その手に触れて、永遠に。7(大宮) | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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その手に触れて、永遠に。7



二宮は思わず大野の腕を取った。

「オレは…大野さんの…」


「えっ?なに?」


なんでそんなに潤んだ瞳で見るんだ?
よく分かんないけどドキドキしていた。


「オレは…」


「なに?」

じっと見つめられて何だか変な気分になった。





「…先輩?」


「………」


「えりか先輩!!」


「えっ?!」

みわがえりかの顔を覗くとやっと名前を呼ばれているのに気付いた。


「どうしたんですか?」


「あ、いや…あの二人どうしたのかな?ちょっと言ってくる。」



えりかは、店の入り口から飛び出して大野と二宮の所へ駆け寄った。


「ちょっと、どうしたの?」

えりかの声にハッとして声のする方に大野は顔を向けた。

「いや…」


「ケンカ?」


「違うよ。大丈夫。」


二宮は大野の腕から手を離した。

「オレ帰ります…」


「二宮くんもどうしたの?」えりかが声を掛けると「そいつはいいから。」と言って大野は店に戻ると厨房の椅子に座った。


何だったんだろう?


二宮は何を言おうとした?


大野さんを…?


それに、何だか綺麗な瞳だった。


えっ?


あれ?


俺、何言ってるんだ…?


男の目を見て綺麗だなんて…どうかしてるな(笑)


その時えりかも店に戻って来た。

「智くん?」


「あぁ、帰ろうか?ごめんな。」


「ううん。二宮くんに何か言われたの?」


「いや…何も。」


「そっか。」


「みわちゃんは?帰ったの?」


「うん。二宮くんを無理やり合コンに連れて行った。」


「えー?マジで?!」


「うん。強引にね(笑)」


「強引に?」


「そう、強引に(笑)」


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「本当に行くの?」


「本当に行くの!二宮くんもたまには合コン。行ったほうがいいって。」


「でも、オレ苦手だし…」


「大丈夫だって。」

二宮は困ったと思いながらも断り切れなくてみわに付いて歩いた。


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店に着くとみわは、

「お待たせ。」

と言ってすでに集まって席に着いている人たちの所へ行った。


「あ、みわ遅い。」


「ごめん。」


「あれ?一緒に連れて来た子は?誰?」
みわの友達が二宮を見た。


「あ、1人来れなくなったって言うから連れて来たの。代わりの男の子。」


「えー、カワイイ。ちょっとみわ知り合いなの?」


「うん。同じ職場なの。」


「そうなんだぁ。よろしくね。」
みわの友達は二宮に軽く挨拶すると席に着くように促した。



二人が席に着くと改めて合コンが始まった。


二宮は、とりあえず座ったがなんだか落ち着かなかった。

女の子たちに質問攻めにされるわ、お酒を勧められるわで辛くなって来た。



「みわちゃん、やっぱりオレ…帰りたいんだけど。」


「えっ?もう?」


「ダメ?こういうのやっぱ苦手で…」


二人がコソコソ話していると「ちょっと、なに?二人でコソコソと?」と1人の男が声を荒らげた。


「違うよ。二宮くんちょっと気分が悪いんだって。」

みわがそう言うと1人の女の子が心配そうに二宮に声を掛けた。

「えっ?二宮くん大丈夫なの?」


「あ、まぁ。」


「水、飲む?それとも少し休む。」


「あ、大丈夫です。」
二宮はちょっと微笑んだ。


「本当に?」


「はい。」


二宮はそれでもしばらく席に座っていたがその場の雰囲気に馴染めずに店の奥にあるトイレに向かった。


やっぱりダメだ。

こういうの苦手だ。

みんなでワーっと騒いだりそういう場がちょっと苦手だった。


どうしよう。帰ろうか。


そう思っているとトイレをノックする音がしてみわの声が聞こえた。

「二宮くん?大丈夫?」

二宮はトイレのドアをそっと開けた。


「みわちゃん。」


「大丈夫なの?ごめんね。無理やり連れて来ちゃって。」


「ごめん、やっぱ苦手だわ。」


「そっか。じゃあ帰ろっか?」


「えっ?でもいいの?みわちゃんは楽しみにしてたんじゃないの?」


「もういいよ。なんかつまんないし。帰ろう。」


みわは二宮の手を取った。


トイレから店内へ戻ると1人の男が寄ってきた。

「あれ?やっぱり二人はそういう仲?」


「違う、違う。気分が悪いって言うし帰るね。」


「なんで?みわちゃんまで?もう少しいいじゃん?」


男はみわに絡んできた。

「ごめん、私も明日早いし帰ります。」


「なんで?まだ早いでしょ?」

そう言って男はみわの肩に腕を回した。

「ちょっと…」

「じゃあさ、俺と帰る?」
男はさらに絡んできた。

「いや…」


それを見ていた二宮は男の腕を掴んだ。

「嫌がってるだろ?」


「はぁ?みわちゃんの友達だか何だか知らないけど?なんなの?女の子にちやほやされて?今度はヒーロー気取り?」


「嫌がってるんだからみわちゃんから腕を離せ。」


「はぁ?やだね!」
そう言いながら男は二宮を殴った。


殴られた衝撃で二宮は少し飛ばされて床に倒れた。

「二宮くん!」

みわは男から無理やり離れて二宮に駆け寄った。

「大丈夫?」


「あぁ、大丈夫。みわちゃん帰ろ。」

二宮はその場から立ち上がってみわの手を取って店を出ようとした。


男が「待てよ。」と言って二宮の腕を掴んだ。


「なに?」


「帰るなら1人で帰れ。」


「ヤダね。この子も気分が悪いんだって。だから連れて行く。」

二宮はみわの手を取って早足で店を出た。


男がまだ「おいっ!」と叫んでいたが構わず店を出た。



「二宮くん、大丈夫なの?血出てる。」


「うん。大丈夫だよ。」


店から出て少し歩くと路地裏に入って座り込んだ。


「ちょっと、痛そうだよ?」
みわがハンカチを鞄から出して二宮の口に当てた。


「痛っ!」


「ほら、無理するから。殴り返せば良かったのに。」


「いいんだよ。殴り合っても意味がないでしょ?オレが殴られて終わりでそれでいいんだよ。」

そう言って笑った。


「二宮くん…なんかごめんね。」


「いいよ。」


「私、誤解してた。」


「えっ?」


「二宮くんって女の子みたい、なんて言ってさ。さっきすごくカッコよかったよ。」


「あはは。そう?」


「うん。」


みわは、何だかドキドキしていた。

私…好きになったのかも。

でも。

二宮くんは…きっと。

きっと…


「二宮くんって、えりか先輩が好きなの?」

みわは思わず声に出してしまった。


「えっ?それは前にも言ったけど…違う(笑)」


「じゃあ…」


「でもいるよ、好きな人。」

二宮はそう言ってみわに微笑んだ。


続く


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