それからの私は、職場も新しくなり、仕事を覚えるのが必死で、「再検査」のことをすっかり忘れていました。

 

10日ほどして「あ!そういえば」

 

病棟の患者さんを放射線科に送り出し、タイミング良く空きの時間があり、

「ちょっと聞いてみよう。」

軽いのりで、放射線科のスタッフに声をかけました。

 

「あのぉ~。 自分の事なんですが、

 この前の入職時検診で、胸写(胸部レントゲン)でひっかかちゃって、

 早く受診した方がいいのか、後からでもいいのか、

 見てもらっていいですか?」

 

入ってきた早々の面識もない看護師がこんな事を言ってくるなんて・・・って思ったことでしょう。

私も、その時にはなんともないだろう、たぶん肋骨や何かの重なりとかかな?

たぶん大丈夫でしょうね。の返事を期待して聞いてみました。

 

「ああ~これですか。

 これって A先生の読影なんですよね。 

 ダブルチェックでいくんで、もう一人の先生の所見、見てみましょうか」

 

問い合わせた外来ナースの助言もあり、

次回A先生の診察を受けた方が良いとの見解でした。

 

病棟に戻り、勤務との兼ね合いもある為、病棟師長に同様の報告をし

「そりゃ~やっぱりA先生に見てもらいんさい!明日私から言ってみるよ」

病棟師長の心強い言葉に励まされ受診の手続きをしました。

 

次の日、師長から

「今、外来大丈夫だって!A先生見てもらっておいで」

 

ありがたいことに、病院職員は勤務中の受診が許されています。

私は、10時過ぎ診察室へいそいそと、向かいました。

 

さっそく、A先生の診察を受けレントゲンを見ながら

 

「これだねぇ。まぁCT撮ってみよう!」

 

タイミング良くCTも設置してあるため、時間をとらず職場で済ますことが出来、すぐに結果を知ることが出来ました。

結果が出ているにもかかわらず、「なかなか名前呼ばれないな」と思いながら待ち、再度、A先生の診察室へ呼ばれると

 

「CTね。ここ!ここはやっぱり何かあるよね。肺腺がんかもしれん。

 大きい病院へ行って検査してもらった方がいいね。紹介状書くから」

 

肺がん?・・・肺?ですか? 肺ってノーマークなんですけど。

それも、ガン?  私が?

 

 

 マジか・・・・・・・・・・・

 

 

それからどうやって仕事に戻ったのか。たぶん食べた昼食の事も、今では思い出せないくらい頭が真っ白になっていました。