
けれどそれはギリギリ届かなくてユイアは重力に従って落ちていく
ルクは舌打ちするとそのままユイアを助ける為に己も落ちて行く
そのまま二人は下にある森へと落ちて行く



「うわっ…!(これじゃ魔法陣を使えない…!!)」

アトスは何とか剣を取り出すのだが、己の得意な魔法を使うには足場が不安定すぎる
その時、アトスの左手(剣を持っているのは右手)を誰かがつかむ
アトスは急いで上を見るとユーナイが非力な体で頑張ってつかんでいた
けれど子供と大人の差で重さはアトスの方が上、ゆっくりと落ちて行く

「ぬぐぐぐぐ…」

ユーナイは必死にアトスを落とさないようにするけれど、
その努力は空しく、ゆっくりとゆっくりと落ちて行く
けれどアトスから見ればそれは予想通りで己の魔法を使うには十分であった

「ユーナイ、もう少し頑張ってくれよ…」

そう言うと剣の刃が銀色に光り、
アトスはそれを下に向けると小さく空中に円を描く。
そしてその中心部分に剣を突きつけると言霊を載せて魔力を発動させる

「陣よ!我をこの場所から移転せよ!!」

そう叫んだ直後、円…いや、魔法陣は大きく広がり
その内側にも色々と模様が現れてきて銀色に光り輝く
それに驚いたユーナイは思わずアトスに質問する

「え?え!?アトスさん、これは!!?」

「転移魔法陣だよ…。でも…初めてだから…成功するか分からないよ」

「えぇぇぇーーー!!?」

アトスの言葉にユーナイは驚いて思わず叫ぶ。
その直後、魔法陣から出て来た銀色の球が二人を包み込み縮む。
そして縮んだまま、消滅した。どうやら…転移したようだ



「リーズ、手を伸ばしてー!!」

「わ、分かった!!」

ソイアとリーズは一生懸命己の手を伸ばして相手とガッシリつかむ
そしてすぐさまソイアは杖(何処にあった!?)を取り出して
杖を上に向けると言霊を乗せて魔法を発動させる

「杖、その場に止まれぇ!!」

ソイアがそう叫んだ直後、杖がピタッと空中で止まった
いきなり止まったせいで同感覚で落ちていたソイアとリーズの体も止まる
ソイアが杖を持っていた為、ソイアがリーズを支える体制になってしまう
それを見たリーズはすぐさまソイアの体を伝って上り、杖に乗る
そしてすぐにソイアの手をつかんで、ソイアも杖の上に乗らせる
リーズがジロジロと杖を見ながらソイアに向かって言う

「ソイア、こいつバランス崩してないな」

「まぁ、そーいう魔法だからね。
 って…ラルゴは、何処にいるの?」

ソイアはスタームーンリーダーであるラルゴがいない事に気付いた
ユイアとルクは下の森に落ちて、アトスとユーナイは転移魔法を使った。
それなのに彼は何処にもいない。もしやと思って飛行船の行った方向を見る
そして拒絶したいけれど可能性が高いため、ソイアは言う

「…まさか、ラルゴ…一人でミユルニアに行ったのか?」

「どうしてだ?何でラルゴ、行ったんだ!!」

その言葉にリーズはソイアにとって予想通りの言葉を出す
ソイアは溜息を付きながらもリーズに答える

「知らないよ…。でもあそこまで真剣で、必死な彼は初めてだ。
 もしかしたらミユルニアにはラルゴの何かが関係しているかもしれない。
 何かは分からないけど、凄く…凄く大切なものなのは十分分かるよ」

「あぁ…。私も分かる、でも知ると同時に壊れる」

「え?」

リーズの真剣な言葉に今度はソイアが驚く番だ
元々彼女の事は良く知らないけれど、
こんなに真剣な表情の彼女は久しぶりに見た気がした
いや、違う。今のラルゴには劣るけれど今まで以上に真剣だった





―――――それがあなたの運命なのよ



―――――僕は「    」だよ。宜しくね、「     」



―――――ねぇ、「    」。僕にとってのママって誰?



―――――僕がいるから!僕がいるから泣いちゃ駄目だよ!!



