累計部数1,000万部を突破した、清水茜さんの漫画「はたらく細胞」。TVアニメ化もされた人気作品が実写映画になりました。原作漫画は読んでいませんが、アニメは少しだけ観たことがあり、人間の体内のいろいろな細胞を擬人化した設定が斬新でした。
アニメの実写化というと、思っていたイメージと違うということで不評に終わるケースが過去いくつもあります。しかしこの作品を予告編で観たときに「なかなか面白そう!」と思ったので、さっそく映画館へ足を運んでみました。
🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬
映画は、原作にある人間の体内ではたらく細胞たちの活躍を描くだけでなく、舞台を人間親子の体内に設定して、そのはたらきだけでなく、人間ドラマを織り込んだストーリーになっています。
あらすじ(公式HPより)
人間の体内の細胞、その数なんと37兆個。酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球、そのほか無数の細胞たちが、あなたの健康と命を守るために日夜全力ではたらいているのだ。
高校生・漆崎日胡(芦田愛菜)は、父親の茂(阿部サダヲ)と二人暮らし。まじめな性格で健康的な生活習慣の日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しくはたらいている。一方、不規則不摂生に日々を過ごす茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。親子でも体の中はえらい違いだった。仲良し親子のにぎやかな日常。
しかし、その体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める…。漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける!?
🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬 🎬
劇場公開1週間目ということもあって、私が観に行ったシネコンでは大きな2館を使って、1日12回上映というスケジュールでした。平日昼間でしたが、場内はなかなかの入り。細胞役で主演している永野芽郁や佐藤健目当ての若い人もいましたが、意外に年配の人も多く見かけました。
感想を一言で言えば面白かったです。映像も良かったですが、何より脚本が素晴らしい。原作は体内の細胞の動きを擬人化して描いていただけだと思いますが、映画では実際の人間の日常生活を描きながら、その場面場面での体の中の細胞の状態をリンクさせて描くという手法を取っています。
娘役の芦田愛菜がくしゃみをした時、風邪を引いた時、怪我をした時、父親役の阿部サダヲが酒を飲んだ時、タバコを吸った時など、人間の体の中で何が起きているのか、笑っているうちに人体の仕組みを学ぶことができる仕掛けになっています。
特に面白かったシーン
・愛菜ちゃんが憧れの先輩に出会った時、脳内にドーパミンなどが溢れる状況を、神経細胞役のDJ KOOがダンスミュージックを流してノリノリでフィーバーしているところ
・愛菜ちゃんが転んで膝を擦りむいた時に、血小板が集まって修復する場面。血小板役の子役たちがとにかく可愛かった
・一番ウケたのは、阿部サダヲが高速道路を運転中にお腹の具合が悪くなり、SAに着くまで我慢する場面。脳内の司令部と通じる内肛門括約筋役の力士たちと、外に出ようとするウンチを押す外肛門括約筋役のラガーマンとの攻防が、阿部の快演と共に爆笑でした
「マルモ」の親子共演も話題ですが、細胞役の俳優たちが、とても豪華です。
ドジな赤血球の永野芽郁は、とにかく衣装も含めて可愛い。
善玉の白血球の佐藤健は、白塗りの化粧ながら相変わらずツンデレ具合が良く、ワイヤーアクションシーンがかっこよかった。(ちなみにアクション監督は「るろうに剣心」シリーズと同じだそうです)
キラーT細胞の山本耕史、NK細胞の仲里依紗、マクロファージの松本若菜、ヘルパーT細胞の染谷将太、先輩赤血球の加藤諒、肝細胞の深田恭子、肺炎球菌の片岡愛之助、黄色ブドウ球菌の小沢真珠など、みんなハマり役で好演・快演が次々と繰り広げられました。(愛之助はメイクが凝りすぎて、誰かわかりませんでしたが... 笑)
クスクス笑っていた前半と打って変わって、後半は愛菜ちゃんが白血病に罹って、放射線治療や骨髄移植をするシリアスな展開になり、涙腺が緩む場面が続きます。抗がん剤がミサイルで表現され、体の細胞たちが次々と死滅していくシーンとか、放射線をオーロラで表現したのは秀逸でした。
子供も笑いながら人間の体の仕組みを学べる、教育映画としても使える内容だと思います。子供たちの大好きなウンチの場面もありますが、それ以外もかなりリアルな表現もあるので、文科省のお墨付きが出るかは微妙です。
大人も観ながら自分の体を労わらないと、と思わざるを得なくなる映画ですね。不摂生な食生活が体にどんな影響を与えるのか、笑いながら反省させられます。
期待していた以上の出来で、あっという間の2時間でした。アニメの実写化なんてとバカにしている人にこそ観てほしい映画です。
