とは言っても
あの事件以来、俺をとりまく
世界の全てが変わってしまった
父は死んでしまって
祖母は老人ホーム、祖父は他界してしまっていたから
色んな親戚の家を
たらいまわしにれた
俺は平気なふりをした
悲惨な事件を乗り越え、
健気に生きる少年を演じた
中学ではサッカー部、高校でもサッカー部に入った
誰にもあの事件のことは言ってはいない
言えるはずがない
優しく、本気でぶつかってきてくれる
先輩、後輩、先生に
そんなことは言えない
言ったところで
何の進歩もない
もう忘れたいんだ
もう10年も経った
なのに…