今日、店でちょっとしたトラブルがありました。

お客さんが店の駐車場から公道に出る際に、公道を走ってた車とトラブルになって。接触はしてないけど、無理やり割り込んだとか出入口なのに詰めてたとか、どっちもどっちな言い分で言い合いになって、どっちも譲らず謝れず、公道側の運転手が店に文句を言ってきたんです。

その時、僕は接客してて、矢面に立ったのはレセプションをしてた彼女。

お前んとこの客はなんなんだ!店の質が悪いからこんな客が来るんだ!責任取れ!こんなとこで店なんかやるな!迷惑だ!と怒鳴り散らされ、当事者のお客さんは店の外で知らん顔。

僕が対応に出たら、おまえが責任者か!とまた同じように喚き散らされて。

ここからは僕の考えです。
僕は、僕が・店が・従業員が悪くないなら絶対に謝りません。接客業としてどうなんだ、という意見もあるでしょうけど、何でもかんでも謝罪するのは違うと思ってるんです。悪くないのに謝る必要ないし、変にへりくだる必要もない。違う事は違う、相手が誰であろうと言うべき事は言う、それが僕のやり方です。

だからその運転手にも、店には責任ないし、僕らに文句を言うのは間違ってる、言っていく先がないからといって八つ当たりされても困る、これ以上絡んでくるなら営業妨害で警察を呼ぶ、迷惑だから揉めるなら店の外でやってくれ、と追い出しました。そして当事者のお客さんにも、店に迷惑かけるような事はやめてもらいたい、と言いました。客だから…と特別扱いはしません。迷惑なものは迷惑なんです。

こういう出来事が起きると、いつも彼女が蒸し返す話があります。

彼女は働き始めた当初、姉の店にいました。
その頃姉の店には近所のお爺さんが勝手に出入りしてて、飲み物や菓子を出すよう要求したり従業員を話相手にしたりお客さんにちょっかい出したり、要は居座られて迷惑だったんです。それでも姉は近所の人だからと大目に見てたんだけど、そのお爺さんが、新人の彼女が自分にチヤホヤしない事が気に入らず、彼女にキツく当たり嫌がらせをするようになったんです。

姉から相談を受けた僕は初めてそのお爺さんの存在を知って、何故そんな事を黙認してたんだと姉に怒りつつ、そのお爺さんの家に行きご家族に実態を伝え、お客さんにも店の営業にも迷惑かかってるから来店するのをやめさせてくださいと伝えました。結果、そのお爺さんは来なくなりました。

姉は何かにつけ、接客業なんだからもっと穏やかに…と僕に言ってきます。だけど、店や従業員を守るのも経営者の役割です。そもそも用もないのに勝手に店に入り浸るなんて『客』ではないし『俺は(私は)客だ!』と無礼な振る舞いをするような奴は店に来てもらわなくて結構。美容院なんていくらでもあるんだから、よそに行ってくれ!と僕は思ってるんです。

客だから何やってもいい、何を言っても許される、という風潮は間違ってる。YouTubeにあげたいが為の迷惑行為だって、企業側はもっと毅然とした態度で厳しく臨むべきです。

そんな僕の考え方や姿勢を姉は、冷たい、怖い、接客業に向いてない、と言います。そして彼女も、そのお爺さんの件がきっかけで僕の事を怖がってました。

僕だって、何もなければ穏やかに接客してるし、お客さんの事も大切に思ってるんですよ。だけど大切なものを守る為に、言うべき事は言わなきゃいけない時があるんです。

今日もまた、僕の剣幕に彼女は感謝してくれつつも、若干引いてました。そして従業員の中には、彼女が怒鳴られてたから怒ったんだ…と低俗な発想をする者も。

人間って難しい。
幸せを与えてくれるのも災いをもたらすのも、人間ですから。