頭の中に流れ込んでくるけれど、すぐに消えてしまう。
恐らく全ては己の持っていた記憶であろう。
でも見えたと思ったら消えて、その記憶を思い出す事が出来ない。
ミユルニアに進んでいくと、それが見える回数が増えていく
ラルゴは必死にミユルニアに向かっていた。
己の中に眠る記憶と関係があるのは分かっている。
彼は、ラルゴは、一刻も早くそれを知りたかった





そしてどこか、ラルゴとは違う場所でだれかが呟いた




「…どうして?」





それは誰かに質問しているものだった



つづく

神の雫

~神の雫編~
第一話【始まりの音色】


カンカンカン トントントン

ある屋敷にて金槌の音が響き渡る。
その屋敷の周りには7人の球体―カービィ族―が屋敷の修理をしていた

「うっわー、リビングの壁は木で応急処置してもムダじゃない?」

赤いリボンを着けた水色カービィ「ユイア」は大きすぎる穴が出来た壁を見て呟く。
その穴の向こうには良く使っているリビングが良く見える。
木の板で防いでも中の様子が良く見えるし、間からカービィが入れるのも余裕であろうと予測出来る

「だからってそのままほっとくわけにもいかんだろが。明日辺りにはルピナ姫が用意した修理の人が来てくれる筈だし」

屋根の上から返事が返ってくる。
その返事の主は水色の丸い羽…例えるなら妖精の羽が背中に生えていて不思議な逆三角形のシールを額に貼った紫カービィ「ラルゴ」
彼みたいなカービィは全く見た事が無く、異質であるのだけれどここのメンバーにそれは通用しない。
その時、ラルゴの隣にいた緑色の悪魔カービィ「ルク」は下に向かって大きな声で呼ぶ

「おーい!ユーナイー!!」

「ルクさん、何ですかー?」

「木の板数枚持って来てくれー!屋根、思った以上に穴があるんだー!!」

「分かりましたー!!」

緑色のバンダナを着けた黄色カービィ「ユーナイ」は少し重そうに木の板を数枚持ってふわふわと屋根の方へと浮いていく。
ユーナイは「翼族」では無いけれど、空を飛べる。
ルクはユーナイから木の板を受け取ると急いで穴を塞ぎ始める。
屋根は穴だらけで木の板が尽きるのも無理はないのが良く分かった
ユーナイは苦笑しながらも屋根から下へと戻っていく
その時、屋敷の中から衝撃的な言葉が飛んできた

「四人ともー、内側の方が荒れまくりで電化製品が全滅しちゃってるよー」

「「「「マジで!!?」」」」

「マジ」

屋敷の中から聞こえた声に四人はハモって驚く。
穴があるお陰で外と中の会話が可能になっているのだ
声の主である緑色の二股帽子を被った青いカービィ「ソイア」は苦笑しながら四人に返事する
その時、ソイアの後ろに赤いリングを額につけていて青いマントを着けた勇者の様な格好をした桃カービィ「アトス」が現れる

「ソイア、皆の部屋を見てきたけど…」

「その表情からするとほとんどが全滅?」

ソイアの言葉にアトスは暗い表情で頷く。
全滅…即ち、どの部屋も使い物にならないぐらい酷いということであろう
これはリフォームどころではない、作り直すしか方法が無いであろう
聞いていた外の四人とソイアとアトスは溜息を一斉につく

「溜息つくとシアワセ、逃げるぞ」

「うわっ!いきなり後ろから話しかけないでよ…」

突然後ろから聞こえた声にソイアは驚き、苦笑する。
その声の主は赤くて短い鉢巻をつけたオレンジカービィ「リーズ」
何故この屋敷がここまでボロボロになっているのかというと
実はこのホワイトレイン地区に巨大台風がやってきたのだ。
すぐさま7人は屋敷に被害が出ぬようしたけれど、結果はこのありさま。
実はこの屋敷だけでなく周りの民家にもかなりの被害が出ている
その為、ホワイトレイン地区の大貴族マーカレット家が大きく動いているのだ
無論彼等の家も修理されるけれど、町外れのせいなのか明日になってしまったのだ

「だーもう!これじゃ仕事できないじゃないのー!!」

「おーい、落ち着けー」

金槌を振り回すユイアに向かってルクが棒読みで止めるように言う。
でもそれは全く聞こえていないらしく、ユイアの隣にいるユーナイはおろおろしている
ラルゴは呆れてしまい、額に右手を当てながら言う

「ってかスタームーンに来る仕事はほとんどろくな物じゃねーだろが」

「確かにね。もうほとんどが大冒険だったよ」

上から聞こえたラルゴの言葉にアトスは苦笑する。
…ってか普通はそんな依頼は受けるか?と思うけれど、考えてはいけない
ルクは握り拳を作りながら過去の依頼の事を思い出しながら語り始める

