「難しく、挑戦的な役でした」知英が語る、日韓を駆ける多忙な日々と俳優としての新境地。ドラマ『パンチドランク・ウーマン』
篠原涼子が主演を務めるドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』(日本テレビ系)が、現在放送中。女性刑務官と殺人犯による前代未聞の脱獄劇を描いた本作。今回は、拘置所の未決拘禁者・ハユンを演じる知英さんにインタビューを敢行。本作への想いについてじっくりお聞きした。(取材・文:タナカシカ)
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“今までにない物語”に惹かれた第一印象
まずは、本作の台本を初めて読んだときの、率直な感想をお聞かせください。
「純粋に物語として読んだときに、すごく新鮮だなと感じました。私が演じるパク・ハユンは、これまで演じたことのないタイプのキャラクターですし、作品自体も、『今までに見たことのないドラマになるんじゃないかな』という印象があって…そんな作品に参加できることが、とても嬉しかったです」
―――パク・ハユンという人物をどのように解釈されたのでしょうか?
「今回は“韓国人”という役柄で、その設定自体が自分自身と重なる部分でもありました。日本に来て、いろんなものを好きになって、好きな人ができて…。ハユンは、そんな風に純粋な気持ちで生きていた人なのに、結果的に痛い目にあってしまう人物です。
『未決拘禁者』と聞くとどうしても、荒々しい、怖い人といったイメージがありますが、ハユンは違います。拘置所にいること自体が辛くて、いろんな感情を抱えながら、生きているんです。そうした複雑な心の動きを、どう表現すればいいのか悩むことも多かったです。でも同時に、その難しさも含めて、演じることを楽しみにしていました」
―――憧れを持って日本を訪れた分、裏切られたときは感情の振り幅も大きいはずです。役作りは苦労されましたか?
「“憧れ”と“裏切り”って対極にある感情ですよね。心の底から憧れていたものが、ある日突然ひっくり返ってしまう。韓国にも帰れないし、日本にも居場所がなくなって、“世界が終わった”と感じるくらい、自分の世界が完全に崩れてしまう。ハユンは、言葉にできないくらい重く苦しい日々を過ごしていたと思います。
一気に絶望へと落ちていく流れを表現するのは難しかったですし、短い時間の中で、いろんな感情を見せなければならないので大変でもありますが、役と向き合いながらできたのはとても勉強になりました」
演じることで見えた女区リーダー・ハユンの本音とはー。
韓国にも日本にも居場所がないという状況の中、女区ではリーダーとして強く振る舞うハユンについては、どのようにアプローチされましたか?
「女区でのハユンは、”弱さを見せないようにしている”というより、“自分の心に蓋をしている状態”に近いのかなと思います。大好きだった“すべて”が壊れてしまったことで、『もう終わりだ』と感じているんですよね。だから、弱さを見せる見せないという段階ではなく、心を閉ざしてしまっている。
ハユンはもともと悪い人ではないですし、犯罪も故意で起こしたものではありません。だからこそ、心は閉じていても、その人柄や雰囲気が自然とにじみ出て、周りの人たちが寄り添ってくるんじゃないかなと考えました。
ただ、それが彼女自身にとって楽しいことかと言われると、それはまた別で。本当はすごく孤独で、苦しい。でも、心根が優しい人だから、空気や場の流れを感じとって、結果的にみんなをまとめてしまう力がある。嫌だと思っていても、断れないんですよね。そんな矛盾した優しさが、パク・ハユンという人物の大切な部分なんだと思います」
―――知英さん演じるパク・ハユンは、「女区」の区長である冬木こずえ(篠原涼子)からも一目置かれる存在として描かれます。立場は違いますが、“強さ”のある女性として、どこか似た存在のようにも感じました。ハユンは、こずえをどんな存在として見ているのでしょうか?
「今仰っていただいたように、きっとハユンは、こずえが抱えている悩みや痛みを、理解できる人なんですよね。本来なら、未決拘禁者と刑務官は言葉を多く交わしてはいけない関係ですが、それでも自然と惹かれてしまう、気になってしまう存在だと思います」
―――撮影に入って間もないと思いますが、こずえ役の篠原涼子さんとは、休憩時間などにお話される機会はありましたか?
「そうですね。初日から篠原さんと一緒で、『日本語が上手だね』と声をかけてくださって色んなお話をしました。とても優しくて、可愛らしくて、面白い方で。純粋な方だなと、ずっと見ていたくなるような人だなと、その日が初対面だったのですが、すぐに大好きになりました」
「どこでもドアが欲しい」
日韓を飛び回る多忙な毎日
プライベートについてもお聞きします。昨年からKARAとしての活動を再開され、本作の撮影…日韓を行き来する目まぐるしい毎日だと思いますが、どんな日々を過ごされているのでしょう?
「月に1回以上は日本に来ていますが、今月は週に2回くらい行き来しています。やっぱり移動は大変で…正直、飛行機にはもうちょっと飽きちゃいました(笑)。どこにでもつながるドアが欲しいな、なんて思ったりします」
―――そんな忙しい日々の中で、息抜きにしているものはありますか?
「猫を飼っているので、家に帰って猫に会える時間が1番のリフレッシュですね。それと最近は、ゲームにもハマっていて。Nintendo Switchで『あつまれ どうぶつの森』を始めました。
前から流行っていることは知っていましたが、今さらハマってしまって(笑)。韓国でもすごく話題になっていましたし、コロナの時期なんかは特に人気でしたよね。自分のペースでゆっくりできるし、すごく落ち着くし、癒やされます」
―――では最後に、「映画チャンネル」にご登場いただいたということで、好きな映画や、子どもの頃から何度も観ているお気に入りの作品があれば教えてください。
「好きな映画は『タイタニック』(1997)です。それと、『きみに読む物語』(2004)です。どちらも少し切なくて、ブルーな気持ちになる作品ですが、毎年必ずと言っていいほど観返しています」
スタイリスト:権藤千絵
ヘアメイク:美樹(スリーピース)
衣装クレジット:ドレス\143,000/ピリングス(リトルリーグ インク)0800-100-2274
リトルリーグ インクInstagram
他はスタイリスト私物
(取材・文:タナカシカ)
もう少し知英の登場シーンを増やしてほしい
毎回1,2分程度の登場ではものたりない
次回以降 知英の尺が長いことを期待します



