ニコニコしながら翔ちゃんが俺の顔を見た。
「ふーん。良かったね。」
俺が素っ気ない返事をするとちょっと膨れた。
「もっと喜べよー!」
「なんで?(笑)」
「だって、晴れだよ!晴れ!」
「うん。晴れね。」
「カズは嬉しくないの?」
「嬉しくない。」
「なんで?」
「なんで?って。わかるよね?
俺、外 出ないし。」
「あー、そっか。そうだよな。」
翔ちゃんは、俺の言葉にガッカリしていた。
「晴れだとなんかあるんですか?」
それでもちょっと聞いてみる。
「だってさ。
雪も降ったし明日は休みだし。
久々の休みなんだよ!」
「ふーん?で?」
「だからー、出掛けるの!」
「どこに?」
「スキーとか温泉とか。
雪も降ったからスキー出来るかなって思ってさ。」
あー、この人は休みの日に俺を置いて遊びに行くんだ。
「ふーん。翔ちゃん、俺のこと忘れてません?」
「えっ?いやそんな事ないけど。」
翔ちゃんは俺の言葉にちょっと慌てていた。
「やっぱりね。俺と一緒にいたいって思ってくれてないよ。」
俺が拗ねてソファーの背もたれに自分の体を預け天井を見上げていると翔ちゃんが隣りに座って「ごめん」と俺の肩を抱いた。
「カズも、一緒に行く?」
「なんでそうなるの?」
「行かないよな・・・」
ちょっと寂しそうな翔ちゃんを見て意地悪したくなった。
「行かない。行くわけないじゃん。翔ちゃんはさ。俺のことなんだと思ってるの?」
ちょっと拗ねて翔ちゃんを見た。
「ごめん。ごめん。じゃあ、今度の休みは一緒にいるから。ごめん。」
「ごめんが多い。。もういいよ。」
「だから、ごめ・・・、あーもぅ。どうしたらいいんだよ。」
「もういいよ。お風呂入ってくる。」
俺が立ち上がると翔ちゃんは俺の腕を掴んで引っ張った。
「カズ、待って。」
腕を引っ張っぱられて俺は翔ちゃんの腕の中にストンとハマった。
翔ちゃんは、俺の頬を手で包むと優しくキスしてくれた。
「ごめん。明日は二人で家で過ごそう。」
ふふ、やっぱり。
ちょっと拗ねてちょっと意地悪すると翔ちゃんはこうしてくれる。
分かってるんだから。
「じゃあ、明日はお家デートね。」
俺がニコっとすると翔ちゃんも笑った。
明日が楽しみになった。
久しぶりに二人で過ごす休日だもん。