去年の今頃は

舞台
どうしても、妻が死ぬ。
の稽古中でした。

ダブルキャストで
やって
僕は月見聡と言う
妻が死んでしまう夫の役。



物語の終盤。
聡は妻を妻として
選ばない選択をとるんです。
そのきっかけになる手紙がこれ。


台本には書かれてない手紙が
演出で追加され。

それを電話越しに聞くシーンがあったんだけど

もう戻らない。
貴方とは一緒にいられないって
別れの手紙だった。



聡へ

いつもお仕事、お疲れ様。
あのね…。
今でも時々思い出すの。
高校の卒業式。
聡が告白してくれた時の事。
眉毛がピクピク動いて
唇が突き出て
伏し目がちで
私思わず笑っちゃったよね。
あれから12年。
頼りないなって思う事も沢山あるけど
だから私といて安心して欲しいなって
いつも思ってた。
ささやかでも温かい家庭を築いていきたい
聡とならきっとそうなるって思った。
…なれるって思ってた。
仕事を頑張ってる今の聡は頼もしい反面
私は必要とされてないんじゃないかって
…必要ないんだって。
聡は自分の居場所を自分で見つけた
私も自分の居場所を探してみようと思う。
聡はきっとこれから先、今より忙しくなって
色んな壁にぶつかる時もあると思うけど…
そんな時は30過ぎてバツイチで
いつも口うるさくて
洗濯物もちゃんと畳めない
そんな女がいたなって思い出して。
そしたら少しは気が楽になるでしょ?
優しくしてくれて有難う。
沢山、沢山、有難う。
聡、有難うね。
シャツのボタンは下から止めるんだよ

乃愛


人生で一番
寂しく。そして悲しい。
手紙だった。