ネズミは水に濡れた仲間を助けるために出かけるし、アリは女王のためには自爆をいとわないし、ゾウは亡くなった家族の死を悼む。あまりよくない面でいえば、バッタは危機的な飢餓状況になると仲間…といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル、ガーディアン、サンデータイムズ、各紙で絶賛されているのが『動物のひみつ』(アシュリー・ウォード著、夏目大訳)だ。シドニー大学の「動物行動学」の教授でアフリカから南極まで世界中を旅する著者が、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動、自然の偉大な驚異の数々を紹介する。
人気予備校講師が「この本、むっちゃ面白いから毎日気晴らしに少しずつ読んでるんだけど、一番驚くのが700ページ超で本体2000円。今の時代にこれは価格破壊なのでは?」と投稿しSNSで大反響となった一冊とは?
田中:この本はすごいですよね。いや、本当に。最初に手に取ったとき、分厚さから直感的に『4千円くらいかな?』って思ったんですけど、まさかの2千円(本体価格)で『えっ? 安っ!』と声が出てしまいました。
そうそう、今年2歳になる娘がこの本の表紙を気に入ったみたいで『よむ! よむ!』とせがんできます。娘はアリが好きなようで,公園でアリを見つけては『ありしゃん! ありしゃん!』とはしゃぎ、最後は『ばいばーい!』と手を振っています。
第2章にはグンタイアリに関するさまざまな記述があって、公園でのほのぼのシーンとは程遠いのですが、娘に読み聞かせをしました。絵本とはリズムが違う文章が面白かったのか、その後も何度も『よむ! よむ!』攻撃が来るので、そういうときはパッと開いたところを一緒に読んでいます。