カズアキさんはようやく
メニューを決め
注文する


「メニューとか、なかなか決められないタイプですか?」
「いつも…最後まで悩んじゃいますね…」
などと雑談


男性とこうして
二人でごはんに行くことにも慣れてきて
雑談は難なく出来るようになったけど


どうにもこうにも
恋愛系の話をするのも振るのも
苦手な私…


今日はキレイめな私、で来たんだし
ちょっぴりがんばってみるか…


「いつもデートとかは、どこへ行くんですか?」
「デートは…電車が好きなので、電車でどこかに行きますね」
そうだった
カズアキさんは駅員さんだった


「お休みでも電車、本当に好きなんですね」
「はい…電車、嫌いですか?」
「…好きでも嫌いでもないです…というより、好きか嫌いかって考えたこともなかったです」
「…そうですよね」


微妙な空気になった所で
二人分の定食が運ばれてきた


助かった


何だか…
相手のことをいいと思ってる思ってない、は
関係なく


自信がないがゆえに
自分の受け答えが
合ってるかどうか…
間違ってないかどうか…
いちいち気にしてしまう


でも…合ってるって何?
間違ってるって何?


自分の意見、気持ちを話して
それで合わないなら
違う、と思われるなら
仕方ない


好きな相手でもない人にでも
好かれようとしている自分に
気付いた