「新幹線の発車時刻になりました。ご乗車のかたはお急ぎください。まもなく発車いたします。」
駅員さんお疲れ様です。いつも朝からたいへんだな、昨日もこの人いたな、そういえば一昨日もいたわ…
働くって大変なんだな。この会社もブラック企業かな、私も将来ブラックに就職なんかしちゃうのかな…
高校2年生の春、私は今日も新幹線で高校へ通学する。
「おはよう!新幹線通学ってほんと大変じゃない?」
とか言われるけど、バスや電車よりもふかふかの座席に30分くらい座っているだけで最寄り駅につくのだから正直チョー楽なんだよな。
しかもだいたい朝って人いないから静かだしね。
と心の中で思いつつも、
「そうかな、新幹線でも電車でも変わらないと思うよ。」
とかテキトーなことを言っておく。
もともと誰かと一緒にいて会話をしたり行動をするのが苦手な私は、他の子と少し距離をとっている。
父親から「社会のことを知っておかないと大人になって苦労するぞ」と耳が痛くなるくらい言われていることもあり、よくニュースや新聞を見るが内容がつまんなさすぎて(ほんとは足踏み状態の政治や経済にイライラして)ため息しかでてこない。
なんて憂鬱な朝なんだ、高校生の朝はもっとこう、キラキラしたものではなかったのか
マンガと現実がかけ離れすぎだろ
そうこう頭の中で考えているうちに始業のチャイムが鳴り一日が始まるのである。