Amazonで観るべき映画 ベスト8

4  アイ・トーニャ

 

かなり好きな映画。

主人公のトーニャをはじめ登場人物は、
クズばっかり。
しかも、全く反省していない、成長していない。

そんなクズたちが、クズのようなあの事件を起こしてしまう【間接的に関わった人たちも含めて】

彼らの生き方から教訓的なものはないし、共感も全くしないのだが、
不思議と観ていて悪い気がしない。

それに主役のトーニャ。
あのことに関しては、可哀想なんだし、
育ち方などで同情の余地も大きいけれど、

彼女自身の生き方もかなり乱暴だし、
アホだし、もちろん賛同なんてしないんだけど、

これまた不思議なことに、映画が進むにつれて、はちゃめちゃな彼女のファンになっている自分に気付かされる。

そう、入りは否定からだけど、自然と入り込んでいるんだ。

最終盤の、たった一人で化粧台で雑なメイクをする彼女の姿に、涙してしまうのだ。

可愛そう、哀しい、、、哀れだなって、、

でも、この映画の良点として挙げられることは、
やっていること、しでかしたことは、救いようないんだけど、描き方のトーンが、
それらを笑いに変えて見せてくれているところ。
みんな
何てアホなの!
何て利己主義なの!

思わず笑っちゃうシーンがいくつもある。

あの友人たちのどーしょーもない感じ
あの母親の隠し録音。
バカか!あんたら!
でも、笑っちゃいました!
で、あんたらのこともなんか憎めなくなっちゃってるわ、恐ろしさ🙂

インタビュー形式で、劇中人物が話しかけたり、同時に話したりする手法は、それほど珍しくはないけど、
この作品には合っていたし、あれでテンポも出たんだと思う。

フィギュアの世界の華やかさ、ちょっとお高さ→羽入くんとかの追っかけのおばさまたちも金持ちって感じしますよね、

そんな選ばれた世界に舞い込んだ「極貧ヒロイン」

「跳べばいいんだろ!」のスタイルは、ファンもつけば、その倍の反感もかう。

「あいつならやりかねない。」
「いや、ぜって!あいつだよ!」て、
世の中のヒール作り。

アメリカだけじゃないよ、
日本のマスコミや社会もこの手の常習者。

自分以外のところで、フィギュア以外のところで、揺れ動かされ、飲み込まれていったトーニャ。

彼女を演じるマーゴット・ロビーが実に可愛い!

実際のトーニャにも、幸あれって、エールを送りたくなった作品でした。

付け足し、フィギュアのシーンが重要だけに、競技中のカメラワークも見事でリアリティがありました。

母親役のアリソン・ジャネイの助演賞は納得!