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それからタケルくんとはあまり話さなくなっていった。
店長に話してタケルくんとはシフトが一緒にならないようにしてもらった。
潤はあれから何となく機嫌が悪い気がした。
常にイライラしているような。
そんな気さえした。
私もあのあと、後ろめたさもあって潤といても時々苦しくなる。
「潤?私この家を出ようかな。」
二人でソファーに座ってテレビを観ている時に潤に言った。
「うん。そうだな。」
「週末、出て行くね。」
「うん。」
潤は私の方を一切見なかった。
「離れてる方がきっといいよ。近くにい過ぎるとダメだね。。」
「うん。」
潤はそれしか言わなかった。
その日一緒にベッドに入ると潤がキツく抱きしめてきた。
「あけみ?」
「何?」
「別れようか?」
「うん。。」
「なんかごめん。俺、ダメだ。」
「分かってる。」
「ごめんな。」
「分かってる。。」
私達は隅から隅まで愛し合った。
これが最後。
お互いそう思っていたに違いない。
朝になると潤はいなかった。
キッチンに行くと私の好きなサンドイッチが並べてあった。
私はコーヒーを入れてそれを食べた。
「美味しい。」
思わずそう言った。
潤。
ごめんね。
私は、シャワーを浴びて大きな鞄に荷物を詰めた。
一緒に住んでただけあって荷物もたくさんあった。
持てるだけの荷物を持ってマンションを後にした。