17
潤はあけみをグイグイ引っ張ってマンションの部屋へと入って行った。
「ちょっと潤。痛い。」
「あの男は?何っ?」
「だから、同じ職場のバイトの。。」
「それは分かってるよ!なんで二人で歩いてたの?!」
「ごめんね。ご飯に誘われて。それで。」
「それで?何?二人で食事に行く理由は?」
「それは。。」
「あけみ、なんであの男と会ってた?」
「ごめん。」
「なんか楽しそうに話したよね。遠くからでも分かったよ。」
「違う。彼とは友達として。」
「友達として?アイツはあけみの事好きだろ?」
「・・・」
「喧嘩の事も話したんだ?」
「だから、相談に乗ってもらってたの。いろいろと。」
「いろいろ?いろいろって何?!」
「だからごめん。もう二人で会わない。」
「そんな事聞きたいんじゃないんだよ。俺がどんな気持ちで出て行ったのか分かってるの?」
「潤、ごめん。」
「あけみ。不安にさせるなよ。」
潤はあけみをそっと抱きしめた。
「潤、ごめんね。私はちゃんと潤が好きだよ。」
潤は何も言わずにあけみの頬を両手で包み優しくキスをした。
二人はそのまま何度もキスをした。
潤、ごめん。
もう、二人で会ったりしないから。
気持ち揺れたりしないから。
「あけみ。俺だけを見て。」
潤はあけみを優しく抱きしめた。