こんにちは、ままごとです。ルポライターのままごとをしています。
初めて取材を行って執筆させていただきました。今回は3人の当事者にお話を伺いました。また医学的な情報は産婦人科医への取材から記載しています。
何世代もずっと妊娠は女性のキャリアと深くかかわってきた出来事です。育休、産休が社会で大きな議題となっていることからもそう言えると思います。そして学生の予期せぬ妊娠に対する考えの中にはしばしば女性の貞操観念や責任感を指摘するものがあります。しかしそれは問題の根本を分析するにはあまりにも不十分に感じます。
WHOによると適切にコンドームを使用していた場合でも5%の確率で失敗します。性行為はいつも明るい場所で行われるわけではありません。コンドームの破損にその場で気づけない人がいるのは当たり前のことです。また膣外射精を学生が過信しやすい環境があります。大学生はみんな高校の保健の授業で膣外射精の不確実性を学んできたことは確かです。しかし大学に入ると膣外射精を頻繁に行っても妊娠していない友達や先輩にたくさん会います。2年間大学に通ってみて、男子学生の間だけでなく女性学生の中でもコンドームをせず膣外射精だけで案外大丈夫という話をしばしば聞きます。「高校生の時に見た教科書の端に書いてあった情報」と「周りから聞こえてくるリアルの声」、影響力や信頼性に大きな差があるとは言えないと思います。
映画やドラマでつわりが来てやっと妊娠に気付くシーンがよくあります。性行為をしたのにその次の生理が来なかった時点でなぜ検査をしないのかと疑問に思うことは妥当です。しかし一人暮らしで栄養バランスの取れた食事をすることは簡単ではありません。また飲み会や課題で睡眠のリズムが崩れることも想像にたやすいです。生理の周期はそのような状況下では安定しません。実際に私も大学生になってから周期が大幅に崩れてまだ安定していません。大学生活を始めたばかりの頃、期間中に性行為を行っていない友人も2か月生理が来ないと言っていたことがあります。またストーカーによる付きまといに悩まされていた別の友人も期間中に性行為を行っていないのに生理が止まってしまい産婦人科に診てもらったことがあると言います。つまり規則正しい生活を保障されない大学生には規則正しい生理周期も保障されません。今回の生理は遅いな、と思っている間に妊娠6週目頃に入りつわりが始まってやっと気づくというのは至って普通のことなのです。
薬によって差はあるものの、避妊に失敗すると大体48時間から72時間以内にピルを服用しなければなりません。早ければ早いほど避妊成功の確率が上がると言われています。人によって眩暈、吐き気、頭痛などの副作用があります。薬を服用してから2時間いないに吐いてしまった場合、もう一度服用しなければいけません。しかしこの副作用は服用から24時間で消えると言われています。服用して4週間しても生理が来なかったらもう一度産婦人科に行く必要があります。またピルを服用してから性行為をするときには避妊をしなければいけません。アフターピルの作用は着床の可能性を減らすため、子宮内膜を縮ませるという仕組みなので新しく膣の中に射精された精子には効果がありません。
またピルの購入方法ですが、ネットと産婦人科の2択があります。いずれにしても日本では診察される必要があり、保険は適用されません。ネットで購入する場合オンラインで問診票を提出した後、記入した自分の電話番号に医師から折り返し電話があります。24時間受付しているので産婦人科の空いてない時間帯に少しでも早くピルを服用するためにネットで購入する方も多いですが、産婦人科が休みでない限り次の日朝1で産婦人科に行く方が早いです。ただサイトに行くと「避妊に失敗していなくても予備として買わないか」という文言が書いてあったり、医師から電話で「もしもの時のために2つ購入しないか」と言われるなど、診察よりも商売をしている感じがあります。また値段も産婦人科が8000円程度、ネットが15000円程度と倍近く違います。ただネットには後払い制度があるのでどうしても手元にお金がないときには適していると言えます。
事例1、海外での購入方法。
