君と歩く未来を65 『光りの魔法』翔Side~ | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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『光の魔法』翔Side~



楓は自分でそう言っておいて、ちょっと慌てていた。


「あ、ごめん。私 なに言ってるんだろ…」


「………」

俺はなんて答えていいのか分からずに一瞬黙ってしまった。


「翔くん?」


「あ、うん。」


「大丈夫?」


「ごめん、楓があまりにも唐突にそんなこと言うから。」


「翔くんが、言ったんだよ?カズと幸せになれって。楓のこと好きだと思うって。」



「あぁ、そっか。そうだよな。」


「ふふふ」
楓は俺を見て小さく笑った。


「えっ?なに?」


「今日の翔くん、ちょっと可笑しいよ?(笑)」


「あはは、そう?ごめん。」


「ううん。今日は誘ってくれてありがと。翔くん。」


「うん。」


俺たちはもう一杯コーヒーを飲んでありきたりな話しをしてコーヒーショップを出た。



「楓、まだ時間ある?」



「うん、まだ大丈夫だけど…」


「じゃあ、せっかくだしさ…」


「ん?せっかくだし?」
楓がちょっと不思議そうな顔をした。


「昨日からイルミネーションをやってるところがあるんだ。行かない?」


「あー、イルミネーションかぁ。もうそんな時期なんだね。」


「うん。向こうの通りでさ。そろそろ点灯する頃だと思うんだ。」


楓は一瞬迷ったのか下を向いて黙っていた。

しばらくして顔をあげて「いいよ。」と微笑んだ。


夕方になると途端に寒くなる。


楓は上着のポケットに手を入れて「風が冷たいね」と言った。


二人でしばらく歩くとイルミネーションがある通りへと着いた。


「まだみたいだね。」

楓が俺を見た。

「ごめん、ちょっと早かった」


「もう少し待つ?」


楓が俺の顔を覗き込む。


ちょっとドキっとした。


やっぱり好きだと言う気持ちが出てきてしまう。

「やっぱり帰ろっか?」

このまま二人でイルミネーションなんて見たら自分の気持ちが我慢出来なくなりそうだ。


周りにいるカップルが気になった。

手を繋いで仲良く歩く姿やイルミネーションが点灯するのを待っているらしきカップルもいた。


「帰るの?ここまで来て?」


「なんか、場違いだったかなってさ。カップルばっかだし(笑)」


「ふふ、そんなこと気にしてるの?」


「だって、俺たちは友達だろ?」


「いいじゃん。もうずっと友達やってきたんだし。友達同士でイルミネーション見ちゃいけないなんてことはないでしょ?」

楓はそう言って笑った。


「まぁ、そうだけど…いいの?カズと来たかったんじゃない?」



「もう、翔くん?ここに来ようって言ったのは翔くんだよ?」


「ははは、そうだよな(笑)」

俺は結局何がしたいのか…

自分でも分からなくなっていた。



しばらく待つと綺麗な光りが辺り一面を包んだ。


「わぁ、綺麗。」


楓に光があたってキラキラと見えた。



こんな幻想的な光の中にいると楓に好きだと伝えたくなる…


光りの魔法。


そんなロマンチックなことを思った。


柄にもないか…(笑)


だけど…やっぱり


俺は隣にいる楓の手を思わず握った。


楓がびっくりして俺を見つめた。




続く