二宮は、松本との電話を切ると何となく外に行く支度をした。
潤くん、絶対一人で行くんだろうな。
一緒に探そうって言ったけど絶対一人で行くはずだ。
メンバー思いの潤くんだもの。
犯人に遭遇してまた怪我でもしたらいけないし、俺を一緒に連れて行くつもりは最初からなかったと思う。
だから、わざわざ住所もメモを取ったに違いない。
一緒に行くなら俺が持ってるメモを見ればいいんだから。
二宮は、支度をして櫻井の部屋を出た。
幸い鍵は置いて行ってくれたので自分で鍵をしてズボンのポケットへそれを入れた。
二宮は電車で行くか迷ったが通りまで出てタクシーを拾った。
櫻井の部屋にあった帽子を被って出てきたので気付かれることはなかった。
まーくん、本当にどこにいるんだろう。
俺がこうしてる間にも危険な目にあっているんじゃないかと思うと心配でならなかった。
胸がギュッと締め付けられる。
大野さんが襲われた事とまーくんがいなくなったこと。
やっぱり関係あるんだよな。
早く、まーくんに会いたい。
大野さんにも会いたい。
俺の身代わりになったこと。
二宮は後悔していた。
大野さんが来てくれると言った時大人しく待ってれば良かったんだ。
でも・・・。
俺がマンションから相葉くんのマンションに行かなくても俺のマンションに来るならどのみち大野さんが怪我させられてたのかな。
でも。
やっぱり俺の身代わりになった事には違いない。
今はとにかく、相葉くんを見つけないと。
そうこうしてる内にメモにある住所の近くまで来た。
二宮は、そこで降りる事にした。
あとは、メモを頼りに歩いた。
潤くん、来てるかな?
見慣れない街を歩くのは不安だったがスマホで調べてメモの住所まで来ることが出来た。
メモに書いてあるアパートがこれかな?
そんな事を思いながらふとアパートの前を見ると見慣れた男が立っていた。
潤くんだ!
やっぱり一人で来たんだな。
二宮はそっと松本の方へ近付いて行った。
続く