三浦祐之著<口語訳:古事記>

◎東に向かうイハレビコ

◎カムヤマトイハレビコは、同じ母のタマヨリビメから生まれた兄イツセの二人は、日向(ひむか)の高千穂の宮を発って東に向かった

◎天孫降臨で天上界から地上に降りてきたのは、アマテラスの孫である、アマツヒコヒコホノニニギ<ニニギ>。

◎ニニギが麗しいおとめご、コノハナノサクヤビメに出会い、妻にした。

◎コノハナノサクヤビメは、ニニギに身ごもったと言い、燃え盛る産屋の中で、兄:ホデリ<ウミサチビコ>と弟:ホヲリ<ヤマサチビコ>を生んだ。のちに弟が兄を支配するようになる。同じ腹から出た兄弟なのに、話では、歯向かう勢力として制覇され家来にされていく。

◎ホヲリは失った針を探すため、海の中、ワタツミの宮に来て、トヨタマビメと出会い三年を過ごした後、地上階に舞い戻り兄と戦う。

◎ホヲリのもとに、海の中からトヨタマビメが来て、子が産まれるという。ホヲリは子を産む姿を見るなと言われ、見てしまうと姫の姿は八尋のサメであった。トヨタマビメは姿を見られたのを恥じ、海の中に帰った。

◎トヨタマビメは、自分の代わりとして御子を育てるため、妹のタマヨリビメをホヲリのもとに送ってよこした。

◎ヒコホホデミ:ホヲリ:やまさちびこ:580歳まで生き、御陵は高千穂にある。

◎その子、アマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズ。アヘズは叔母でもあるタマヨリビメを妻として、イツセ、イナヒ、ミケヌ、ワカミケヌの四柱を生んだ。姪と結ばれる話は多いが、叔母と結ばれる話は少ない。

◎四番目のワカミケヌ、またの名、カムヤマトイハレビコ:初代神武天皇、このイハレビコの話に移っていく。

 

◎先生:神武東征:なにゆえに東に向かうのか。「ひんがし」「ひむかし:ひにむかうところ」と語源のように、太陽の子にとって東は聖地なのか・・。

◎先生:邪馬台国:やまと:と読む、やまたいこくではない。邪馬台国の時代は3世紀前半で東征はもっと後。騎馬民族が朝鮮半島を経由して東征したという説を唱える人もいる。

 

◎神倭伊波礼毘古命:カムイヤマトイハレビコは、初代の、神武天皇のことである。

◎カムイヤマトイハレビコは、兄のハツセに、「いかなる地(くに)に住まいすれば 平かに 天(あめ)の下の まつりごとを 治めることができましょうか ここから出でて ひんがしに いきませんか」

◎日向の高千穂→筑紫→豊の国の宇沙→筑紫の岡田の宮→安芸の国の多祁理:たけり→吉備の高島の宮→速吸の門:はやすいのと:明石→大阪湾

 

◎銅剣と銅鐸:弥生時代に朝鮮半島から九州北部に銅や鉄が伝えられた。以後近畿地方にも広がりを見せる。

前4C~前3Cに北部九州で銅剣銅矛朝鮮半島から伝来し、まもなく国産化も始まった。

銅鐸はほとんどが近畿地方で発見されている。

わが茨木市から出土した銅鐸の鋳型は石製であった。使い終わったのちは砕いて刃物を研ぐと石として使用されたが、丸々の形で出土したものもある。

 

◎3世紀の九州。ネットによる九州賛歌。九州には卑弥呼を加え、女王:女酋が10人以上いた。小国分立、呪術支配のよる閉塞感があった。中国大陸も荒れ、日本に力を及ぼせない状態。朝鮮半島は、高句麗、百済、新羅が起こった。日本では九州勢力が新天地を求めて、近畿の銅鐸文化を滅ぼす東征に出た。記紀神話は300年前後に実行された。アマテラスは卑弥呼のことであり、天皇家の出自は九州である。大和朝廷の中核は大伴、中臣、物部の各氏で九州の豪族であった。大和の豪族は、三輪、磯城、宇陀の三氏らである。