つづき



彼らの期待に無理して応えたり、
彼らの理想を真似ることは、
愛することではないのです。


幼い頃から、親の期待を感じ取り
「わたしの本音」さえも抑え込んでしまうほど、
親とひとつに重なろうとしていると、
あなたは 目の前の大切な人の感情とも、
無意識に重なろうとします。


すると、
「どこからどこまでが「わたしの感情」で、
どこからどこまでが「相手の感情」なのか?」

  
その区別が、
まったくつかなくなってしまうのです。



 つまり、生まれたてのあなたが 
最初に恋をしたパパやママの「ネガティブな感情」を、
あなたは知らず知らずのうちに、受け取っていて、

私たちのネガティブな感情の多くは、
「家系(パパやママ)のネガティブな感情」
だったりもするのです。


優しいあなたは、
恋するパパやママの「ネガティブな感情」を
ハートやみぞおちの奥に隠して、
何十年も見ないようにしてきてしまったのです。


それほど、生まれたばかりの純粋なあなたは、
大切な相手のすべてと、重なろうとして、
両親のどんな理不尽な言動や間違いも、
ひたすら我慢し、受け取ってきたのです。


(※その取り込んでしまったネガティブな感情の中には、
生まれる前に 
へその緒が首に巻きついてしまった怖れの記憶や
胎内で母親が感じていた将来の不安など…
覚えていない記憶も含まれます。)


 

これが、私たちが 痛みのストーリー、
投影を繰り返すカラクリです。 
 



「恋をすること」を通して、
両親への初恋の時に、自ら取り込んで抑え込んできた、
彼らの痛みやネガティブな感情に、
もう一度、気づくためのサインです。


なぜなら、恋をすることで、私たちは
相手を深く知りたくなり、
否が応でも両親(家系)の代替えである
相手の感情を見つめることで、
かつて、両親から取り込んでしまった、
忘れていた「ネガティブな感情」を、
どうしても深く見ざるを得なくなるからです



つまり、
ライフ(人生)は 現在の関係を通して、
私たちがずっと昔に みぞおち〜お腹辺りに葬った、
怖れや罪悪感、無力感や絶望感という
閉じ込められた感情に直面するお膳立てを
してくれているということ。




だからこそ、好きだからこそ受け取ってしまった
「両親のネガティブな感情」 
「家系や集合意識のネガティブな感情」を
一度すべて、彼らへと戻してみましょう。


心の中で
これは、わたしの感情ではない、
 すべてお返しします。

ただ、そう意図します。


 そして、借りたものをずっと
返し忘れていた自分を、ゆるします。



ゆるす相手は、
両親やパートナーじゃありません。

ゆるす相手は、それを
忘れて抱え込んでいた自分です。


 

自分をゆるし、
「わたしの本音」を尊重し始めると、
徐々にあなたは、
パパやママやパートナーの未熟な愛、不器用な愛を
心の中で 自然と ゆるせるようになります。


「この感情は自分のものじゃなかったんだガーン

  過去と訣別すると、
「いま」と「あなた」が一つになります。
 

自他の影(ネガティブ)をゆるし、
「いま」と一つになると、
人間の恋の妄想は 跡形もなく消えはじめます。


強く惹かれているのに、つながれない
ゆえに、すれ違って、離れる時が訪れる。
 

 それはまるで、いずれ必ず旅立っていく

恋人同士の「別れ」というよりも、むしろ
親子関係の「自立」に似ていませんか!?



人生では 約束してきた人たちと、
また出会うために、別れます。


その別れとは 他でもない、
過去のあなた自身との別れです。


そして、再び出会う人とは他でもない、
あなたが あなた自身と出逢う約束なのです。


それは、わたしたちは、
ほんとうは「愛」なんだという、
真の「わたしの本音」と出逢うための約束です。


約束してきた相手とは、他でもない
あなた自身のことです。