櫻井は、打ち合わせが終わり控え室に戻ってから鞄の中のスマホを確認した。
二宮からの着信があった。
「ニノだ。」
何かあったかな。
櫻井はすごく不安になりながら急いで二宮に電話を掛けた。
電話の向こうから聞こえてきた声は少し震えているような気がした。
―翔ちゃん!!
―ニノ?何かあった?
―翔ちゃん・・・あの、まーくんが・・・
いつもの元気な二宮の声と違ってものすごく不安そうな声が聞こえていた。
―カズ?どうした?
電話の向こうでガチャガチャと音がして今度はしっかりした声が聞こえてきた。
―翔くん?
―ん?潤?
―うん。雅紀、助けたよ。
―えっ?本当に?相葉ちゃん、どこにいたのっ?!
―うん。ある人のアパートにいて。酷く衰弱してて。病院に連れて行きたいんだけど。どこがいいか分からなくて。
―衰弱・・・?
櫻井は急に不安になった。
相葉が衰弱?
そう聞いて胸がザワザワとして落ち着かなかった。
これから、落ち着いて本番が出来るだろうか。
―翔くん?
―ん?ごめん。病院だよな?
―うん。
―衰弱してて連れて行けるの?
―それが歩くのもやっとなんだ。
―少し待てるかな。
―少し?どのくらい?
―これから連絡するから、急いでも一時間くらいか。今は?どこ?
―翔くんのマンションにいる。
―分かった。そっちに行ってもらるようにお願いするから。
―ごめん、翔くん、本番前なのに。
―大丈夫だよ。とにかくそっちに知り合いの医者を行かせるから。
―分かった。
電話を切って松本は二宮に櫻井の知り合いの医者が来ると説明した。
二宮は医者が来ると聞いて少しホッとしたようだった。
「良かった。お医者さんが来るなら大丈夫だよね?」
二宮は松本の顔を見て言った。
「大丈夫だよ。」
と、その時松本のスマホが鳴った。
続く