「サメに食われそうになったり、岩に押しつぶされそうになったり、遺跡の爆破に巻き込まれそうになったんだよなぁ…」

「あんたの言ってる内の二つはあんたぐらいしかやられてないわよ」

「うっせー!!」

ルクの言葉を聞いたユイアの冷たく尚且つ鋭い言葉にルクは両手をばたばた動かしながら叫ぶ。目尻にはほんのり涙が浮かんでいる

その時、ラルゴは黒い影がこちらに向かっているのを見つけてしまう。
そしてこのまま行くとどうなるのかも予想出来てしまった
注意しようと思い、ラルゴはルクの名前を呼ぶ

「おい、ルク」

「何だよ!」

ラルゴの呼ぶ声に少し苛ついているように振り返るルク
まだユイアの言葉に怒っているらしく、とても分かりやすい
その様子に呆れながらもラルゴはルクに注意しようと口を空けたけれど、時既に遅し

ドッガァァァァァ!!!!

「うっぎゃぁぁ!!?」

ルクの顔面目掛けて黒い物体が当たり、そのままルクは下に落ちてしまう。
ラルゴは頭を欠きながら下に落ちたルクの方を見て聞こえるように大きな声で言う

「おーい、大丈夫かー?何か変なのが来るから気をつけろって言いたかったんだけど遅かったわー」

…返事が無い。何時もなら「さっさと言えー!!」という反論が出て来てもおかしくないのだ
その答えをルクの様子を見たユイアがあっさりと出した

「…ラルゴー、こいつ完璧に気絶してるわよー」

どうやらルクは気絶しているようだ。
ユーナイは黒い物体を見ながら苦笑して呟く

「これはかなりの重量がかかっていましたね…」

そう言いながら黒い物体を持ち上げる。
それは機械仕掛けのカラスロボットであった
ギギギ…とユーナイの方に首を動かすと感情の篭っていない高めの声で喋り始める

「スタームーン、アナタタチニ、イライヲモッテキタ。
 コノイライハ、トテモタイセツデ、トテモキケン。
 ダカラコソ、アナタタチデ、ナケレバイケナイ。
 イライナイヨウハ、【ミツメノナミダ】ヲ、テニイレルコト。
 ベツメイ、【カミノシズク】ト、イワレテイル。
 バショハ、【コダイオウコクミユルニア】ダ」

途切れながらもハッキリとカラスロボットは依頼を話す。
そしてカラスロボットの温度が上がってくるのをユーナイは感じた
この後の展開はあっさりと予想出来たらしく、急いで叫ぶ

「こ、これ…爆発しますよー!?」

「げっ!マジで!?」

「うわっ!お決まりパターンじゃんか!!」

「ユーナイ、急いで捨ててー!」

「火薬の匂いは…多いな」

「全員屋敷の奥に退避ー!!」

上からユーナイ、ユイア、ソイア、アトス、リーズ、ラルゴ。
ユーナイはすぐさまカラスロボットを放り投げて壁をすり抜けて入り、
ユイアはルクの足を持ってそのまま穴からリビングに入り、
ソイアは浮遊魔法を使って少しでも早く奥の方へと向かい、
アトスは何故か冷静になっているリーズの手をつかんで走り、
ラルゴはまだ修理していなかった穴から屋敷の中へと入る


…数分後、遠くで爆発音が響いた。あのカラスロボットが爆発したのであろう


その音を聞いて最初に言ったのはラルゴであった

「放り投げて正解だったな…。あー、助かった」

遠くの方で上がっている煙を見て、ホッとするラルゴ。その後ろにいたルクが他のメンバーに向かって質問する

「おーい、依頼内容覚えている奴いるかー?」

「ん?ルク、起きてたのか?」

何時の間にか起きていたルクを見て、リーズは質問する。
ルクはユイアのほうを睨みながら叫ぶ

「ユイアが引きずってくれたお陰でな!!」

「何よ!それだったら爆発の方が良かったの!?」

「うわー、怒ってますね…」

ルクの言葉にすぐさまユイアは反論する。今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気にユーナイは苦笑する

「あぁ、僕は覚えてるよ。確かミユルニアって場所にあるミツメノナミダを手に入れろって依頼だった筈」

「え?カミノシズクじゃなかったの?」

「それは別名だ。ったく変な依頼が出てきやがって…」

アトスの言葉にソイアが不思議がると、ラルゴがすぐさま訂正させる
何時もは電話か依頼主、本人が来るのだけれど今回のは異例だ
勿論、全員引き受ける気はナッシング
ユイアに思い切り殴られたルクは頭に出来たタンコブを抑えながら質問する

