誕生日当日
翔Side
カズと二人でベッドに入っていると枕元のスマホが音を立て始めた。
ピコン
ピコン
眠りにつき始めたカズがモゾモゾと動く。
｢ん…｣
俺はスマホの音を止めようとゴソゴソと枕元を探った。
｢ん、しょーちゃん？｣
｢あ、ごめん。起こしちゃった？｣
｢ううん、しょーちゃん？｣
｢ん？｣
｢誕生日おめでとう｣
そう言ってカズがギュッと抱きついて来た。
｢カズ、ありがと｣そう言って俺もギュッとカズを抱きしめるとまた、ピコンと鳴った。
｢しょーちゃん、人気者だね…｣
｢え、そんなことないよ…｣
｢みんなから？｣
｢あ、うん。｣
｢オレも送る…｣
そう言ってカズは、枕元のスマホをピコピコと打ち始めた。
カズが打ち終わると俺のスマホが音を立てた。
｢誕生日おめでとう｣みんなのLINEには簡単にそう送ってきた。
そして、すぐに個人LINEにもカズからメッセージが入った。
【しょーちゃん、誕生日おめでとう。愛してる。これかもずっと一緒にいて。】
カズ…
俺が嬉しくてカズをギュッと抱きしめると頬が濡れていた。
｢えっ…どうした？カズ｣
｢しょーちゃん…｣
｢なに？どうした？お腹でも痛いの？｣
｢ふふ、違うよ、どうしてそうなるの？(笑)｣
カズが泣きながら笑った。
｢違うの？｣
俺なんか変なこと言っちゃったかな？
｢あのね…しょーちゃんの誕生日。仕事が入っちゃった…｣
｢なんだ、そんなこと？！｣
｢そんなことって…、しょーちゃんと一緒にいられないんだよ。誕生日なのに…｣
カズがまた涙を流している。
｢あ、ごめんでも…｣
｢本当は、オレも休みだったし一緒にお祝い出来るかなって。ずっと一緒にいられるって、そう思ってたのに…｣
｢カズ…そんなこと思っててくれたんだ。俺だって今日は一緒にいたいよ、でも帰って来てからだってお祝いは出来るだろ？｣
｢でも…｣
俺は最近のカズを思い出してハッとした。
ここ何日か不機嫌だったのはそのせいか！
｢カズ、もしかしてそれでずっと不機嫌だったの？！｣
｢…うん。｣
小さく頷くカズが可愛かった。
可愛いやつ。
｢１日中一緒にいられなくても気持ちは一緒だから、なっ？｣
｢…しょーちゃん…｣
カズが俺を見る。
なんだ可愛いじゃんか。
それで不機嫌だったなんて。
俺はそんなカズが可愛くて堪らなかった。
ギューッと抱きしめて軽くキスをした。
｢ん…しょーちゃん…｣
俺の名前を呼ぶカズが可愛くて俺はそのままカズを全身で愛した。
カズもそれに応える。
誕生日早々、大好きなやつと一緒にいられて愛することが出来て幸せだよ、カズ。
誕生日おめでとう、俺(笑)
今日は、たくさんのお祝いの言葉ありがとう。
みんな、愛してる。