櫻井はどうやってその女性の部屋を探そうか考えていた。
白石先生に聞いてみたら教えてくれるだろうか?
どうしようか...?
ソファーに座り少し考えた。
一人でこっそりはやっぱり無理だと思った櫻井は松本と大野にも話した。
櫻「なぁ、ニノがいる病室を探さない?」
大「どうやって?」
櫻「本当は一人でこっそり探そうかと思ってた。でも、一人じゃ無理だと思ったんだ。だからみんなで協力してさ。」
松「でもなんの手がかりもないし...」
大「そもそもなんで女性の病室に?」
櫻「分からない...その高橋ってやつと関係のある女性って事?」
松「なんか、俺たちずっと無限ループじゃない?」
大「ん?」
松「結局、分からなくて終わる...」
櫻「やっぱり白石先生を問いただすしかないか。」
櫻井はソファーから立ち上がった。
松「どうするの?」
櫻「どうしよう...」
櫻井は再びソファーに座った。
大野と松本はそれを見て笑った。
大「翔くん、何がしたいの?(笑)」
櫻「なんかどうしたらいいのか分からなくて。」
櫻井はもどかしくて少し苛立った。
とにかく二宮が心配だった。
三人が途方に暮れていると部屋をノックする音が聞こえた。
松本が「はい、どうぞ。」と返事をすると白石だった。
白石は部屋に入って来て櫻井、大野、松本の前に立った。
白「もうそろそろ検査も終わるから。今は看護師に任せてある。」
櫻「良かった...。で、雅紀どうなんですか?」
白「頭の検査もしたけど、特に異常はないよ。」
櫻「良かった。」
櫻井はホッとした。
櫻「あの...白石先生...」
白「何?」
白石は櫻井を見た。
櫻井がちょっと聞きにくそうにしてると松本が聞いた。
松「二宮はどこの部屋にいるんですか?」
白「いきなりだな...(笑)」
松「心配なんですよ。二宮が。」
白「うん。実は...相葉が動けるようになったら連れて来てくれと言われてる。」
松「雅紀を?連れて行くって?」
白「あぁ、まぁ...」
白石は少し困った顔をした。
櫻「そういう事は早く言ってくださいよ?」
白「すまない。」
松「それで?本当に連れて行くんですか?」
白「うん、まぁ。そのつもりだった。二宮くんとの約束なんだ。」
櫻「約束?」
櫻井は眉間にシワを寄せた。
白「二宮くんは相葉くんの代わりに高橋の所にいる。相葉くんが動けるようなったら連れて行く約束なんだ。」
松「そうですか...」
櫻「あの、二宮は大丈夫なんですよね?相葉みたいな事にはなってないですよね?」
白「まぁ、病室にいるし下手な事は出来ないはずだよ。それに、これも!」
白石は白衣のポケットからナイフを出した。
白「預かってるから。」そう言って再びナイフを白衣のポケットにしまった。
櫻「あの、その病室に連れて行って下さい!」
白石は一瞬困った、と言う顔をした。
白「んー・・・困ったな。」
櫻「ダメですか?」
白「約束してる事と違うからな。高橋を怒らせてもいけないし」
櫻「お願いします!二宮が心配なんです。」
櫻井は頭を下げた。
白「でもな...」
松「お願いします!」
松本も頭を下げた。
白「...分かった。」
白石は渋々了承した。
「くれぐれも高橋を刺激しないように。いいね?」
「わかってます。」
櫻井、大野、松本は病室の場所と部屋番号を聞くと病室に向かうことにした。
櫻「ねぇ、今回は俺一人で行くよ。雅紀が戻って来るし。二人は残ってて。」
松「翔くん。大丈夫なの?一人で?」
櫻「大丈夫。高橋を刺激しないためにも俺一人で行く。」
大「分かった。カズを連れて戻って来てよ?」
櫻「うん。」
櫻井は不安だったが行くと決意した。
松「やっぱり俺が行こうか?」
櫻「いや、大丈夫。行ってくるよ!」
「待って。それは俺が行くから。」
その声に振り向くと相葉だった。
櫻「雅紀!」
相「検査、終わったよ。もう大丈夫だから。」
そう言って乗っていた車椅子から降りると立ち上がった。
松「雅紀、思い出したの?」
相「思い出した。俺も高橋がどうしてあんな事をしたのかを知りたいんだ。カズが俺の代わりになってるんだろ?」
櫻「知ってたの?」
相「いや、さっき聞こえて(笑)」
松「いつから聞いてたの?」
相「ふふふ」
相葉は意味ありげに笑った。
「俺、ちゃんと話してくるから。心配しないで。カズくんもちゃんと連れて戻って来るから。」
そう言って相葉は病室を出て行った。
続く