「答えは分かってるけど一応聞くぜ。この依頼…引き受けるのか?」

「アホ。却下に決まってるだろが。カミノシズクとかミツメノナミダとか意味不明なものを見つける気は…!」

ルクに返事をしようとしたラルゴの目の前が真っ黒になった。



その直後巨大な赤い目が己の前に現れて、己を包み込んだ感じがした



そして一瞬だけれど、長く感じるビジョンが見えた



『これが神の雫か…!!』

小さな宝玉を持って嬉しそうに笑う誰か

『―――!逃げろーーー!!』

ボロボロの体で、けれど己に向かって叫ぶ誰か

『何故覚醒した!―――よ、お前の力は――――!!』

己に向かって泣きながら怒る誰かは直後、光に包まれた

『君は君だから…だから…今、出来る事をすればいいんだ』

泣いている己に向かって優しく慰める誰か



その直後、己は巨大な赤い目から急激に離れていくのを感じた



今度は目の前が真っ白になり、思わず目を瞑った

そして、バシバシと己の頭を叩くルクの姿が見えた

「何をボーっとしてるんだよ」

「あ…すまない」

周りを見ると皆、己を見て心配そうにしている。周りからすれば少しボーっとしていたようだ。
ラルゴは先ほど見えた一瞬だけれど長かったビジョンを思い出そうとするけれど、ぼんやりとしか思い出せない。
…知らなければいけない、どんなに残酷な事でも知らなければいけない。
己の本能がそう告げていた

「みんな」

ラルゴは他のメンバーを呼び止める。
不思議がるメンバーに向かって、ラルゴは真剣な表情で言った





「この依頼を引き受けるぞ」






遠くの方で爆発したカラスロボットの頭が喋った



「ヤハリ、キミハ、ソノハンダンヲ、スルンダネ」



つづく

スタームーン短編

もう一つのメインであるスタームーンというオリジナルカービィ集団のキャラ説明に入ります!

まぁ、こいつは時々短編で出すだけですけどね;


ラルゴ(男)(不明。外見上では24)
何でも屋スタームーンのリーダー
幼い頃の記憶を無くしており、己の記憶を思い出す為に何でも屋を開業する
上から赤・青・黄の逆三角形のシールを額に貼っていて丸い水色の羽を持つ紫カービィ
ラルゴのようなカービィは元々存在せず、多くの謎が存在する
魔法ともコパルスとも違う能力を持つラルゴの武器は自然。
炎や雷、氷や緑を何の代償も無く操って戦う事が出来る
《彼の無くした記憶は人々にどのような悲劇を見せるのであろうか?》


ウェルクリガ・ヴァレイシア(男)(23)
何でも屋スタームーンのメンバー。ルクという愛称で呼ばれている
三大貴族の内のマーカレット家の元戦闘隊長であった
ピコピコと動く小さな黒い角、コウモリのような大きな羽、そして黒い尻尾。
もろに悪魔みたいな姿をした緑色のカービィ
恋人の女性をある女に殺された事によって戦闘隊長を辞めて、スタームーンへと入る
魔法もコパルスも使えないけれど、生まれ付き持っている雷属性と三又槍を自由自在に操る
《己の仇の為に戦う彼は、悪夢を見てしまう》


ソイア・ルーカルス(女)(18)
何でも屋スタームーンのサブリーダー
女なのに男のように育てられた魔法使い
黄緑に近い緑色の二股帽子(ミラーやビームみたいな奴)を被った青色カービィ
親に愛想が尽きてユイアと共に家出をして、成り行きでスタームーンに入る
魔法に関しては天性の才能を持っていて、上級魔法も多少覚えている
《彼女は世界の裏側を、禁断の魔術を、まだ知らない》


ユイア・ルーカルス(男)(18)
何でも屋スタームーンのメンバー
男なのに女のように育てられた格闘家
とても大きな赤いリボンを着けた水色カービィ
親に愛想が尽きてソイアと共に家出をして、成り行きでスタームーンに入る
格闘に関しては天性の才能を持っていて、尚且つ少しだけならコパルスを使える
《彼は、何時死ぬのか、何時やられるのか、分からない》