今回取材をした当事者たちの1人はイタリアでピルを購入する必要がありました。EU圏内では基本的にや薬局で買うことができます。診察なしで薬剤師から購入するのですが、それぞれ国によって呼び方が違います。ただし、英語で「Plan B」といえば大抵どこの国でもアフターピルが用意されます。また女性が買いに行く必要はないので、男性に行ってもらうことも可能です。他の国に関して、アメリカと中国も処方箋は必要ありませんが、薬の種類と地域によっては制度が違うので気を付ける必要があります。韓国は日本と同様産婦人科で処方箋をもらう必要があります。
また薬代が約8000円から15000円と記載したように大学生には非常に高価です。このお金を男女どちらが持つかというのもしばしば論点になります。コンドームの着用を女性から強制しずらいように、当事者たちは薬代の請求もしずらいと言います。「嫌われたくないから言い出せない」という人もいれば、ただ「もう避妊の失敗について話したくないから」という人もいます。
事例2、ピル代の請求。
この女性は大学に入ったばかりの頃に同級生との性行為中、知らない間にゴムを外され、膣内射精されます。彼女は1人で慌てて産婦人科に駆け込みアフターピル購入しますが、当の男性は彼女からのメッセージ全て無視します。次に再会したのはキャンパス内でした。ピル代について尋ねる彼女に彼は「今手持ちがこれしかない。」と3000円を手渡し、彼女のSNSをすべてブロックしたそうです。
無事に避妊成功すると一部の人には「消たい出血」という膣からの微量の出血があります。ただ、ここで安心せず気を付ける必要があると産婦人科の先生は言います。というのも妊娠すると同じタイミングで「着床出血」がある人もいるからです。「着床出血」とは子宮内膜に精子が着床する際、膜の一部を傷つけて出血を引き起こすというものです。「消たい出血」も「着床出血」も約15%くらいの人に置こると言います。ネットには色やサラサラしているかなどで見分け方を解説しているものが見受けられますが、医師でもその判別は難しいそうです。また服用後4週間経たないと妊娠しているかどうかの正式な決定はできないので、産婦人科に行ったところで4週間経っても来なかったらもう一度来てくださいと言われるだけなのでパニックにならず落ち着いて待つ事が必要です。また早期に妊娠検査薬をすることが世間では割と一般的ですが、フライング検査で陽性が出た場合も一緒で病院に行っても4週間たつまで待ってくださいと言われるだけだそうです。
事例3、避妊成功したあとの落とし穴
この当事者の相手、恋人の男性は避妊の成功に人とは違う考えを持ってしまったそうです。というのも1度目のピルによる避妊の成功体験から「膣外妊娠意外と妊娠しないのでは?」という考えを持ってしまい、それ以降なかなかコンドームの着用をしなくなったと言います。またこの当事者は彼のことをとても好きな故に流されてしまい、取材時点でも膣外妊娠に多少の信頼を置いていました。「大学生、20代の妊娠の確率は約20%。膣外妊娠の確率も約20%。単純な掛け算をして100人いたら4人が妊娠する計算だから案外低いでしょ。」、これがおおよそ彼女の理論でした。
もし妊娠をしてしまったら、おろしてしまう。これが大学生に一番選ばれる道だと産婦人科医の先生は言います。一番早く気付いた場合、というのも妊娠5また6週めに気付けた場合、およそ10万円。中絶の上限はおよそ21週、約55万円がおおよそ一般的な費用です。分割払いを受け入れている産婦人科もありますがたいていの場合はそうではありません。バイト代でまかなえてしまう金額から途方もない金額であるからこそ多くの人が中絶を選び、多くの人が生むかどうかをギリギリまで悩むのだと思います。
望まれていないタイミングでの新しい命の生きる権利、中絶による精神的ショック、また次回以降の妊娠のリスク。当たり前に人生でする大きな決断の一つだと断言出来ます。ただ大学生で妊娠した人にとって残された道は「中絶」と「中退」の2つだと追い詰められる必要は必ずしもありません。親が様々な理由で育児が難しい場合に公的施設に預ける乳児院や里親制度など行政に頼る道があります。予期せぬ妊娠によってキャリアを諦めることも自分の心を殺してまで小さな命を諦めることもしなくていい道が見つかるかもしれません。
今夜も眠れないほど不安でネットで確かかもわからない情報をあさっているのは一人だけではないと思います。特に追いかけたい夢と現実の不安に板挟みになる苦しみは痛いほどわかっているつもりです。また「デキコン」など、予期せぬ妊娠に対して好ましくない風潮がありますが、小さな新しい命に責任を持っている家庭に対してそのような穿った見方がなくなればいいと心から思います。