33
次の日起きるとすぐにカズを探した。
ベッドから出てソファで眠っている。
また、カズは!
風邪引いちゃう。
「カズ?起きろ」
「ん…」
「カズ?」
大野が揺するとゆっくりと目を開けた。
「あ、大野さん…」
「あ、大野さん、じゃないだろ?なんでソファなんかで寝てんだよ?」
「夜中に目が覚めて…ゲームしてて…そのまま…」
二宮はそう言いながらソファから起き上がった。
「さむ…」
「ほら、風邪引いちゃうから。」
大野は寝室から毛布を持って来て二宮にかけてあげた。
「大野さん…」
二宮が可愛く大野を見つめる。
「なに?どうした?」
「一緒に毛布入ろ?」
「あ、うん…」
大野は二宮の座っているソファの横に座って一緒に毛布を肩から掛けた。
「あったかいね。」
二宮が大野を見る。
大野は二宮の瞳に吸い込まれるようにそっと二宮の唇に自分の唇を重ねた。
唇を離すとギュッと二宮を抱きしめた。
「なぁ、カズ?」
「なに?」
「どこにも行くなよ?」
「なに?(笑)急に。」
「いや、急じゃないよ。いつもそう思ってる。昨日だって、本当にオレでいいのかな?なんてさ。だから…」
「大丈夫だよ。オレはどこにも行かないよ。大野さんしかいないもん。」
「良かった…」
大野はキツく抱きしめると儚く消えてしまいそうな気がして腕の力を緩めた。
「カズ?」
「ん?」
「いや…なんでもない。」
「うん…」
抱きしめられている二宮は一瞬寂しそうな顔をした。
大野さん…
大好きだよ。
でも…
このままずっと…ってわけにはいかないのかもしれない。
続く