アトス・ヴェルカルット(男)(20)
何でも屋スタームーンのメンバー
ヴェルカルット家で育った剣士
赤いリングを額につけていて青いマントを身に着けたカービィ
マーカレット家で足りない何かが分からなく、一度修行に出ようとした時に無理矢理入れられる
魔法剣の実力は高く、コパルスを多少使用できる
《強さとは何か。大切なのは一体何か。それを教えてくれないか》


リーズ(女)(恐らく18)
何でも屋スタームーンのメンバー
ジャングルで育った野生児
赤くて短い鉢巻をつけたオレンジ色のカービィ
最初はカービィの住む場所に保護される事になったけれど、その凶暴さのせいで
スタームーンによって教育する事になったのだが…何時の間にかその契約は無くなっていた
石と木の棒で作った槍と己の体を使っての戦いはかなり豪快である
《自然の中で育った彼女は鉄の街の中、何を知る》


ユーナイ(男)(11)
何でも屋スタームーンのメンバー
普通の男の子であった半霊半生
緑色のバンダナを着けた黄色カービィ。己の体を肉体や霊体に変える事が可能
元々は普通の男の子だったけれど、幽体離脱になり体が消滅してしまい半霊半生となってしまう
ある人間の女に進められ、スタームーンに(強制的に)入ることになった
攻撃は弱いけれどサポート魔法や禁断の回復魔法は自由自在に操れる
《幼き子供よ、そなたの体の悲劇は不幸か、幸福か》


一応の主役達はこの七人。

表向きは明るい小説をこいつらで書かせていただきます!!



