和多志という ”シップ” の出航。

本質の自身を起こす力、怒り(錨)を揚げて。




つづき


「 今は 落ち着いているけれど、
油断はしないでくださいね。」

「 また同じ症状が出たら、
私が救急車を呼びますから
遠慮なく、お電話くださいね。」


そうわたしに言い残し
1度目の訪問から、帰られた訪看さん。


そこから わたしはリビングで、
寝ずの番を、始めたのでした。



それから 2回
ポータブルトイレで
少し形のあるタール便を
尿と一緒に排便した、母。

この2回はどうにか
わたしがお手当てをすれば
直ぐに落ち着く程度の、不整脈でした。



3回目

3回目は

ベッドから起き上がろうとしている
母の気配から
すでに異変を感じていた、わたし。


ポータブルトイレに
ちゃんと座れていない内に
排尿と排便を始めてしまい

下ろした下着にも、パジャマのズボンにも、
形の無いタール便が付いていました。


いつになっても
止まりそうのない、タール便

見る見る内に、顔面蒼白になっていく母。

冷や汗を流しながら
手も足も、白く冷たくなっていきました。

またもや、受け答えの出来ない状態になり
胸に貼ったビソノテープを確認したら

冷や汗で剥がれ
跡形も無い状態だったので

わたしは慌てて もう一枚、
ビソノテープを貼ったのでした。


胸の苦しさは 落ち着いてきたものの
「ベッドに横になりたい」
と、うったえながらも
排便が止まりそうにない、母。


わたしは、もう1度、訪看さんに電話して
状況を説明し

「 4日の夕方から
口から食事を採れておらず
入院中はほぼ点滴だけ
お粥は
不味くて、食べられなかったと
言っていた、母。
なのに
大量のタール便と
排尿が続いているのは
命が危ない!

「 この状態で、
自宅には置いておけません!」
はっきりと伝えたのでした。



訪看さんが
2度目の訪問に来てくださるまで

リハビリパンツを
履かせてあげることが出来ずに

ダンナちゃんに母の傍に居てもらい

直ぐに救急車に同乗出来るように、
支度を始めた、わたしでした。









血便が出ているということは、消化管から少なからず出血しているということです。出血が多くなると貧血症状(めまい、立ちくらみ、息切れ動悸頭痛など)や出血性ショック(落ち着きがなく興奮、血圧低下、脈や呼吸数の異常、意識低下失神など)に陥ることもあります。上記の症状に当てはまるものがある場合には、緊急の内視鏡検査などで出血している場所を確かめて止血したり、輸血したりする処置が必要になることもあるので、ためらわずに病院を受診してください。