「綺想宮殺人事件」芦辺 拓 | のちゃのストーリーストーリー

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創作小説と書評
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>琵琶湖畔に佇む壮大な異形建築・綺想宮。四大精霊の呪文と天地創造の七日間を表わす音楽に導かれて起きる連続見立て殺人の真相とは…最後の探偵小説、あるいは探偵小説の最期。

 というわけで、なんか一応ストーリーあるげだが、ふざけるな、ほんと、わけのわからん小説だった。推理小説界には三大奇書というものがある。『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』(そのうち虚無…は読了)。どうやらその有名三冊を後追いする意図があるらしい。しかし、そこまでの高みに行けているのか?個人的にこれが本として面白いかどうか、と問われれば、その答えははっきりしている。しかもこれ、森江春策の事件簿というシリーズだった。シリーズとして成立してるのか?頭の悪い奴にはまったく理解不能。ていうか、一般読書人は門前払いしているとしか思えない。
最後まで読んで時間の無駄になりそうな気がしたので、例の速読法で読んだら、ますますわけがわからんまま終わった。
 感想をざっくり一言でいえば、洪水のように押し寄せてくる怪しげな蘊蓄に息もできない、ってこと。それを楽しめるかどうかが一番の関所。で、結局、どの蘊蓄もまったく興味が持てす、最終的に学んだものがあるとすれば、ペダントリーという言葉、衒学趣味という言葉ぐらいのもんである。ちなみに、その反対語は韜晦趣味、というらしい。いや、その程度でも学べたことはよかった、よかった。てか、バカでも読める小説書いてほしいもんだな。2011年の作品。