【47歳  二通目の心ときめく人生の招待状】

 

その翌年

今度は、お世話になった公務員の男性から

 

「息子が鍼灸師の専門学校を受験したいので、

山崎先生、面接指導をお願いします」

 

とのご依頼をいただきました。

 

 

息子さんに

なぜ鍼灸師になりたいのかを尋ねると

 

「おじいちゃんが、いつも肩が痛い肩が痛いと

言っているので、ぼくが楽にしてあげたいのです」

 

素直で心やさしい人間性が見えてきました。

 

そして

今までに鍼灸の経験があるかを尋ねると

まったくないとのこと。

 

自分が鍼灸の心地よさを知らないまま面接に臨んでも

説得力のある受け答えには欠けるだろう。

 

と考え、彼に

一度鍼灸を体験してみることを提案しました。

 

私の通っている鍼灸院は

鍼を刺した上に、直径2センチほどに丸めたもぐさを

乗せて火をつけ、おまけに赤外線で温めるという

カチカチ山状態の治療をするのです。

 

初めての人にとっては

それはそれは恐ろしい光景に

映ることでしょう。

 

その話を伝えると、高校3年生の彼は

 

「そこにぼく、行ってきます!」

 

と真剣そのもの。

 

その前向きな姿勢に感激した私は、

その場で私の先生を紹介しました。

 

後日

彼は恐怖心を乗り越えて

自分一人で新たな扉を

切り開きました。

 

二度目の面接指導に訪れたときには

鍼はまったく痛みを伴わないことを身をもって体験し

 

その上、ほんわかと身体の芯からほぐれていくような

鍼灸の気持ちよさと

 

その効能について堂々と語れる

までに成長していました。

 

勇気を出して自ら

体験したことを基にして

 

自信にあふれた表情で臨んだ姿が

面接官の心にも響き

 

第一志望の専門学校から

見事に合格通知を受け取ることが

できました。

 

 

今頃、きっとおじいちゃんの肩は

もぐさの柔らかいけむりで癒されていることでしょう。

 

 

【 人生は選択の連続 】

 

目の前の問題に正面から向き合い

 

「今・ここ」 で何ができるのか

現実適応力 を発揮して

 

自発的にその解決に向かっていくことで

ほしい未来が手に入る!

 

二人の学生が、自分の能力を 「値引き」せず

真摯に向き合い、行動した結果のご褒美は

それはそれは価値ある輝かしいものでした。

 

 

 

前回は ▼▼

<第19話> 大学の授業「人間関係論」を担当して学んだこと ②

 

次回は

<第21話> 大学の授業「人間関係論」を担当して学んだこと ④

 

 
 

今日も最後までお読みいただき

ありがとうございましたピンクハート