「お待たせいたしました」
静かな声とともに、
その女性は丸椅子に腰を下ろした。
ここでひとつ、白状しよう
私は待っている間、
他の人の予言を聞きながら、
「抽象的すぎない?」
「これって誰にでも当てはまるやつでは?」
「というか聖書っぽくない?」
(読んだことないけど
)
かなり斜に構えていた
私についたのは女性の預言者。
早口で降ろすため録音必須
机の上の小さな案内にも「録音の準備を」とある。
録音ボタンを押したのを確認すると、
彼女は一気に話し始めた。
想定内///
だって、さっき見ていたから。
しかも私はまだ半信半疑。
半分目を閉じて聞いていた。
言葉は、右から左へ。
耳の中を滑っていく。
聖書っぽいな。
後で聞き返せばいいか。
そんな呑気さもあった。
――何分経っただろう。
ふと、うっすら目を開け、
彼女の存在を確かめようと身体を傾けた、その瞬間。
カチッ。
音が鳴った気がした。
彼女の語尾に、
突然、熱が宿った。
淡々としていた声に、
にわかに情熱が差し込む
呼吸が速くなる。
空気が変わる。
私の中の何かと共鳴したのか。
それとも
私が彼女にフォーカスしたからか。
あるいは
私の一瞬の反応を、彼女は見逃さなかったのか。
とにもかくにも、
(ようやく始まった)
そう思った。
抽象的だった言葉が、
急に形を帯びた。
意味を持ち始めた。
スイッチは、
きっと両方にある
チャンネルを合わせること。
その存在を受け入れること。
隣にいる“何か”に、話しかけること。
それが受け取る近道だと
言われているようだった。
内容はここでは省くけれど、
結局――
降りてきた言葉を、
どう翻訳するかは自分次第なのだと思う。
何を拾うのか。
何を気づくのか。
予言という“ピース”を使って、
自分だけのアートを完成させる。
文字かもしれない。
漢字かもしれない。
絵かもしれない。
写真かもしれない。
浮かぶ場所か、
思い出す人か…
丸投げはできない。
依存もできない。
それがこのカフェの
面白さであり、難しさ
ピンと来ない人は、
翻訳を放棄しているだけかもしれない。
せっかく録音するなら――
文字起こしして、
AIに要点をまとめてもらうのも一興(笑)
ピントの合っていなかった部分が、
急に浮かび上がるかもしれない。