高3秋にして、やっと彼氏ができた!
もう高校卒業までには
絶対彼氏なんてできないと思ってた。

今日で2か月記念。
受験勉強で、なかなか会えないけど
それなりにうまくいってるつもり。

忘れ物を取りに教室に戻った。

…まだ明るい。誰かいるんだろうか?
中をこっそりのぞいてみる。

…私は絶句した。
中で私の彼氏と私の友達がキスしているではないか!
これはもしや…いや、確かに…「浮気」!?

ガラガラと、教室のドアを開いた。
彼が「あっ…」という声を漏らした。
しかし私の友達の表情は何ら変化を見せない。

「ど、どういうこと!?」

友達はふっ、と笑って言った。

「男が浮気するのは、『仕方ない』んでしょう??」

「えっ…!?」

「言ったじゃん、この前相談した時。」

…そういえば。
一緒に御飯食べに行った時、そんな話をしてた。
クラスで三角関係ができてるとか言ってたっけ。
その時友達は「あんなかわいい彼女がいるのに!」
とか怒ってたけど私は「盛んな年ごろだから仕方ないよ」
と、適当な返事をしたのだった。

「だからあんたの男が浮気するのも『仕方ない』んだよ」
そう言うと友達は爆笑し始めた。
ぞっとした。私の彼氏は青い顔で私と友達の顔を見てた。

適当な、その場限りのコトバは吐いてはいけないな、と思った。


そこに当たり前にあったものが
ある日見てみるとなくなっていて
それはとてもとても悪い夢で
私はどこまでも 深い水に沈んでいった

体が冷えてしまわないようにと
だるまみたいに丸くなって
小さな気泡を吐きながら
どこまでも どこまでも沈んでいった

このまま沈んでも何も起こらないってわかってるのに

寝よう 寝ようと思うほど
眠気は遠ざかる
食べよう 食べようと思うほど
食欲は落ちてゆく
やらなきゃ やらなきゃと思うほど
イヤになる

ほしいものは簡単に手に入るけど
何も満たされない

愛情なんて簡単に口に出しちゃいけないのに
愛情なんて今じゃどこにでも売ってる

悶々としてる暇なんてないんだ
全部吐き出して 次へ。