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潤は、しばらくソファーに座ってコーヒーを飲んでいたがやっぱり落ち着かなくて出掛ける事にした。
あけみと久しぶりに会えると言う嬉しさときちんと話さなければと言うドキドキとで落ち着かなかった。
どうしよう。
あけみはまた俺を受け入れてくれるだろうか。
どうしようもなくあけみが好きで自分でも可笑しかった。
こんなに好きだったなんて。
潤は支度をすると外に出た。
暑い日差しが眩しかった。
とりあえず待ち合わせのカフェの近くまで行く事にした。
電車から降りてしばらく歩いた。
タケルは、えりがまた何かするんじゃないかと不安だった。
あけみに気を付けるようにと伝えた方がいいのか、そんな事を思っているうちに昨夜は寝てしまったようだ。
昔の事が夢に出てきた。
あの時の事は今でも忘れられない。
幸い階段から落ちたあの彼女は回復も早く退院してからも元気だった。
でも、えりの存在を恐れて転校してしまった。
前の彼女も。
今はどうしているのか。
えりの言ってる事が本当なら俺は遊ばれていたと言う事だ。
結婚したんだろうか。
それよりも、今はあけみさんだ。
好きな気持ちはあるがあけみさんには想ってる人がいる。
きっと、別れた彼を忘れてはいない。
えりの事もあるし、バイトは辞めようか。
また、引っ越してえりの知らない場所へ行くべきかそれともえりを受け止めてやるべきか。
タケルは悩んでいた。
少し街でも歩いてみようか?
気晴らしになるかな(笑)
タケルはバイトの時間まで街をブラブラと歩く事にした。