今日は、彼の誕生日。
朝からちょっとだけソワソワした。
メールを送るタイミングをいつにしようか前々から考えていた。
0時ちょうどに送ろうか・・・
それとも、じらすように誕生日が終わる頃に送ろうか。
何だかんだ考えているうちに、0時ちょうどに送ることは出来なかった。
ベッドに入ると眠ってしまった。
目が覚めてカーテンからの日差しを見てガッカリした。
まぁでも、忘れないうちにLINEしとこう。
「翔ちゃん、おめでたまきん♡34歳おめでとう。雅紀」
よし!送った!
返事はすぐに来た。
「ありがとう。」
えっ、それだけ?
いろいろ考えてたのになぁ。
やっぱり家まで行っちゃおうかな。。
相葉は身支度をして玄関から出た。
寒い~東京と言っても冬はやっぱり寒い。
とりあえずタクシー捕まえて、っと。
相葉はタクシーに乗り込むと櫻井のマンションまで向かった。
櫻井のマンションに着くと部屋の前でインターフォンを鳴らした。
なんかドキドキしてきた。。
ほどなくして、ドアがガチャっと開いた。
「あっ、翔ちゃん。おめでと。」
「あぁ、うん。わざわざそれ言いに来たの?(笑)」
「だってさ、返事もそっけないし。」
「ごめん、今日ちょっと忙しくて。あ、とりあえず入って。」
相葉は部屋に入るとリビングのソファーに腰を下ろした。
「コーヒー飲む?って言ってもそろそろ出掛ける時間なんだ。」
「えっ?そうなの?じゃあ、俺帰るわ。」相葉がソファーから立ち上がると櫻井は相葉の肩を掴んで「いいよ。まだいても。」と言ってソファーへ座らせた。
「じゃあ、コーヒー飲んだら帰るよ。」
相葉はキッチンへ行くと自分でコーヒーを入れた。
櫻井は何やら出掛ける準備をしていた。
「翔ちゃん?」相葉はコーヒーカップを持ったままキッチンから出てきた。
「何?」
「誕生日のメールって他に来た?」
「あ、えっと、潤くんから来たかなー。あとは、ニノ?大野さんは・・・」
「えっ、ちょっと待って。俺は?俺のは何番目?」
「はっ?何番?なんでそんな事聞くの?」
「何となく・・・」
一番ではないよな・・・。
やっぱり0時ピッタリに送るんだったな。
「相葉さんは最後だよ。」
「えっ?みんなそんなに早く?」
「うん。思い出したんだけど、ニノが一番早かったかも。」
「マジで?ニノか・・・」
「どうした?」
「あ、いや別に。」
相葉は苦笑いした。
「あのさ、俺出掛けるんだけど。どうする?まだいる?」
「えっ?いてもいいの?」
「うん、合鍵渡しとくからさ。ゆっくりしていってよ。」
櫻井は相葉に合鍵を渡すと行ってしまった。
あー、俺何しに来たんだろ(笑)
部屋を改めて見回すと思ったより散らかっていた。
翔ちゃんの誕生日って事で掃除でもしてあげようかな(笑)
相葉は、散らかった雑誌や新聞をまとめて部屋の隅において、寝室のベッドのシーツや布団を綺麗に直した。
洗濯をして乾燥機を掛けて畳んでクローゼットにしまった。
あー、なんかすげー綺麗になった。
翔ちゃん、喜ぶかな。
相葉は、ソファーに横になるとすっかり眠ってしまった。
しばらくして目が覚めるとすっかり日が暮れていた。
ヤバイどのくらい寝てたんだろ・・・。
慌てて帰る支度をして玄関の鍵を掛けた。
おっと、忘れてた。
相葉はポケットから小さな箱を出してリビングのテーブルに置いた。
翔ちゃん、誕生日おめでとう。
近くにあった紙切れにやっぱり近くにあったペンで走り書きした。
部屋の電気を消して玄関から出た。
相葉はZEROの時間になるとテレビを付けてもう一度彼を見て「おめでとう」と呟いた。
プレゼント気付くかな?
相葉は、何だか幸せそうにテレビに映る彼を見つめていた。
本当に誕生日おめでとう、翔ちゃん。