俺は完全に心乱されていた。
「翔ちゃん?」
「ん?」
「遅くにごめんね。やっぱり迷惑だったかな?
こんな時間だし。ケーキ渡せたし帰ろうかな。」
「えっ?帰るのっ?!」
俺は思いのほか大きな声で「帰るの?!」なんてカズに言っていた。
「えっ?だって、もう遅いし。翔ちゃん迷惑っぽい...」
相変わらず潤んだ瞳で俺を見る。
もう何だかドキドキしちゃってダメだ。
今日の俺もおかしい。
「迷惑とかじゃないけど、こんな時間だしびっくりしてさ...」
「そっか。そうだよね。」
「うん。だから迷惑じゃない。むしろすげー嬉しいよ。」
「本当に?」
「本当にっ!!」俺は大きく頷いた。
そう言うとカズの顔がパァっと明るくなった。
「じゃあさ、もう1回二人でお祝いしよ?ね?」
「あ、あぁ...。」
なんだ可愛いな。
急にニコニコしちゃって(笑)
「ふふ、翔ちゃん、食べよ?ロウソクも消す?」
何なんだ?
なんなんだ?
カズは可愛い。
本当に可愛い。
俺のためにお祝いしようとケーキまで持って来て。
俺の心は乱されていた。
ってか、今日は俺の誕生日だよな。
なんでこんなにカズのペースにハマってるんだ?
「なぁ、カズ?おまえはさぁ...」
「何?」
カズがケーキにロウソクを刺していた。
やっぱり可愛い...
なんでそんな目で俺を見るんだ?
「早くロウソクに火付けて。」
「あ、あぁ。」
俺はロウソクに火を付けて言われるままに火を吹き消した。
「翔ちゃん、おめでと。」
ニコニコしてカズが手を叩きながら俺を見る。
ケーキを二人で食べて少しだけゲームをした。
「さて、帰ろうかな。」
カズがソファーから立ち上がった。
「えっ?帰るの?」
「えっ?だって明日仕事だよ?帰りますよ?」
「だから、どうやって?歩いて帰るの?電車ないよ?」
「えっと、マネージャー呼ぼうかな。」
「こんな時間に?」
俺は壁にかかっている時計を指さした。
すでに真夜中だった。
「あ、そっか...どうしよう?」
「送ろうか?車で。」
「あ、うん。いや、でもタクシー拾うよ。」
「ダメダメ、もう遅いから。」
「へっ?」
「こんな時間に危ないよ。」
「翔ちゃん?大丈夫よ?だって男だし。タクシー拾うだけよ?」
「まぁ、そうか...」
何だか俺は自分が可笑しかった。
さっきから何言ってるんだ?
やっぱり、あの夢のせいだ。
「翔ちゃん、今日ちょっと変だよ?」
「そんな事ないよ。いつもと変わらないって。」
「そう?」
「そうだよ!カズも変な事言うなよ。」
「ごめん。じゃあ、帰るね。」
「うん。」
カズが帰ってしまうのが何だか寂しく感じた俺はおかしな事を口走っていた。
「やっぱり泊まってく?せっかく来たんだしさ。一緒に寝る?」
「へっ?」
「あっ...」
やべっ...
何言ってんだ?
俺.../////
「翔ちゃん?何?どうしたの?」
「あ、いや...ほら布団もないし。同じ布団でさ/////」
しどろもどろして何だかさらにおかしな事を言い出した。
「ソファーで寝るからいいよ。」
「へっ?」
「へっ?じゃないでしょ(笑)布団ないならソファーで寝るよ?って事。」
「あ、あぁ。えっ?本当に泊まるの?」
「えっ?ダメなの?」
「えっ?」
「えっ?ふふ。ダメなら帰るけど?」
「あっ、えっと帰んないでよ(笑)」
俺はおかしくなって笑ってしまった。
それにしても何であんな夢見たんだろ?
結局カズはその日泊まって行った。
もちろん、布団は別で寝たけどね(笑)
誕生日の始まりはカズと過ごし、何だかおかしな35歳の始まりだった。
でもそれは幸せな時間だったかな、ふふ。
おまけ。
Nの気持ち~
今日は、翔ちゃん誕生日だし大好きなチーズケーキを渡したかったんだ。
食べ物だし早く渡したくて誕生日当日に来ちゃったけど...(笑)
翔ちゃん、今日はなんだか変だったな。
どうしたんだろ?
急に抱きついてくるし。
いつになく俺を愛しそうに見つめてくるし...?
ま、でも喜んでくれて良かった。
でも泊まる事になるとはね。
もしかしてオレ襲われちゃうの?
なんか今日の翔ちゃんギラギラしてたような...?
気のせい?(笑)
まっ、とにかく。
翔ちゃん、誕生日おめでとう♡
今年もいい一年にしてね♡
オチがイマイチなお話しになりました(^^;
今年も翔ちゃんはニノに振り回される一年になるのかな(笑)
こんなお話しですが、読んでいただきありがとうございました(ˊ˘ˋ*)♡