第468回さいたま三愛病院糾弾ブログ /番外編・「知恵袋のルール違反」と叱られて其の通告者に関わる自分の記事を読み返して分かった報告・其の1

昨日は、自分の「ヤフー質問」が弊欄へのパンダ役質問であることを(正直に)書いたら、「ルール違反」と叱られたことを記しました。其の通告者はどんな人だろうかと、自分のヤフー名「hinjanokaku」と其の通告者の名前の2語でグーグルで検索した結果を(リンク貼りとともに)文字起こしもしておきました。今日は、其の「検索結果第2位「かなのくわいについての質問」 について、あとから知ったことを付け加えてオヒラキです。まず、「検索結果第二位」のコピペです。

ー(以下ヤフー知恵袋「『かなのくわい』についての質問」 引用)。
「かなのくわい」についての質問です。もっとも会自体についての質問ではなく、其の「発音」についての質問です。大槻文彦についての特集でお弟子さん(?)が「かなのくわい」ではなくいっそ「かなのかい」にしたら
と進言したら、「博士は自分もさう考へないでもないが、御同様東京者だから、かい(会)・かじ(火事)・かし(菓子)と平気でいつてゐるが、少し地方へ踏みだすと『くわじ』『くわし』とまだまだ明瞭にいつてゐる。要するに、『かじ』『かし』といふ語の分布が広くなるまで待つのだといふ答であつた。」(「国語と国文学」昭和5年7月号」)とのことです。

此の「少し地方へ踏みだすと」という「地方」はどういう「地方」でしょうか、教えて下さい。東西でいえばどっちでしょうか、それとも東西いずれの地方でも「くわじ」・「くわし」と云っていたのでしょうか、教えて下さい。または、此のことについてどんな本に書いてあるでしょうか。

質問者は68歳ですが、実際に「くわじ」・「くわし」という「音」を聞いたことがありません。今でも、そう発音する人はいるのでしょうか、伺います。おじいちゃん・おばあちゃんがそういっていたでもいいですから、教えて下さい。

そして、会を「くわい」・火事を「くわじ」・菓子を「くわし」と発音することを、国語学(or音韻学?)では何というのでしょうか。

〔補足〕
fontomanieさんから早速回答を頂きお礼申します。お父上のお年と「地方」を教えて頂ければ幸いです。いま当の大槻文彦著の4冊本の『大言海』(架蔵本は昭和8年=4冊1600円が御自慢)第2巻94頁を見ていますが、「懐紙」・「怪事」・「絵事」からはじまって「回春」・「回書」・「会所」にいたる、24個の「くわい」は(当時「くわい」と発音していた人は)全部表記通りに発音して(or出来て)いたのでしょうかねえ。
質問日時:2013/8/12 18:25:34
解決日時:2013/8/27 05:51:51
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回答数:4

〔ベストアンサーに選ばれた回答〕
pacifico_atlantica さん
国立国語研究所の研究で、全国の方言による単語や音韻の差異を地図形式でまとめたものがあります。刊行が1966年~1974年ということなので、やや現在の傾向とは異なっている可能性もあります。
『日本言語地図』
これによりますと、「火事」の「か」、「西瓜」の「か」を「くゎ」と発音する地域は東北地方から沖縄まで全国に分布しています。

両者の分布地域はほとんど重なるのですが、奈良県では「火事」は「くゎ」になるけれども「西瓜」は「か」と発音する、という特徴があります。
そもそも「くゎ」という発音は、「火」「瓜」の古代中国語の発音(中古音)である「hwa」「gwa」を日本人なりに忠実に発音したものです。(参考までに、「火」は現代中国語(北京語)では「huo」、広東語では「fo」、朝鮮語では「hwa」、「瓜」は北京語で「gua」、広東語で「gwa」、朝鮮語で「k/gwa」と発音します。)これらは日本人にとっては外国語に他ならないわけですから、「くわ」という表記通りに発音していたわけです。

