⿻*⌖.:˚◌˳˚⌖ ⿻*⌖.:˚◌˳˚⌖ ⿻*⌖.:˚◌˳˚⌖ ⿻*⌖.:˚◌˳˚⌖
呼吸リハビリテーションというと頑張って運動しなければいけない、トレーニングをしなければいけないと、不安な方も多いと思います。
皆さんは肩こりや筋肉痛の時、どうしますか。もみほぐす行為を自然とされているのではないでしょうか。呼吸は骨盤から首にかけての姿勢を保つ筋肉に守られた「胸郭」と横隔膜を使って行われています。1日2万回もする呼吸、この胸郭を動かす筋肉が凝り固まった状態では呼吸困難が強く出て、浅い呼吸になることがわかっています。活動力アップの運動を続けるためにも胸郭の可動域を広げ、呼吸にかかわる筋肉をリラクゼーションしておきませんか。そのためのトレーニングを文京学院大学の柿崎先生にご紹介いただきました。
※胸郭…胸の周りの骨格(人体骨格標本の肋骨のイメージ)
横隔膜の機能回復で深い呼吸を
効率の良い呼吸に大切な役割を果たしているのは横隔膜です。横隔膜はドーム状の形をしており、胸の周りの骨格である胸郭の下のほうの肋骨についています。
この横隔膜の上下する働きにより、肋骨などに囲まれた胸腔内の圧力が変化し、肺が膨らんだり縮んだりして呼吸ができます。
ぜん息やCOPDの方は、苦しい時には無理に胸郭の筋肉(呼吸補助筋)を使って喘ぐような呼吸をしてしまいます。胸郭がゆがむと横隔膜の張力に変化が起きて力強さが失われます。人体骨格標本などで見る胸郭は、肋骨が左右対称に並んでいるイメージがありますが、健康な方でも多くは左右非対称に歪んでしまっています。
こうなると左右の肩も並行ではなくなり、歩行時にも左右の揺れを生じて、足の運動に負担となって呼吸困難を生み出し、大きな呼吸ができにくくなります。
したがって、普段から胸腹式の深く効率の良い呼吸をするためには、胸郭のリラクゼーションを図っておくことが大切です。
お家でひとりでできる!
横隔膜の機能アップ!
胸郭の歪み直し法
ここでは、家庭で簡単にできるトレーニング法をご紹介します。これは、お尻を持ち上げることで、腹部の内臓が移動して横隔膜を押し、その圧力が肋骨に均等に作用して胸郭を左右対称にするものです。
これにより、横隔膜が十分に働いて深い呼吸ができるようになります。
準備するもの
- 椅子(ソファや布団を重ねても可)
- タオル(3~4枚程度)
01椅子に足を乗せてお尻を持ち上げましょう
まず、仰向けになって椅子に足を乗せます。次に、バスタオルを丸めてお尻の下に入れましょう。バスタオルはお尻を乗せた状態で10cmくらいの高さにします。このとき、太ももが床と垂直になるのがポイントです。膝も直角になるよう、タオルで高さを調整しましょう。
※トレーニングは無理のない範囲で行いましょう。
02みぞおちに指先を添えお腹と胸が膨らむように
両手の指先をみぞおちのあたりに添え、ここに力が入らないように意識して、肋骨をゆっくり畳んだり開いたりするイメージで呼吸をします。腹筋を強く使わず力まずに、お腹と胸が一緒に膨らむよう、20回くらい続けましょう。朝と夜にやると効果的です。
効果の測り方
体験したスタッフもビックリ
息を吸った時と吐いた時の胸囲の差が、トレーニングの前後で2cmから7cmに拡大。それだけ深く吸って吐けるようになりました。ちなみに、この差が5cm以上なら大丈夫、4cmは黄色信号、3cm以下は赤信号です。
Before
歪みによって胸郭の右側が下がった状態。
After
左右対称に整えることで高さが揃い、
呼吸にも良い影響を与える。