「もし、俺と付き合うとしたら続くと思う?」
「えっ?何言ってるの?」
私はほとんど相手にしないで流れる景色を見ていた。
飲み会の帰り、車で送ってもらう途中だった。
潤くんとはよく飲みに行く。
たいていは向こうからの誘い。
彼との話しは楽しくて誘いは断ることはなかった。
勘違いさせちゃったかな。
彼は真っ直ぐ前を見てきちんとハンドルを握っていた。
私の方を見ないで彼は言った。
「俺は続くと思う。」
私は彼の方を見て「どうしてそう思うの?」と聞いた。
答えは返って来なかった。
ただ真っ直ぐハンドルを握って運転していた。
どこに向かってるのだろう。
私のマンションはとっくに通り過ぎていた。
「ねぇ、どこ行くの?」
彼の顔を助手席から覗くと少しニヤリと笑った気がした。
「いや。どこにも向かってない。」
「ちょっと、私のマンション通り過ぎてるんだけど。」
「知ってる。」
彼は私の顔を見て微笑んだ。
そして、右折してしばらく走ると路肩に車を止めて彼は車から降りた。
私もそれについて助手席から降りると目の前にビルの明かりがたくさん並んでいる。
綺麗な夜景。
「わぁ、綺麗。」
私がそう言うと彼は「やっぱり付き合おう。」そう言った。
「なんで?」
「それは、俺が好きだから。」
「えっ?」
私がびっくりして彼を見ると少し照れたのかクスッと笑って夜景を見つめていた。
そして、もう一度言った。
「好きだから。」
「でも、私・・・」
「なに?」
「年上だし、それに潤くんの事・・・友達としては好きだけど。でも。。」
「いいじゃん。俺が好きなんだし。年とか関係ないでしょ?これから絶対俺のこと好きになるから。」
私は可笑しくてクスッと笑った。
「何?その自信?(笑)」
「俺は自信あるよ。」
そして潤くんは私を抱き寄せて優しくキスをした。
「ほら?もう好きでしょ?」
ニッと笑う彼に私の心はすでに奪われていた。
「ふふ、どうかな?」
私は、目の前の夜景と隣にいる恋人にドキドキしながらクスッと笑った。
私もきっと続くと思う。ねっ?
うん。だから言ってるでしょ?(笑)
そうだね。
好きだってこと。俺が。