大腿骨転子部骨折を受傷された患者さんがいました。


股関節を外に広げることが難しく(股関節外転制限)、立つのにも介助が必要な状態でした。


そして、立っていても股関節が内側に入り(股関節内転)し曲がって(股関節屈曲)しまっており、立つのにも介助が必要な方。


評価しても股関節や骨盤周囲へのアプローチが必要な方でした。


しかし、患者さんが言われるのは


「膝が痛い」


です!


話を聞くと、受傷する前から、もともと膝が痛くて立つのもしんどかった。らしいのです。

ちなみに、骨折以前は股関節の外転制限はなかったようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

患者さんが思う問題点

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

股関節へのアプローチをしたいものですが、患者さんの意識は「膝」にあります。


そして


膝の状態を聞くと、「重たくて動かしづらい」と言われるのです。


痛みは少しあるけど、反対に比べて動かしにくい。


なるほど。

これが、患者さんの思っていたことでした。


膝の状態を評価し、周囲の軟部組織へアプローチをしました。


そして、本人と一緒に膝が動くことを確認していきました。


膝への意識が薄れたところで、立ってみたり、歩いてみたりしました。


「膝は痛くない。けど、立ちにくい。歩きにくい。」


って訴えが変わりました。


そこで、股関節が外転するよう、伸展できるようにアプローチを行なうと、介助なしで立てるように歩けるようになってきました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


身体って、ほんと心理的なことにすぐに反応しちゃいます。


本人が不安に感じていること。意識していること。は何か?そこをしっかりと評価し、解消するところからアプローチする必要があると感じた方でした。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※11月27日はTake RooTsが開催されます。

Take RooTsは、北九州で行われているコメディカル向けの勉強会です。


今回は光風園病院の中山 真さんです。


「大腿骨近位部骨折の術式から考えたリスク管理」


骨折に対してのリハビリテーションを進める上で手術方法による知識、情報は不可欠になります。リスク管理を徹底し、安全のもとリハを実践できるように皆さんと一緒に考えていければと思っています。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Take RooTs LINE@

↑Take RooTsの申し込みや案内はLINE@で行なっています。



けんたろーのレターポット