のちに時代が下ると、都市部を中心に「くゎ」を「か」と発音する場合も増えてきました。でももとの中国語に忠実な正統的な発音はあくまで「くゎ」なので、地方を中心に「くゎ」という発音自体は現代まで残りましたし、「くわ」という表記(歴史的仮名遣い)も戦後になるまで公式に変更されることはありませんでした。
回答日時:2013/8/12 23:20:19
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〔ベストアンサー以外の回答〕
(3件中1~3件)
touzanman さん
いちばん最後にお尋ねの国語学の術語は出てきそうにありませんので、そこだけ書きます。「くゎ・ぐゎ」という発音は、合拗音と言います。
いっぽう普通の「か・が」は直音です。
回答日時:2013/8/13 03:01:33

ura9man3 さん
厳密には「くわ」ではなく「くゎ」です。
有名なところでは、故・竹下登(元総理大臣)が
「国会」を「こっくゎい」と発音していました。
竹下さんは島根県出身です。
回答日時:2013/8/12 21:40:02

fontomanie さん
私の父は「菓子」を「kwashi」、「会社」を「kwaisha」と発音していました。
補足を承けて:
>少し地方へ踏みだすと『くわじ』『くわし』とまだまだ明瞭にいつてゐる。
「イッテイル」という発音を正式には「いつてゐる」と書きました。
「くわじ」「くわし」という表記で表されている音は「クヮジ」「クヮシ」です。
父は明治44年生まれ、伯耆国出身、母は大正2年生まれ、出雲国出身です。
私は「ごしない」(ください)、「だんだん」(ありがとう)と言って育ちました。
編集日時:2013/8/12 23:36:30
ー(以上ヤフー知恵袋「かなのくわいについての質問」引用)。

私は「パンダ役質問」だといっても無下に否定されるべきでないと思っているものですから(運営者から×を付けられたらおとなしく引き下がりますが)、まあ、スレスレのところをねらってこれからも「パンダ役質問」をしてゆくつもりです。今日は、(運営者に違反通報をしたという)ura9man3さんも1枚かんでいる(検索結果第二位の)「かなのくわいについての質問」を読み返しました。それで思い出したのが、朝日新聞社の「日本語相談シリーズ」のアト版シリーズとでもいうべき1冊『大野晋の日本語相談』(2002年8月発行)。其処に、今日引用したのと同じ質問、「わが竹下首相はカをクワと発音しますが?」という質問がありました(※これは質問したあとに読んで知ったことで、質問した時点では知らなかったことです。もっともヤフー欄では、ウスウス知っていることを確かめるために聞くことはありますが、それも、とがめられるほどのことではないと思っています)。
ーQ始ー
〔問〕/竹下さんは、「関係」を「クワンケイ」、課題を「クワダイ」と発音します。私は竹下さんと同年代ですが、学校でも「クワ」と発音するように教わった記憶はなく、奇異な感じがします。「カ」と「クワ」の発音について教えてください(長野県・上田武夫)。
ーQ終ー

それに対する大野晋の回答は、
ーQ始ー
日本語には元来、クワという音は無かったのです。いわゆるヤマトコトバには、カはあったけれど、クワという音を持つ単語はありませんでした。
クワという音は、中国からの外来語の音なのです。ですから、漢語にだけ現れます。奈良平安時代の学者、僧侶、貴族、官人たちは漢文を習うときに、努力してその中国語のクワという発音を覚え、かつ使いました。それを一般の民衆も真似て使い、日本語でクワとカとを区別するようになったのです。
その様子を『日葡辞書』(一六○三年刊)で見ることにしましょう。
Quaji クワジ 火事
Quaxi クワシ 菓子
Xet,guet,qua セツゲツクワ 雪月花
これに対して、
Cajin カジン 歌人
などがあって、クワとカとは一般に区別されていました。
しかしクワという音は、本来日本語になかったので、発音全体の組織の中では異質なところがあり、その上、日本語には全体としてwの音を弱くする傾向があります(昔のwi〔ヰ〕、we〔ヱ〕、wo〔ヲ〕のwが消失したのはその現れです)。その影響をうけて、kwaのwが消えるという変化が江戸時代に京都をはじめ、各地で生じました。
明治三十八年(一九○五)国語調査委員会が刊行した全国の音韻分布図を見ると、次頁のように、クワとカとの区別を保っていた地域は、全国の四分の一くらいに減っています。現在ではさらに
クワの消失は進み、ほとんどなくなりました。(※上記書108~109頁。分布図は110頁)
ーQ終ー

テナ訳で、今日の画像は上記書の110頁に掲載された『「カ」「クワ」分布図』を添付させて頂きます。ヤフーのBAに選ばれたpacifico_atlanticaさんの回答では「刊行が1966年~1974年」の分布図を教わったのですが、大野晋先生の回答では1905年の例が出されています。ちょっと、文字数オーバーが心配ですが・・・。也

平成26年2月24日00時10分

さいたま三愛病院を糾弾する
コードネーム0213231
(追うに意味ありto三愛)