5人の空58 | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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58


相葉は高橋のそばにしゃがみ込み


「ちゃんと教えてよ。俺が何かした?」


と、顔を覗き込んだ。



「本当は、相葉は悪くないのかもしれない。ずっと苦しかったんだ。あの日、相葉と再会してから俺の苦しい気持ちが弾けた。すべては相葉のせいだ。そう思った。相葉との思い出が蘇ってますます許せない。そんな気持ちで...」


「俺知らなかったんだ。美紀の事。なんでもっと早く言ってくれなかったんだ。」


相葉がそう言うと高橋は立ち上がった。



「ごめん。誰にも言いたくなかった。相葉にも。あんなに好きだったんだ。なのに最後は最後は...ちゃんと動いてる美紀を見たのはあのコンサートの日が最後で相葉がコンサートで見た美紀が最後で...」


「俺、この病院で寝てる時何度も美紀の夢を見たんだ。楽しかった、美紀と三人で。」


相葉はそう言いながら涙を流した。



「夢?美紀の?」


「うん。美紀と高橋と俺とまだ高校生だったよな?」


「楽しかったよな。」
高橋は相葉を見た。


「俺...あの時、美紀と高橋でコンサートに来て欲しいって思った。美紀が好きなのは高橋だって分かってたから。俺じゃないのは分かってたから。美紀、前に言ってたんだ。俺にだけ、気持ちを教えてくれた事があって。ずっと好きなんだって。」






たまたま高橋が風邪で休んだ日。


美紀は学校の屋上にいた。


『美紀?こんな所にいた。何してんの?』



『相葉くん!よく分かったね、ここにいるの。』
そう言って美紀は屋上の柵に寄りかかった。


『たまにここに来て空を眺めてたの知ってたんだ。』


『そうなの?なんで?』

美紀は不思議そうに俺を見た。


『ごめん。一度だけあとをつけた(笑)たまにいなくなるでしょ?美紀?』


『ふふ、たまにね。一人になりたくて。』

美紀は空を見上げた。


『綺麗だね。青くて。』俺も見上げた。


『相葉くん。私の秘密聞いてくれる?』


『何?秘密って?』

俺は空を見上げたまま聞いた。


『私、ずっとずっとずーっと高橋くんが好きだった。今も。ずっと片想い。』

そう言いながら涙を流した。


俺が空を見上げるのをやめて美紀を見た時。


美紀は空を見ながら泣いていた。


『ちょっとっ!美紀?』


『ごめん、大丈夫。だって高橋くん。直樹ね、勘違いばっかりしてるの。私はいっつも直樹の友達が好きみたいだよ。直樹、ずっとずっとずーっと勘違いしてる(笑)だから永遠の片想い。』


美紀は泣きながら笑っていた。


その時思いついたんだ。


二人でデート出来ればって。


それで美紀にチケットを渡した。


二人でデートして、気持ち伝えなよって。


美紀は喜んでた。


頑張ってみる!って。




「だから、あの日一人でコンサート会場に来ていた美紀が気になっていた。でも、メールに気付かなくて俺...久しぶりに学校へ言ったら留学したって。家に行ってもいなくて。」


俺のせいだ...


俺の...


「高橋、ごめん。俺が早くメールに気付いてたら...。俺のせいだ...」


相葉は美紀の元へと行った。


そっとその頬に触れた。


ごめん...


ごめん...。



続く