大好きな場所で、
コーヒーカップを割ってしまった。

「弁償します」と伝えると、

「いーの、いーの。気にしないで。
割れるものだから」
と、笑って言ってくださった。

「でも……」と言うと、

「本当に大丈夫だから」

と、今度はさっきよりもずっと大きな笑顔で。

その優しさが、なんだか申し訳なくて、
あたたかくて、

涙が出そうになった。

しばらくして――
なんと、さっきと同じコーヒーを
淹れて持ってきてくださった。

いつも飲んでいる、美味しい珈琲、、、

でも今日は、

ずっと、ずっと、心に染みた。

切なくて、
でも、おいしくて。

あたたかい味がした。