光と闇の混ざり合う新世界 プロローグ1




ただ、最初は何時もの好奇心だけだった





でも、まさか、こんな事になるなんて思ってもいなかった





プロローグ1 物質界での始まり




夏休みの真っ最中、ドタドタドタと騒がしく走るのは二人の子供

片方は動きやすい格好をした少年に見える少女

もう一人は見た目は大人しいけれど、内面は活発的な少女


「早く走れ、ユイー!!」


「アキが急ぎすぎなだけー!まだもう少し時間はあるよー!!」


前に走っている少女…アキの言葉にユイが必死で走りながらそれに返す。

それを聞いたアキは器用に後ろ走りの体制になり、ユイに向かって叫ぶ


「アホか!!ナムコシアターのコラボライブは絶対混むに決まってるだろーがー!!」


ナムコシアターのコラボライブ。

それはメインのワンダーモモと外国でのミュージカルスター・フェリシアのライブであり、

半年だけのライブなのでかなり貴重なのである。

そして今日がそのコラボライブの初日である為、二人のように急いでナムコシアターに向かう人が多い


「それは分かってるけど…って!アキ、後ろー!!」


その言葉を聞いたユイが返事をしようとした時、アキの背後のある物に気付いて叫ぶ


「へ?」


ユイの言葉を聞いて、アキは思わず後ろを向くと顔面から電柱にぶつかってしまう。

それを見たユイは思わず苦笑してしまいながら、ぶつかった痛みを耐えるアキに近づく


「大丈夫?」


「こ、こんなの沙羅の拳骨に比べりゃ蚊に刺されるぐらい軽いっての…」


鼻を押さえながら立ち上がるアキ。

その言葉に少し同感しながらユイはアキに向かって言う

…ついでに同感の意味は「沙羅の拳骨」という言葉である


「えーと、大丈夫なんだね。それじゃ早く行こうよ」


「あっ、そうだな!」


アキはユイに返事すると我先にとナムコシアターに向かって走り出す。

その様子を見たユイは嬉しそうにアキに着いていく。

二人はこのままナムコシアターでコラボライブが見れると思い、走っている

だがその直後、アキが足を止めてしまう。

それを見たユイはアキの隣に来てアキに問う


「アキ、どうしたの?」


前からアキの顔を見てみると、かなり汗が出ているけれどそれは気温のせいじゃないのが分かる。

少し体も震えていて顔が青くなっている。

尋常じゃないと判断したユイは家に帰ろうと言おうと思ったのだが、

アキがユイの方を向いて焦った様子で叫ぶ


「…ユイ!逃げろ!!」


「え?」


その言葉の意味が分からず、思わずマヌケな声を出すユイ。

直後、二人の周りが真っ暗な何かに包まれてしまう。

それに二人は驚いて周りを見渡す。けれど己達以外に何も見当たらない


「…何、これ?」


「俺が知るかよ…。だけど、さっきから俺の頭の中で聞こえるんだよ。

 こいつはかなりやばい。急いで脱出しないと色々な何かが壊れてしまうってよ」


ユイの質問に答える事は出来なかったけれど、アキは己の頭の中に聞こえる声の事を言う

それを聞いたユイは思わずアキに向かって質問してしまう


「何かって何なの!?」


「俺が知るか!!」


その突き飛ばすような叫びにユイは少しびっくりしてしまうけれど、

アキも何とかこの空間から出ようと必死なのが十分感じ取る事が出来た。

ユイは急いでここから出る方法を考えようとした時、

第三者の声が聞こえて来た


「お前等やな?ユイとアキっていうのは」


「…誰だ!」


突然聞こえて来た女の声にアキはユイの前に出て身構える。

笑うように女の声はアキの言葉に返事をする


「うちか?うちはレオナ=ミズキ=エドワードっていうんや。

 結構かっこえぇ名前やろ、うち自身結構気に入ってるんやで~♪」


声がそう返事したと同時に、空間が少しゆらいでそこから人が現れる。

そこから現れたのは黒いローブを身に纏った高校生ぐらいの茶髪の女性であった

その女性の姿を確認した時、二人の体は金縛りに合うように固まってしまう。

いや、姿を確認しただけではない。感じる力も手伝って固まってしまったのだ

それを見た女性…恐らくレオナは二人に近づいて言う


「何を怖がっておる。うちはれっきとした人間やで~?

 まぁ、もっとも…正確には化け物の力を持った人間やけどな」


「…お、俺等をどうするつもりだ?」


レオナをギッと睨みながらアキは問う。

けれど体が震えているせいか、迫力が全く無い

その睨みに少し笑ってレオナはアキの頭を撫でながら答える


「簡単や。異世界ツアーへのチケットを渡しにきたんや。

 あっ、キャンセルは出来へんから強制やで?

 魔界の奴等は性格が悪いかもしれへんけど、

 お姉さんと一緒にいれば安心やから心配するんやあらへん!」


「ふざけるな!!」


レオナの言葉にアキが怒って叫ぶ。

予想していたのか対して驚いていないレオナ

ガシッとレオナの腕をつかんで腕を折るぐらいの力を出しながら叫ぶ


「異世界ツアーとかなんとか意味不明な事を言うんじゃねーよ!

 俺とユイはお前の用意した変なのをやるつもりは一切無い!!

 夏休みぐらい俺等の自由にさせやがれよ、このクソ女!!

 それにだ、頭狂ってるのか?!魔界があるみたいな言い方しやがって!!」


怒り狂っているのか金縛りが溶けているアキ。その腕には力をタップリと込めている

レオナはその様子を見て先ほどまでの明るい雰囲気を消して、

アキの腕を振り払わずに冷たく残酷な感じを出して言う


「…実際に魔界はあるで。それにお前等は本当の運命に進み出す。

 それが全ての始まりであり、これがきっかけとなろう」


そう言った直後、レオナはアキの腕から力を奪ってゆく。

アキはそれを感じたのか悲鳴を上げることが出来ずに倒れてしまう。

レオナは倒れているアキを右腕で持つとゆっくりとユイの方を見ると呟く


「来い」


「…返して。アキを返して」


「お前も来ればいいだろ」


レオナはそう言うけれど、ユイはそれに答えない。

体を動かしていないと思っていればそれは違う。

自分に対しての恐れが消えて、怒りが勝っている。

それは見ていて良く分かる。その時レオナはこの真っ暗な空間が歪むのを感じた

その事に驚いていると、ユイが呟き始める


「返せ…、返せ返せ返せ返せ返せぇーーーーーっ!!!!」


呟きは途中から叫びに変わる。

ユイが叫ぶと同時に空間が歪んでいく…いや、吸収されていく。

その様子を見たレオナは驚き、思わず叫んでしまう


「嘘だろ!?ユイの力が覚醒するにはまだ早すぎる!!

 ちっ!こうなりゃナムコシアターの方はジョーカーに任せて撤退や!!」


そしてアキを持ったままレオナは消え去ってしまう。

それと同時に空間は消滅して、さっきまでいた道に変わる。

ユイは周りを見渡してしまうけれど、さっきまでのことは夢じゃないと確認できた


「アキが…いない…」


アキがレオナという女に誘拐された事実を受け止める事が出来た

そしてナムコシアターの方に向かって無我夢中で走り出す



「プロローグ2 幻想界での始まり」につづく