モモ×幸田 ep.31「遥か」 | 東方神起~ちゃみ萌えブログ~

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プチオフ会やったら

またまたモモの幸せなep.書きたくなった( *´艸`)♡

 

 

黄金を抱いて・・・翔ぶ

妄想です

 

 

 

 

************** ep.31

 

 

 

漁船のエンジン音が全身に響く

 

暗闇の中

金塊を抱え舞鶴を出港した

 

 

朦朧とする意識とフラつく体を引きずりながら

どうにかここまで辿り着いた

 

徐々に白み始めた空は

夜明けが近い

 

 

横でうずくまって眠る幸田さんを

そっと覗き込む

 

ビルから落下した、と聞いた

後で合流した俺は詳しい状況は知らない

 

路上で北川さんが青ざめた顔で叫んでいるのを目にした瞬間

足がすくんだ

 

 

 

 

…死んだ..のか?

 

 

固まったように動かない俺を

野田さんがトラックの荷台に押し込んで

猛スピードで走り出した

 

ガタガタと揺れる荷台に

追ってくる警官の声

遠ざかっていくサイレンの音が入り混じった

 

俺の横で

北川さんが幸田さんの肩を掴んで揺すっている

怒鳴るような懇願するような叫び声…

 

「幸田・・幸田!!」

 

何の反応も見えない幸田さんの体をそっと横たえ

北川さんが頭を抱えて座り込んだ

 

その様子を

目の端にぼんやり捉えていた

 

辛うじて意識はあるが

体を動かすのはもう容易ではなかった

 

いつのまにか俺は気を失った

 

 

 

 

気付くと真っ暗な空に星が見えた

波の音と時折強く吹く風の音

 

堅く冷たい床は変わらないが

地上で感じる揺れとは明らかに違った

 

どうやら無事に出港したようだ

 

 

ゆっくりと体を起こして

壁にもたれながら視線を動かすと

 

 

少し離れたところに毛布にくるまった足が見えた

 

野田さんだろうと思った

 

北川さんの姿は見えない

 

俺からそう遠くない場所に

もう一つ毛布のかたまりがあった

 

・・幸田さんだ

 

 

 

近付いて...

 

ためらった

 

 

冷たく冷えきっていたら・・

 

息を…していなかったら?

 

横たわる幸田さんはピクリとも動かず

血の気の引いた顔で…そこにいた

 

 

重い沈黙の中

船のエンジン音だけが唯一時を刻んでいた

 

 

 

その時

 

苦しそうに呻く声が聞こえた

 

…!!

 

 

震える指先で幸田さんの頬にそっと触れた

 

 

眉間がかすかに歪んだ

 

 

「…モモ…?」

 

 

胸が締め付けられるように苦しくて

言葉が出ない

 

 

…幸田さん!!

 

声にならない声で叫んだ

 

 

気付くと幸田さんの頬がポツポツと濡れ出して

あぁ、雨が降りだしたんだ..と思った

 

頬をなぞっていた俺の手に

幸田さんの冷たい指がゆっくりと重なった

 

口元がまたかすかに動いた

 

途切れ途切れの声は

船の音にかき消されていく

 

口元に耳を寄せると

温かい吐息にふれた

 

ドクン…と

心臓が音をたてる

 

 

「モ…モ、なくな…よ」

 

そう言ってあんたは笑った

 

その時初めて

自分が泣いていることに気付いた

 

 

これは俺の涙だったか

 

こんなふうに

雨のように次々と流れ落ちる滴を…俺は知らない

 

こんなにも溢れる感情を

俺は..知らない

 

 

視界がどんどんぼやけていく

 

ほんの一瞬でも

視界からあんたを消したくなかった

 

このぬくもりが

夢になってしまいそうな気がして・・

 

 

幸田さんが・・生きていることに

 

ただ

 

感謝した

 

 

 

そんな俺を

幸田さんは柔らかな目で見つめていた

 

そっと幸田さんを抱きかかえた

 

「幸田さん、大丈夫・・?」

 

そういうと

俺の腕の中で少し体を捻って

 

一瞬苦しそうに顔をしかめて笑った

 

 

「モモ・・そんな力込めるなよ、苦しいだろ」

 

いつものあんたの声に

ホッとする自分がいる

 

「だから苦しいって」

 

あんたの笑顔に

心の底から込み上げる感情があった

 

 

大丈夫だ

俺が絶対に死なせない

 

釜山に着いたら

知り合いのツテで医者に診てもらおう

 

俺も・・一刻も早く傷を塞がないと

これ以上は動けない

 

ここまできたら大丈夫だ

 

幸田さん

あと少し・・気力で持ちこたえてくれ

 

俺が

絶対にあんたを助けるから..

 

 

 

「モモ?モモ・・!!」

 

幸田さんの声がだんだん遠のいていく

 

出血のせいで

また気を失いかけているようだ

 

 

 

幸田さん

 

あんたが生きていてくれて

俺は嬉しいよ

 

 

 

何にも縛られない地で…

 

 

あんたと二人で

今度は何を見ようか

 

何だっていいんだ

 

あんたと一緒に見られる景色なら

 

 

 

 

「着いたら・・俺が起こしてやるよ・・」

 

耳元で囁く声が聞こえた

 

 

そのまま

瞼を優しくなぞって

口付ける熱い吐息に体の芯から痺れた

 

 

 

 

**************

 

 

 

 

やだ~(TT)好き♡